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ラグビー コラム 2024年6月21日

堀江翔太、サム・ホワイトロック。レジェンド2人の現役ラストマッチ。バーバリアンズvs.フィジー代表

ラグビーレポート by 斉藤 健仁
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バーバリアンズvs.フィジー代表

6月に入り、世界各国でラグビーのテストマッチが行われる中、6月22日(土)、イギリス・トゥイッケナム・スタジアムで、世界の各国代表経験者などで構成される「バーバリアンズ」が、9月にパシフィックネーションズカップで来日するフィジー代表と対戦する。

この試合はバーバリアンズに初めて選出された日本代表HO(フッカー)堀江翔太(埼玉パナソニックワイルドナイツ)の、正真正銘の現役ラストマッチとなる。

「バーバリアンズ」の正式名称は、「バーバリアンズ・フットボール・クラブ」で、英国を本拠地とする招待制のラグビー・ユニオンのクラブだ。

ケンブリッジ大学でラグビー選手として活躍したウィリアム・パーシー・カープマールが、海外遠征を行った際にその場所の背景にある文化に触発されて立ち上げた。固定のスコッドを持たず、試合やツアーを行う際に世界から選手が招待されてチームを編成する。

ユニフォームは黒と白の段柄だが、選手は所属しているクラブや出身校のソックスを着用することになっている。また伝統的に、各試合には少なくとも1人のゼロキャップ選手が選出される。

このチームを率いるのは、リーグワンの埼玉パナソニックワイルドナイツのロビー・ディーンズ監督で、ディーンズHC(ヘッドコーチ)は試合に臨む23人のメンバーを選んだ。

ニュージーランド代表としてワールドカップ4大会に出場し、ワイルドナイツでもプレーしたオールブラックス最多の153キャップを誇り、先日現役を引退したばかりのLO(ロック)サム・ホワイトロックがキャプテンを務め、23人合計で国際試合968キャップという豪華なメンバーで臨む。

FW(フォワード)は14人。イングランド代表のPR(プロップ)カイル・シンクラー(76キャップ)、キーラン・ブルックス(16キャップ)、LOデーヴィッド・リバンズ(11キャップ)、FL(フランカー)ザック・マーサー(2キャップ)、オーストラリア代表PRスコット・シオ(74キャップ)、フランス代表のLO/FLキャメロン・ウォキ(31キャップ)らといった各国代表経験者が並ぶ。

そして日本からは今季で現役を引退した日本代表のHO(フッカー)堀江翔太(76キャップ)、PRクレイグ・ミラー(18キャップ)、LO/FLジャック・コーネルセン(21キャップ)の3人。さらにFLラクラン・ボーシェ、LOリアム・ミッチェルとワイルドナイツから計5人の選手が参加している。

BK(バックス)は9人で、イングランド代表のSH(スクラムハーフ)ダニー・ケア(101キャップ)、ベン・ヤングス(129キャップ)、WTB(ウィング)ジョニー・メイ(77キャップ)、ジョナサン・ジョセフ(54キャップ)、フランス代表のWTBヴィリミ・ヴァカタワ(32キャップ)、CTB(センター)ガエル・フィク(90キャップ)、ニュージーランド代表のWTBレスター・ファアインガアヌク(7キャップ)らが名を連ねた。

バーバリアンズで6度目の指揮をとるディーンズHCは、「ロンドンに集まったメンバーには満足している。経験豊富な選手ばかりでなく、キャリアの最前線にいる選手もたくさんいる」。

「彼らは皆、このジャージーを着る特権を理解している。大事なのは全員がひとつになってつながること。彼ら全員が素晴らしいラグビーをすることができる。それができなければ、ここにいることはできない」と意気込んだ。

国内最後の試合での堀江翔太

現役ラストマッチとなるHO堀江は、「島本高校、帝京大学のソックスは持っていないので、たぶんワイルドナイツのソックスで臨むと思います。がんばります!」と語気を強めた。

一方、2023年のワールドカップで決勝トーナメントに進出したフィジー代表。この試合の後、7月にジョージア代表、ニュージーランド代表との対戦を控えている。

2023年ワールドカップで活躍したCTBレヴァニ・ボティアは、ケガのためスコッドから外れているが、キャプテンのCTBワイセア・ナヤカレヴ、WTBセミ・ラドラドラをはじめとした、昨年のワールドカップメンバーが軸となりそうだ。

他にはスーパーラーグビーのフィジアン・ドゥルアで活躍した有望株のFLキティオネ・サラワや、FLレキマ・タギタギバルといったパワフルなバックローや、WTBイライサ・ドロアセセ、WTBセレスティーノ・ラブタウマダとバックスリーにも若いタレントが揃う。

両チームは2013年から今まで3度対戦しており、最初の2回はバーバリアンズが勝利した。直近では2019年に対戦し、一進一退の攻防を繰り広げ、最終的には33-31でフィジーが勝利している。

この試合の勝者には、2011年からスポンサーである英国企業の名を冠したキリックカップが贈呈される。昨年は世界選抜にバーバリアンズが、48-42で勝利して保持しており、2021年から3年間カップを守り続けている。

世界的な選手がずらりと揃うバーバリアンズが今回もカップ防衛に成功するか。それともボールをどこからでもつなぐラグビーが持ち味のフィジー代表が観客を沸かせるプレーで、バーバリアンズに対して連勝となるか。

日本代表のHO堀江と、オールブラックスのLOホワイトロック、2人のレジェンドのプレーが見納めとなるバーバリアンズvs.フィジー代表の注目の一戦は6月22日(土)現地時間午後5:15(日本時間深夜1:15)に、イングランド・トゥイッケナムでキックオフされる。

文:斉藤健仁

斉藤健仁

斉藤 健仁

スポーツライター。1975年生まれ、千葉県柏市育ち。ラグビーと欧州サッカーを中心に取材・執筆。エディー・ジャパン全試合を現地で取材!ラグビー専門WEBマガジン「Rugby Japan 365」「高校生スポーツ」の記者も務める。学生時代に水泳、サッカー、テニス、ラグビー、スカッシュを経験。「エディー・ジョーンズ 4年間の軌跡」(ベースボール・マガジン社)、「ラグビー日本代表1301日間の回顧録」(カンゼン)など著書多数。≫Twitterアカウント

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