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2トライを奪う活躍を見せたFB池本
曇り空の早稲田大学上井草グラウンドには多くの観客が駆け付け、関東大学春季交流大会の第4節・法政大学との一戦が行われた。
早大は序盤からスクラムでプレッシャーをかけ、前半2分に早々と先制に成功する。ボールポゼッションで優位に立ち、法大を無得点に抑えて26-0で前半を折り返す。後半も攻撃の手を緩めず、次々に得点を加える。インターセプトなどで失点を許すものの着実にリードを広げ、52-14と危なげなく白星を飾った。
早大は序盤から法大に圧力をかける。2分、敵陣で得たマイボールスクラムをプッシュし、法大のディフェンスラインを後退させる。右に大きくボールを展開し、初スタメンのWTB(ウィング)田中健想(社1=神奈川・桐蔭学園)がタッチライン際を駆ける。
一気にゴールライン目前まで前進すると、早いテンポで次々にゲイン。LO(ロック)栗田文介(スポ3=愛知・千種)、CTB(センター)金子礼人(法3=福岡・西南学院)がそれぞれ力強い突破を見せると、最後はFB(フルバック)池本晴人(社2=東京・早実)がグラウンディング。早くも先制に成功した。
その後、9分、12分のスクラムで連続でペナルティを奪うと敵陣に侵入。ラインアウトのセットプレーでFW(フォワード)が着実にゴールに近づいていく。ライン際のBK(バックス)のアタックで、FB池本がタックラーをかわしながらボールを受け取ると、そのままインゴールまで走り切った。
続く17分、ハーフライン付近のマイボールスクラムから左右に大きく展開するアタックを見せると、法大のディフェンスに綻びが生まれる。NO8(ナンバーエイト)城央祐(スポ1=神奈川・桐蔭学園)からショートパスを受け取ったFL(フランカー)田中勇成(教3=東京・早実)が前進。
順目にアタックを継続した早大は、CTB金子がラインブレイクに成功し、最後はWTB田中健がトライ。19-0とリードを広げる。
さらに31分、自陣22mライン付近でのマイボールスクラムを積極的に展開した早大は、左サイドでWTB清透馬(商4=茨城・茗溪学園)が持ち前のステップでタックルをずらしてゲインする。
ラグビー 関東大学春季交流大会2024
【ハイライト】Aグループ 早稲田大学 vs. 法政大学| 早稲田が8トライで快勝
返しのアタックで、SO(スタンドオフ)野中健吾(スポ3=東海大大阪仰星)が法大ディフェンスのギャップを正確に突き、キックで陣地を大きく獲得。そこから法大陣内での攻防が続く。
今季初のスタメン出場となったHO安恒
36分、早大は敵陣深い位置でのラインアウトから正確にアタックを継続すると、池本のオフロードパスを受け取ったHO安恒直人(スポ4=福岡)がトライ。26-0と法大に攻撃の隙を与えないまま前半を折り返した。
後半、両チームはボールが手につかずミスが増えてしまう。先に精細さを取り戻したのは早大。11分、中盤でのスクラムで一気に押すと、コラプシングのアドバンテージを獲得。
アグレッシブなアタックでゲインを見せると、SO野中からパスを受け取ったPR(プロップ)新井瑛大(教2=大阪桐蔭)がブレイク。フォローに走っていたCTB森田倫太朗(スポ2=兵庫・報徳)が受け取り、追加点を挙げた。
15分、再開のキックオフをキャッチした早大は自陣からアタックを仕掛ける。WTB田中勇が鋭い加速で法大ディフェンスを引き裂き、一気に敵陣22mラインまで侵入。SH(スクラムハーフ)糸瀬真周(スポ3=福岡・修猷館)が、早いテンポでパスを展開し、金子がトライを取り切った。
18分には失点を許すものの、22分にFL萩原武大(スポ3=茨城・茗渓学園)のナイスタックルでペナルティを獲得した早大は、法大ゴール前でラインアウトモールを形成しHO(フッカー)清水健伸(スポ2=東京・国学院久我山)がグラウンディング。45-7と着実にリードを広げていく。
インゴールに向けて突破するLO栗田
さらに30分、法大がスクラムから大きく外側に展開したが、田中健の詰めるディフェンスでアタックミスを誘うと、田中勇からオフロードパスを受け取ったLO栗田が敵陣10mライン付近からタックラーを次々と引きちぎり、ゴール中央にトライ。
35分にインターセプトから法大に追加点を許したものの、最終スコアは52-14。38点のリードを得たまま、ノーサイドの笛が鳴った。
今試合では強力なスクラムが光り、試合の流れを掴んだ早大。PR新井は「春から積み上げてきたものを法大に対して出し、(スクラムを)優位に組めた」と振り返る。スクラムの要であるHO佐藤健次主将(スポ4=神奈川・桐蔭学園)、PR亀山昇太郎(スポ4=茨城・茗溪学園)を欠く中でも盤石の強さを見せ、層の厚さを示した。
しかし、アタックでのミスなど、それぞれの課題を自覚する一戦にもなった今節。次戦、最終節の帝京大学戦では1つのミスが命取りとなる緊張感のある試合展開となるだろう。
春シーズンの王者が決まるまであと1週間。『春シーズン全勝』、そして『Beat Up』を体現するため、さらに完成度を高めていく早大ラグビー部から目が離せない。
文:村上結太/写真:西川龍佑、清水浬央(早稲田スポーツ新聞会)
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