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「本人とも話しましたが、日本代表でさらに個人の力を伸ばし、それをチームに還元しようということになりました、その間に他のリーダーたちをはじめ、選手たちが力をつけてくれたらな、と思っています」
BKのエース格、FB矢崎由高は完調ではないため出場を見送るが、出場今季チャンスを掴んでいるWTB鈴木寛大は3戦連続の先発を果たす。強気で決定力がある。
過去2試合にNO8で先発したルーキーの城央祐は、今回はベンチスタート。フィジカル面の強い相手とのバトルで実力を証明したい。
明治は昨年のチームのFW8人のうち5人が4年生だった。新しいパックを強化中だ。
チームを束ねるNO8木戸大士朗主将は、もともと寡黙なリーダーだ。しかし、先頭に立つ日々を過ごして変化もある。
神鳥裕之監督が証言する。
「決して多弁ではありませんが、ひと言ひと言の重みが増してきました。自ら体を張るスタイルは変わらぬまま、周囲にも厳しいことも求められるリーダーになってくれています」
注目は力を積極的に出している1年生たちだ。早明戦には、SO萩井耀司、FB為房幸之介と、2人のフレッシュマンが先発する。
「1年生らしからぬゲームコントロ―ル」と萩井を評価するのは神鳥監督だ。
「ベーシックなスキルが高いから、全体をうまくリードできています」
力の差がない相手との競り合いの中でも力を発揮できるかどうか、指揮官はチェックするつもりだ。
為房に関しても、圧力の中でのプレーぶりを見つめる。
ランニング能力の高さと強さについて「想像以上」と評価する。ウエートトレーニングの数値も高い。経験値を高めれば、相手にとってさらに脅威となるだろう。
チームとして、春シーズンは土台を大きくする日々を過ごしてきた。戦術的なことに手をつけたのは、春季交流大会の2戦目が終わった後のことだ。
パワフルな面はそのまま、スマートに戦える面も伸ばしていきたいと神鳥監督は話す。
2024年シーズンのチームスローガンは「奪還」。SH柴田竜成など、上級生になって、持てる才能をますます発揮できる選手も出てきた。
全力でほしいものを奪いにいく。
文: 田村 一博
田村一博
前ラグビーマガジン編集長。鹿児島県立鹿児島中央高校→早稲田大学。早大GWラグビークラブでラグビーを始める。ポジションはHO。1989年、ベースボール・マガジン社に入社。ラグビーマガジン編集部に配属される。1993年から4年間の週刊ベースボール編集部勤務を経て、1997年からラグビーマガジン編集長に就く。2024年1月に退任し、現在は編集者、ライターとして活動。
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