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ラグビー コラム 2024年5月23日

大激戦必至の因縁カード。3位決定戦「横浜キヤノンイーグルス×東京サントリーサンゴリアス」。NTTジャパンラグビーリーグワン2023-24プレーオフ

ラグビーレポート by 多羅 正崇
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横浜キヤノンイーグルス vs. 東京サンゴリアス

5月25日(土)。

国立競技場での決勝戦前日、東京・秩父宮ラグビー場で、因縁のバトルが展開される。

両雄は昨季の3位決定戦でも激突した。言わずもがな、イーグルスの沢木敬介監督、CTB梶村祐介主将らは元サンゴリアスだ。

沢木監督は昨季の試合後「僕やカジ(梶村主将)が元サントリーということは関係なく、相手にすごく苦手意識があった」と話していたが、結果はイーグルスが26-20で勝利。チーム史上最高の3位でフィニッシュ。有終の美を飾った。

迎えた因縁の両軍は今季、第11節交流戦で激突している。記憶に新しい、あのイーグルスSO田村優のサヨナラPGがあった試合だ。

SO田村のサヨナラPGでイーグルスが大逆転勝利(37-35)。サンゴリアスはシーズンをまたいだ2連敗を喫した。

進境著しいイーグルスは今季、準決勝で2季連続で埼玉パナソニックワイルドナイツと対戦した。

結果は3点差(17-20)の惜敗。沢木監督は「今季のベストゲーム。負けたことは悔しいですが、選手たちは力を出し切りました」と清々しかった。

「フィットネスは自信があったので、後半必ず挽回できると思っていました。その結果、後半のような展開(後半スコアは7-14)に持ち込めたと思います」

「去年ならトップ4に入っても『ワイルドナイツに負けても仕方がない』と捉えていたかもしれませんが、ロッカールームで涙を流す選手がいるぐらい悔しがっていました。そういった反応に成長を感じます」(イーグルス沢木監督)

昨季準決勝のワイルドナイツ戦は31点差(20-51)の大敗。しかし今年は3点差。イーグルスはどこまで成長を続けるのだろうか。

 

土曜日の大一番へ向けては先発4名が替わり、元サンゴリアスのHO中村駿太、PR祝原涼介、WTB松井千士がスタメンを託された。個人レベルでも因縁浅からぬ対決がみられそうだ。勝負所に強いCTB田畑凌は4人目の先発変更だ。

一方、対イーグルス3連敗は、絶対に避けたいのがサンゴリアスだ。

今季準決勝の相手は、同じく東京都府中市に練習拠点を構える東芝ブレイブルーパス東京。「府中ダービー」だった。

リーグワン元年(2022年)準決勝は30-24で競り勝った相手だが、今回は20-28でリベンジされ、2季連続で3位決定戦に回ることに。

サンゴリアスの田中澄憲監督は「準備したプランで相手をうまく崩せたのが良かった点」と評価しながらも、ミスが多かったと敗因を語った。

「小さなミスがいくつかありました。序盤で22m以内に4回入って、スコアできたのは1回だけだったことが物語っていると思います」

HO堀越康介主将も「大事な時間帯での小さなミスが今日の試合の勝敗に関わった」と同内容の敗因分析だった。

「相手は前半、ほとんど22m以内に入っていないと思いますが、入ったらスコアしてきました。そこは主導権を握る要因になると思います。見直せる部分なので、次のゲームに向けてしっかりやっていきます」(サンゴリアス田中監督)

 

決戦へ向けては、こちらも先発4人が替わった。PR小林賢太、LOトレヴァ・ホゼア、FL桶谷宗汰、CTB中村亮土だ。そしてリザーブには同志社大学時代は世代最強プロップの呼び声もあった山本敦輝が入り、デビューを狙う。

両軍はアタッキングチーム。激しい応酬が展開されるだろう。

イーグルスは武器のラインアウトモールが炸裂するか。optaによると、モールの起点となるラインアウトの成功率はイーグルスがD1トップ(90%)。モールによる1試合平均のゲインメーター数は全体1位(24.9m)だ。

近年は必ず接戦になる黄金カード。直近4試合はどれも10点差以内で決着している。激しい打ち合いは必至だ。

文:多羅 正崇

多羅正崇

多羅 正崇

スポーツジャーナリスト。法政二高-法政大学でラグビー部に所属し、大学1年時にスタンドオフとしてU19日本代表候補に選出。法政大学大学院日本文学専攻卒。「Number」「ジェイ・スポーツ」「ラグビーマガジン」等に記事を寄稿.。スポーツにおけるハラスメントゼロを目的とした一般社団法人「スポーツハラスメントZERO協会」で理事を務める。

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