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名古屋に乗り込む埼玉WKは、前節のリコーブラックラムズ東京(BR東京)戦から先発で4名の交代と2名のポジション変更がある。LOエセイ・ハアンガナがリザーブに下がったことで、NO8だったジャック・コーネルセンがLOに上がり、NO8には前節FL(7番)だった大西樹が移動する。そして、7番にはラクラン・ボーシェーが2試合ぶりの先発復帰だ。BKでは両CTBが、ヴィンス・アソ、長田智希のコンビからダミアン・デアレンデ、ディラン・ライリーとなる。FBは野口竜司から山沢拓也に変更だ。どうメンバーを変更しても戦力が同等以上に感じるのが埼玉WK強み。前節は休みだった堀江翔太もリザーブに入り、後半登場することになるだろう。
堀江は今季限りでの引退を表明しており、トヨタVとは最後の対戦になる可能性がある。このことについて姫野は言う。「間違いなく日本ラグビーを引っ張ってきた人です。帝京大学の先輩でもあり、試合ができなくなるのは寂しいです。でも、彼にいい仕事をさせないことが(勝つためには)大切です。後半の埼玉WKの勢いをそぐことができると思います」
Optaのスタッツによれば、埼玉WKはリーグ戦のトヨタV戦では、現在1試合平均19点差をつけて6連勝中だ。数字を見ていくと埼玉WKの攻撃力の高さが目立つ。今季1試合平均のゲインメーター(584m)、同ラインブレイク数(11.1回)及び、ディフェンス突破数(31.2回)はD1でトップ。個人では、ディラン・ライリーのトライ直接関与数は、今季のD1で最多の18(12トライ+6アシスト)、次点は小山大輝の17(4T+13A)。この攻撃力を抑え込むには、トヨタVが効果的な攻撃を多数繰り出せるかどうかにかかってくるだろう。ミスや反則で埼玉WKにボールを渡せば、あっという間に得点されてしまう。
ディフェンス面でも、埼玉WKは高い数字を残しており、ジャッカルでのターンオーバー数の1試合平均3.2回はBL東京に次いで2位。堅守速攻のスタイルはその卓越したターンオーバー能力があってこそ実現する。一方で、トヨタVもジャッカルの名手である姫野を擁する。チームとしてターンオーバーに繋がったタックル数の1試合平均は、BR東京(2.9)に次いで、D1全体2位(2.8)で、トヨタVの強みと言える。タックル後のボール争奪戦はこの試合の大きな見どころだ。立ち上がりから激しいフィジカルバトルが見られるだろう。
村上 晃一
ラグビージャーナリスト。京都府立鴨沂高校→大阪体育大学。現役時代のポジションは、CTB/FB。86年度、西日本学生代表として東西対抗に出場。87年4月ベースボール・マガジン社入社、ラグビーマガジン編集部に勤務。90年6月より97年2月まで同誌編集長。出版局を経て98年6月退社し、フリーランスの編集者、記者として活動。
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