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東芝ブレイブルーパス東京 vs. コベルコ神戸スティーラーズ
リーグワンのディビジョン1(D1)は、今週末、第13節が行われる。優勝を争うプレーオフトーナメントに進出できるのは4チームのみ。すでに首位の埼玉パナソニックワイルドナイツが進出を決めた。これを追う2位の東芝ブレイブルーパス東京(BL東京)は、4月14日(日)、秩父宮ラグビー場(東京都港区)で5位のコベルコ神戸スティーラーズ(神戸S)と戦う。ホストゲームとなるBL東京は勝てばプレーオフ進出が決まる一方、神戸Sは負けるとベスト4入りに黄信号がともる。互いに是が非でも勝ちたい試合だ。
BL東京は前節、クボタスピアーズ船橋・東京ベイ(S東京ベイ)と接戦の末、終了間際に逆転勝ち。トッド・ブラックアダーヘッドコーチは自信をもって戦った選手を称賛した。「アームレスリングのような試合でした。しっかりと最後まで戦ってくれた選手たちを誇りに思います」。対する神戸Sは、東京サントリーサンゴリアスに27-36で敗れた。しかし、残る4試合で勝ち点を積み上げればトップ4に残る可能性は残されている。デイブ・レニーヘッドコーチは、チームの戦いぶりは悪くないとした上で、「きょうの試合でも、残り20分は良いチャンスを作った場面がありました。では、なぜそれが最初の60分はできないのか。突き詰めていきます」
両チームは今季の第3節(12月24日)にも戦っており、BL東京が46-39という点の取り合いを制した。BL東京は今季のD1ではホストゲーム全6戦を含め11勝(1敗)。神戸Sはビジターゲームでは現在3連勝中で合計14トライを記録している。Optaのスタッツによれば、今季の神戸Sのタックル回避率は、D1トップの29.1%(次点はBL東京の26.9%)。キャリー1本あたりのゲインメーター数もD1トップの4.9m。トライ数でもBL東京の60を上回る67トライをあげており、攻撃力はBL東京と互角以上だ。BL東京の失点は埼玉ワイルドナイツの次に少ない279点。この分厚い防御網を神戸Sがどう崩すのかは最大の注目点。
48時間前に発表されたメンバーでは、BL東京は前節から先発で4名の交代。1番のPRは眞壁照男から木村星南に、7番のFLは徳永祥尭から佐々木剛、12番のCTBは眞野泰地からニコラス・マクカランに代わる。佐々木とマクカランは第8節以来の復帰だ。残念ながら今季のBL東京をけん引してきたSOリッチー・モウンガは家庭の事情で欠場。FBでプレーすることが多かった松永拓朗がSOに上がる。そして、FBにはマイケル・コリンズが入った。松永とHB団を組むSH杉山優平は「前回の対戦(2023年12月24日)と同じく点を取り合うアタッキングラグビーになると思います。モウンガが出ない中で、松永とコミュニケーションをとってブレイブルーパスのアタックを体現したい」と意気込みを語った。キャプテンは引き続きHO原田衛が務める。
神戸Sのメンバーも前節から先発で4名の変更だ。1番のPRは高尾時流から中島イシレリ、4番のLOはワイサケ・ララトゥブアからジェラード・カウリートゥイオティへ。NO8ティエナン・コストリーがリザーブに下がったため、NO8は前節6番のサウマキ アマナキがNO8に入って、6番のFLには今村陽良が入る。12番のCTBはナニ・ラウマペからラファエレ ティモシーに代わった。キャプテンは大黒柱のLOブロディ・レタリック。図抜けた突破力を誇るFLアーディ・サヴェア、SH日和佐篤、CTB李承信ら軸になる選手は不動。持ち前の攻撃力でBL東京のディフェンスを切り裂きたい。
モウンガとブリン・ガットランドというニュージーランド出身SO対決は大きな注目ポイントだったが、松永対ガットランドとなった。モウンガ不在のなかで、SO松永でもBL東京のスタイルを貫いて勝利できるかどうか。目標の優勝を見据えても大切な戦いだ。松永兄弟対決も注目点のひとつ。今回は兄・拓朗がSOとして、WTBの弟・松永貫汰と戦う。ともに卓越したランニングスキルを持っており、ここで競い合ってほしいところ。オールブラックスのLOレタリックに挑む日本代表LOワーナー・ディアンズのマッチアップも面白い。また、サヴェアとBL東京のシャノン・フリゼルというオールブラックスのFW第三列対決も見逃せない。
勝てばプレーオフトーナメント進出が決まるBL東京のブラックアダーヘッドコーチは、「先を見過ぎずに、しっかりと地に足をつけて戦っていきたい。もし、プレーオフトーナメントに進出できたとしたら、結果を出せる力を蓄えてきたからこそのことだと思うので、素直に嬉しく受け取りたい」と語った。最後まで勝敗のわからない激闘が続くリーグワン。果たして、この試合はいかなる結末を迎えるのだろうか。
村上 晃一
ラグビージャーナリスト。京都府立鴨沂高校→大阪体育大学。現役時代のポジションは、CTB/FB。86年度、西日本学生代表として東西対抗に出場。87年4月ベースボール・マガジン社入社、ラグビーマガジン編集部に勤務。90年6月より97年2月まで同誌編集長。出版局を経て98年6月退社し、フリーランスの編集者、記者として活動。
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