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ラグビー コラム 2024年3月22日

ブラックラムズ東京、波乱を起こせるか? 2位ブレイブルーパス東京に挑戦

村上晃一ラグビーコラム by 村上 晃一
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東芝ブレイブルーパス東京 vs. ブラックラムズ東京

リーグワンのディビジョン1は第11節に入る。レギュラーシーズンは今節を入れてあと6試合。優勝を争うプレーオフトーナメントに進出できる4位までに入る争い、ディビジョン2との入替戦にまわる10~12位を回避する戦いは佳境を迎える。3月24日(日)、秩父宮ラグビー場(東京都港区)で対戦するのは、9勝1敗、勝ち点42で首位の埼玉ワイルドナイツを追う東芝ブレイブルーパス東京(BL東京)と、2勝8敗で10位のリコーブラックラムズ東京(BR東京)だ。

優勝を目指して着実にチーム力を上げるBL東京は、前節、三菱重工相模原ダイナボアーズを、41-19で退けた。プレーヤー・オブ・ザ・マッチに輝いたSOリッチー・モウンガを軸にボールをテンポ良く動かし、ダイナボアーズの粘り強いディフェンスをかいくぐってトライを重ねた。試合後、トッド・ブラックアダーヘッドコーチは、「素晴らしいスキルの遂行力でトライを取れたことがうれしい。ただ、ラインアウトは明らかに課題になっていますし、もっと正確性を上げていかないといけない部分も見つかりました」と話した。

 

試合の時期にはニュージーランド代表のスコット・ロバートソンヘッドコーチが来日しており、旧知のブラックアダーヘッドコーチは「原田(衛)をオールブラックスに連れて行きたい、と言われましたが、『原田だけは渡せない』と断りました(笑)」と話した。ダイナボアーズとの試合でも原田は何度もディフェンスを突破し、トライをあげており、評価の高さがうなずける活躍だった。BR東京との戦いでもキャプテンを務める。BR東京戦のメンバーは前節から先発で2名の変更のみ。LOでジェイコブ・ピアスが復帰し、ワーナー・ディアンズとの不動のFW二列が復活する。CTBはロブ・トンプソンに代わって眞野泰地が入る。

 

一方のBR東京は、前節、静岡ブルーレヴズに29-36で敗れた。一時、2点差まで迫ったが静岡BRのセットピースを起点にした攻撃で突き放された。ピーター・ヒューワットヘッドコーチは、「ブルーレヴズがグラウンドを広く使ってプレーしたので、エッジでのディフェンスが少し消極的になり、勢いを作らせてしまったと思います」と、ディフェンス面の課題をあげた。また、2試合連続で先発SOを務めた中楠一期については、「しっかりとゲームのセットアップをしてくれました。良いゲームマネジメントを与えてくれる選手だと思います」と称賛。BL東京戦も中楠は10番をつけて先発する。

そのほかのメンバーだが、BR東京は前節から先発で4名の変更がある。両PRは先発とリザーブが入れ替わった形で、眞壁貴男、大山祥平が先発する。眞壁は弟の照男とFW第一列で兄弟対決となる。アマト・ファカタヴァはFW第二列から三列へ。LOはマイケル・ストーバーグが先発し、ジョシュ・グッドヒューとLOコンビを組む。BKでは、CTBハドレー・パークスがメンバー外となり、マット・マッガーンがFBからCTBへ。FBには突破力あるアイザック・ルーカスが入る。

両チームは昨シーズン2度対戦し、BL東京が17-7、12-10で連勝しているが僅差だった。しかし、今季の戦いぶりでは攻撃力に差が出ている。BL東京がここまで51トライをあげているのに対して、BR東京は24。Optaの統計数値では、ボールキャリーの回数は、1,221回対1,063回と大きく変わらないにもかかわらず、ゲインメーターは、5,225m対3,854と差がある。BR東京にも良い数字があり、今季1試合平均ドミナントタックル数(相手を押し込むタックル数)は、ディビジョン1最多の11.4(次点はBL東京の10.5)。一方で、BL東京の前節のタックル回避率は、ディビジョン1トップの35%(次点はBR東京の29%)で、タックルの攻防でどちらが優位に立つかは興味深い。

個人記録では、BR東京のアイザック・ルーカスのキャリー数(151)及び、ディフェンス突破数(60)は、いずれも今季のディビジョン1最多だ。ルーカスは、ゲインメーターでも776mで3位なのだが、その上を行く2位はBL東京の松永拓朗の832で、5位のリッチー・モウンガも760mでルーカスに迫る勢いだ。個人技の応酬もこの試合の見どころのひとつになる。僅差勝負を落とすことが多いBR東京が下馬評を覆すことができるのか。充実のBL東京が力の差を見せつけるのか。楽しみな東京ダービーである。

文: 村上 晃一
村上晃一

村上 晃一

ラグビージャーナリスト。京都府立鴨沂高校→大阪体育大学。現役時代のポジションは、CTB/FB。86年度、西日本学生代表として東西対抗に出場。87年4月ベースボール・マガジン社入社、ラグビーマガジン編集部に勤務。90年6月より97年2月まで同誌編集長。出版局を経て98年6月退社し、フリーランスの編集者、記者として活動。

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