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ジャパンラグビー リーグワン2023-24 D1
【第10節ハイライト動画】コベルコ神戸スティーラーズ vs. 埼玉ワイルドナイツ
後半に入ると埼玉WKがボールを保持して攻勢に出る。しかし、4連勝中の神戸Sも飲み込まれない。松永の好タックル、WTB山下楽平のジャッカルなどでピンチを防ぐと、12分、ラインアウトからの連続攻撃で右に左にボールを動かし、中央のラックからいったん左にボールを出し、ガットランドが密集サイドへボールを戻すと、CTB李承信が抜け出して日和佐篤にパス。このトライで18-14と逆転した。2003年以来のワイルドナイツからの勝利が現実のものになるかと思われたが、18分、埼玉WKのFL大西樹にトライされ、再び18-21と逆転されてしまう。
この後、神戸Sは疲れもあってか戦略的キックの精度を欠き苦しい展開になる。埼玉WKはデアレンデが好タッチキックで陣地を進めるなど、試合終盤でプレーの精度、攻撃のテンポを上げた。交代出場の山沢拓也がトライを追加して、最終スコアは28-18。窮地に決して慌てず、各選手が役割を遂行する埼玉WKの貫禄の勝利だった。
埼玉WKの坂手淳史キャプテンはこう話した。「ハーフタイムにロビー・ディーンズ監督から、もう少しボールを持とう、という話があり、それを遂行できました。また一つレベルを上げることができました。これまでプレータイムが少なかった選手たちも良いパフォーマンスをしていました。みんなが良い準備をしていることが証明されました」。10連勝として王座奪還に向かってひた走る埼玉WKは次節(3月22日)、昨季の王者クボタスピアーズ船橋・東京ベイと戦う。
「接点のバトルで負けたと思っています」と、神戸Sのデイブ・レニーヘッドコーチは記者会見で話し始めた。「前半のチャンスで得点できず、スコアでプレッシャーをかけることができませんでした。後半は簡単にボールを渡してしまうキックが多くなりました。ボールを持つ時間が少なくては、ワイルドナイツには勝てません」。キャプテンを務めたブロディー・レタリックは、選手たちに前向きに話したという。「自分たちはもっと良いパフォーマンスができるチームだ。頭を下げず、もう一度ワイルドナイツと戦って勝とう」。勝ち点は29のままだが4位は変わらず。トップ4によるプレーオフ進出に向け、次節(3月24日)は花園近鉄ライナーズと戦う。
村上 晃一
ラグビージャーナリスト。京都府立鴨沂高校→大阪体育大学。現役時代のポジションは、CTB/FB。86年度、西日本学生代表として東西対抗に出場。87年4月ベースボール・マガジン社入社、ラグビーマガジン編集部に勤務。90年6月より97年2月まで同誌編集長。出版局を経て98年6月退社し、フリーランスの編集者、記者として活動。
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