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コベルコ神戸スティーラーズ vs. 埼玉ワイルドナイツ
リーグワン第10節、3月16日(土)の神戸総合運動公園ユニバー記念競技場は晴れ、微風の好コンディション。地元の英雄・コベルコ神戸スティーラーズ(神戸S)が首位・埼玉パナソニックワイルドナイツ(埼玉WK)にチャレンジするとあって、スタンドには12,036人の観衆が詰めかけた。午後2時30分、神戸SのSOブリン・ガットランドが、埼玉WK陣深い位置へ高いボールを蹴り上げる。これをWTB松永寛汰が俊足を飛ばして追いかけプレッシャーをかける。
序盤は神戸Sの勢いが勝り、先制トライを奪った。前半3分、埼玉WK中盤の左ラインアウトのロングスローをCTBマイケル・リトルが直接キャッチして突進。ゴールライン直前に迫ると、密集の近場を連続攻撃し、FLサウマキ アマナキがゴールラインを越えた。ガットランドのゴールはポストに当たって外れ、5-0。その後は互いに地域獲得を意識してのキッキングゲームとなる。相手陣深くに入れない埼玉WKは、前半9分、SO松田力也が約50mのPGを決める。以降はガットランドと松田が2本ずつPGを決め合い、33分、松田のPGで、11-9と神戸Sの2点リードとなる。
神戸Sは再三攻め込みながらトライできず、埼玉WKは我慢しつつ3点を積み重ねる展開だった。神戸Sは34分、ゴール前のラインアウトからモールを押し込み、HO松岡賢太がインゴールにボールを持ち込んだかに見えたが、倒れた選手の上に乗ってしまい、トライならず。直後のチャンスもラックからボールがこぼれ、埼玉WKのSH内田啓介にボールを拾われて独走される。ここは松永が追いかけてボールを奪い返し、スタンドを沸かせたが、連続してチャンスを逸したことで流れが変わってしまう。
38分、内田の独走で相手陣深く入った埼玉WKは、ラインアウトから連続攻撃。縦突進を繰り返しながらゴールラインまで10mまで攻め込み、中央ラックから素早く右へ展開し、内田からPRヴァルアサエリ愛、そして、CTBダミアン・デアレンデがタックラーをかわしながらWTB長田智希にパスをつなぎ、長田がディフェンスの内側に切り込んで逆転トライをあげた。ゴールは決まらず、11-14となる。前半は神戸Sがボール保持時間も地域獲得も優勢に試合を進めながら、スコア上は埼玉WKが上回った。これぞ、埼玉WKの真骨頂である。
ジャパンラグビー リーグワン2023-24 D1
【第10節ハイライト動画】コベルコ神戸スティーラーズ vs. 埼玉ワイルドナイツ
後半に入ると埼玉WKがボールを保持して攻勢に出る。しかし、4連勝中の神戸Sも飲み込まれない。松永の好タックル、WTB山下楽平のジャッカルなどでピンチを防ぐと、12分、ラインアウトからの連続攻撃で右に左にボールを動かし、中央のラックからいったん左にボールを出し、ガットランドが密集サイドへボールを戻すと、CTB李承信が抜け出して日和佐篤にパス。このトライで18-14と逆転した。2003年以来のワイルドナイツからの勝利が現実のものになるかと思われたが、18分、埼玉WKのFL大西樹にトライされ、再び18-21と逆転されてしまう。
この後、神戸Sは疲れもあってか戦略的キックの精度を欠き苦しい展開になる。埼玉WKはデアレンデが好タッチキックで陣地を進めるなど、試合終盤でプレーの精度、攻撃のテンポを上げた。交代出場の山沢拓也がトライを追加して、最終スコアは28-18。窮地に決して慌てず、各選手が役割を遂行する埼玉WKの貫禄の勝利だった。
埼玉WKの坂手淳史キャプテンはこう話した。「ハーフタイムにロビー・ディーンズ監督から、もう少しボールを持とう、という話があり、それを遂行できました。また一つレベルを上げることができました。これまでプレータイムが少なかった選手たちも良いパフォーマンスをしていました。みんなが良い準備をしていることが証明されました」。10連勝として王座奪還に向かってひた走る埼玉WKは次節(3月22日)、昨季の王者クボタスピアーズ船橋・東京ベイと戦う。
「接点のバトルで負けたと思っています」と、神戸Sのデイブ・レニーヘッドコーチは記者会見で話し始めた。「前半のチャンスで得点できず、スコアでプレッシャーをかけることができませんでした。後半は簡単にボールを渡してしまうキックが多くなりました。ボールを持つ時間が少なくては、ワイルドナイツには勝てません」。キャプテンを務めたブロディー・レタリックは、選手たちに前向きに話したという。「自分たちはもっと良いパフォーマンスができるチームだ。頭を下げず、もう一度ワイルドナイツと戦って勝とう」。勝ち点は29のままだが4位は変わらず。トップ4によるプレーオフ進出に向け、次節(3月24日)は花園近鉄ライナーズと戦う。
村上 晃一
ラグビージャーナリスト。京都府立鴨沂高校→大阪体育大学。現役時代のポジションは、CTB/FB。86年度、西日本学生代表として東西対抗に出場。87年4月ベースボール・マガジン社入社、ラグビーマガジン編集部に勤務。90年6月より97年2月まで同誌編集長。出版局を経て98年6月退社し、フリーランスの編集者、記者として活動。
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