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ラグビー コラム 2024年3月8日

優勝占う全勝対決! 堅守速攻の野武士軍団に接点無双の猛勇狼士が挑む

村上晃一ラグビーコラム by 村上 晃一
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埼玉ワイルドナイツ vs. 東芝ブレイブルーパス東京

ファンが待ち望んだカードが実現する。今季のリーグワンを負けなしで走る埼玉パナソニックワイルドナイツ(埼玉WK、勝ち点38)と、東芝ブレイブルーパス東京(BL東京、勝ち点37)が激突するのだ。3月9日(土)、午後2時35分キックオフ。決戦の場は埼玉WKの本拠地、熊谷ラグビー場だ。

ここ数年の埼玉WKの安定感は誰もが認めるところ。リーグワンの初代王者であり、昨季は決勝戦で惜敗したが再び頂点を伺っている。BL東京との戦績は圧倒している。Optaのデータでは、直近の18試合で17勝1敗。直近6戦では毎試合22得点以上を記録し、平均15点差をつけている。しかし、昨季はレギュラーシーズンで2度対戦し、22-19、34-22。実力は接近してきている。BL東京はデイフェンス面も向上し、ここまで8試合での失点は埼玉WKの128に次いで171点と少ない。ひりひりする僅差勝負が期待できそうだ。

首位の埼玉WKは前節、静岡ブルーレヴズから7トライを奪って45-19で勝った。セットプレーで圧力をかけてくるレヴズに対して、ゲームキャプテンを務めた堀江翔太が「(相手は)スクラム、ラインアウト、ラインアウトからのモールなどでプレッシャーを掛けてくる。そこをフォワードで自分たちもプレッシャーを掛け返そうということで準備してきて、それが今日の試合に出たと思います」と会心の勝利だったと話した。この勝利で、埼玉WKは8試合での総得点が409となり、リーグワンで唯一400点台に乗せている。攻守ともに抜群の安定感で選手層も厚い。

 

3月7日に発表された対BL東京のメンバーは、レヴズ戦から2名の変更のみ。HO、PR(3番)が堀江翔太、ヴァル アサエリ愛から、坂手淳史、藤井大喜に代わる。リザーブと先発が入れ替わった形で、堀江とヴァルは後半のフィニッシャーとして登場するだろう。FWの大黒柱であるLOルード・デヤハー、一貫性あるプレーを続けるNO8ジャック・コーネルセン、ボールハンターのFLラクラン・ボーシェーがいるFW陣は攻守にスキがない。BKもSH小山大輝、SO松田力也、CTBダミアン・デアレンデがゲームをコントロール。全員が好判断でボールをつなぐ。

 

対するBL東京は前節、花園近鉄ライナーズを50-32で退けた。負傷欠場中のリーチ マイケルに代わってゲームキャプテンを務めるHO原田衛が先制トライ。毎試合卓越したスキルを見せてくれるSOリッチー・モウンガの正確なロングパスなどで8トライを奪った。その先発メンバーから今節は6名の変更がある。FL(7番)で日本代表キャップ15の徳永祥尭が復帰して今季初先発。伊藤鐘平が6番に回って、NO8にシャノン・フリゼルが入る。BKは怪我もあって、11番から15番まで全員が変わる。12番のCTBはニコラス・マクカランから万能BKのマイケル・コリンズ、13番のCTBはロブ・トンプソンからセタ・タマニバル。WTB(11番)は濱田将輝から森勇登、14番のWTBは松延泰樹から好調の桑山淳生、そして、FBは豊島翔平に代わってゲインメーターでディビジョン1の4位松永拓朗が先発復帰する。LOジェイコブ・ピアス、FLリーチ マイケル、FL佐々木剛というレギュラー選手が欠場しているが、それを感じさせない顔ぶれだ。こちらも層が厚い。

両チームの指揮官がニュージーランドのクルセイダーズで師弟関係があることも含めて、楽しみなマッチアップは多いが、もっとも注目したいのはSO対決だ。日本代表の松田力也、ニュージーランド代表のリッチー・モウンガはともに今季の全試合に先発。総プレー時間は50分ほどモウンガが上で、パス回数は大きく変わらないが、ボールキャリーの回数は、88対54、ゲインメーターは637m対206mで、モウンガが攻撃のオプションとしても相手チームの脅威になっていることを裏付ける。ただし、松田の数字の少なさは埼玉WKの中で効率的に動き、周囲の選手を走らせている証でもある。両選手の駆け引き、チームを勝利に導く手綱さばきが楽しみだ。この試合の勝敗にかかわらず、両者が優勝を争うプレーオフトーナメントに進出する可能性が高いが、今季最高レベルの攻防を見逃してはならない。

文: 村上 晃一
村上晃一

村上 晃一

ラグビージャーナリスト。京都府立鴨沂高校→大阪体育大学。現役時代のポジションは、CTB/FB。86年度、西日本学生代表として東西対抗に出場。87年4月ベースボール・マガジン社入社、ラグビーマガジン編集部に勤務。90年6月より97年2月まで同誌編集長。出版局を経て98年6月退社し、フリーランスの編集者、記者として活動。

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