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ラグビー コラム 2024年1月17日

第60回全国大学ラグビー選手権 印象に残った選手たち

村上晃一ラグビーコラム by 村上 晃一
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第60回全国大学ラグビーフットボール選手権大会は帝京大の3年連続12度目の優勝で幕を閉じた。帝京大は第46回大会(2009年度)から15回の選手権で12度の優勝を成し遂げており、まさに黄金時代を築いている。来季も帝京大を軸に優勝争いは展開されそうだが、今大会は決勝で明治大が健闘、準決勝でも天理大が帝京大を苦しめるなど、好勝負も多かった。そんな中で筆者の印象に残った選手をピックアップしてみたい。

帝京大・江良颯キャプテン

決勝戦の後半37分、ダメ押しトライをあげた帝京大HO江良颯キャプテン(4年)の責任感あるプレーは強く印象に残った。学生随一のHOであることは誰もが認めるところだが、強いスクラム、ラインアウトの正確なスロー、力強いボールキャリー、堅実なタックル、そして、ゴール前では確実にトライを奪う。そのすべてを出し切った決勝戦だった。その江良と大阪桐蔭高校時代からともに戦ってきたFL奥井章仁(4年)の突進力も図抜けていた。タックラーを弾き飛ばし、スピードで振り切ることもある。青木恵斗(3年)とのFLコンビは常にディフェンスの脅威になっていた。LO尹礼温も体を張ったターンオーバー、ボールキャリーで気を吐いた。BKでは3人のタックラーをかわして決勝戦で先制トライをあげたWTB高本とむ(4年)、ロングキックで地域を進めたFB山口泰輝(4年)の優勝への貢献度の高さ見逃せない。

帝京大・高本とむ

明治大のキャプテン廣瀬雄也(4年)の奮闘も胸を打たれたが、明治大でもっともインパクトがあったのは、1年生WTB海老澤琥珀だった。準決勝での先制トライ、タッチキックを走り幅跳びのようにキャッチしてインフィールドに入れたプレー、そして、決勝戦では狙いすましたキックで50:22(フィフティトゥエンティトゥ)でマイボールのラインアウトを勝ち取るなど、華のあるプレーが多かった。準決勝で優れたランニングスキルを披露してトライを奪ったSO伊藤耕太郎(4年)も卓越した戦術眼で明治大のスピーディーな攻撃の軸になり、観客を沸かせた。

明治大・海老澤琥珀

準決勝で明治大に敗退した京産大では、キャプテンのFL三木皓正(4年)の強烈なタックルが目に焼き付いている。どこからともなく現れて相手を押し戻すタックルは攻撃を寸断した。準々決勝で早稲田大のスクラムを粉砕したPRヴェア・タモエフォラウ(4年)も印象深い。脳震盪で準決勝を欠場したが、スクラム、ボールキャリーのインパクトは強かった。帝京大を苦しめた天理大では、NO8パトリック・ヴァカタの存在感が大きかったが、太安善明、川越功喜の1年生FLコンビの献身的なプレーも目立った。3回戦の慶應義塾大戦で大幅ゲインするなどSHの位置でチームをぐいぐい引っ張った北條拓郎も印象的だ。

早稲田大・矢崎由高

ベスト8で姿を消したが、早稲田大のルーキー、WTB矢崎由高の豪快なランニングも強烈なインパクトだった。来季以降も観客を沸かせてくれそうだ。筑波大のキャプテン、NO8谷山隼大(4年)のアスリートとしての能力の高さも魅力があった。このほかにも将来有望な選手が多い。大学選手権で輝いた選手たちの多くが、のちにリーグワン、日本代表でも活躍している。どのような成長曲線を描くのか、楽しみに見守りたい。

大学ラグビー

文: 村上 晃一
村上晃一

村上 晃一

ラグビージャーナリスト。京都府立鴨沂高校→大阪体育大学。現役時代のポジションは、CTB/FB。86年度、西日本学生代表として東西対抗に出場。87年4月ベースボール・マガジン社入社、ラグビーマガジン編集部に勤務。90年6月より97年2月まで同誌編集長。出版局を経て98年6月退社し、フリーランスの編集者、記者として活動。

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