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ラグビー コラム 2024年1月9日

【ハイライト動画あり】ブレイブルーパス東京、スピアーズ東京ベイとのヘビー級のバトル制し開幕4連勝飾る。ジャパンラグビー リーグワン第4節レポート

ラグビーレポート by 直江 光信
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東芝ブレイブルーパス東京 vs. クボタスピアーズ船橋・東京ベイ

お互い存分に持ち味を発揮して真っ向からぶつかり合った。思わず息を止めて見入ってしまうようなシーンが連続する濃密な80分。リーグワンを代表するフィジカル自慢の両者の激突は、期待に違わぬ迫力に満ちた熱戦となった。

キックオフと同時にアクセル全開のコリジョンが繰り広げられる中、開始からしばらくは双方無得点の拮抗した展開で進む。ゲームが動いたのは17分だ。ゴール前5メートル付近でマイボールスクラムを得たクボタスピアーズ船橋・東京ベイは、右オープンへの連続攻撃で強いランナーを縦に走らせてテンポよくラックを連取し、中央を突き抜けたHOデイン・コールズがポスト右に押さえる。

もちろん東芝ブレイブルーパス東京も負けてはいない。続くキックオフから猛然とたたみかけて相手陣22メートル線内に攻め込むと、26分に相手ボールの5メートルスクラムでこぼれ球に鋭く反応したSH杉山優平が左中間にトライ。SOリッチー・モウンガのゴール成功ですかさず試合を振り出しに戻す。

さらに3分後には自陣10メートルライン付近の右スクラムでサインプレーを仕掛け、ブラインドサイドから回り込んだWTB桑山淳生がクリーンブレイク。サポートするWTB濱田将暉→松永拓朗とパスがつながり、悠々とインゴールを陥れる。これでブレイブルーパスが14-7と前に出た。

その後も目まぐるしく攻守が入れ替わる緊迫した流れは続き、34分にブレイブルーパス、40分にスピアーズがそれぞれ1PGで3点を追加。17-10で前半の40分を終えた。

後半も立ち上がりから気迫満点のファイトが展開される中、先にスコアを加えたのはスピアーズだった。54分に相手陣22メートル線付近でペナルティを獲得すると、WTBゲラード・ファンデンヒーファーがなんなくPGを通し、4点差に詰め寄る。

しかしブレイブルーパスも56分過ぎのピンチを渾身のディフェンスでしのぎきり、そこから反撃。じわじわと陣地を挽回して63分に中盤ラインアウトからBKで右オープンを攻め、アドバンテージを生かしてSOモウンガが防御ライン裏のスペースへ絶妙なキックを転がす。イレギュラーに弾むボールの処理に相手が手間取るところを勤勉なチェイスで潰し、ピックアップしたWTB濱田が右中間にグラウンディング。コンバージョンも決まって24-13とリードを広げる。

ジャパンラグビー リーグワン2023-24 ディビジョン1

【第4節ハイライト動画】東芝ブレイブルーパス東京 vs. クボタスピアーズ船橋・東京ベイ

終盤の15分間はそれぞれの意地がぶつかり合う壮絶な消耗戦となる中、ブレイブルーパスは74分にカバーディフェンスに戻ったSOモウンガが危険なタックルで痛恨のシンビン。逆に11点差を追うスピアーズはこのチャンスに残る力を振り絞って攻め立て、75分にFBリアム・ウィリアムズがゴールラインを越える。ゴール成功でスコアは4点差に。

勢いはスピアーズ。絶対的な司令塔を欠くブレイブルーパスとしては崖っぷちに追い込まれた状況だったが、一人ひとりが足をかいて懸命に攻撃を継続し、残り時間を削っていく。結果的には3分40秒あまり、25フェーズにわたってボールを保持し続け、24-20でリードを守り抜いた。

ヘビー級のバトルを紙一重の差で制し、開幕からの連勝を4に伸ばしたブレイブルーパス。静岡ブルーレヴズ東京サントリーサンゴリアスコベルコ神戸スティーラーズという実力者相手の勝利に続き、身上のスタイルを貫いて前年度チャンピオンを押しきった経験は、選手たちにさらなる自信をもたらすはずだ。あれほどハードに体を当て続けながら、ペナルティーをわずか3つに抑えたところにも、チームの充実ぶりはうかがえる。

今季のディビジョン1は激戦続出で、4節終了時点の全勝チームは埼玉パナソニックワイルドナイツとブレイブルーパスの2チームのみ。まだレギュラーシーズンの4分の1を終えた段階だが、2季ぶりのプレーオフ進出、さらには2009年度のトップリーグ優勝以来のタイトル獲得に向け、視界は良好といっていいだろう。かつてのオーラを取り戻しつつある名門が、今後どのような戦いを見せるか注目される。

一方、早くも3敗目を喫したスピアーズ。主力メンバーにケガが重なったこともあってあと一歩で勝ちきれないゲームが続き、ここまでは苦しいシーズンとなっている。もっとも、初めて頂点を極めた昨季の地力がいきなり消失したわけでない。まだ第4節。こちらもここからのパフォーマンスに注目だ。

文:直江 光信

直江 光信

スポーツライター。1975年熊本市生まれ。熊本高校→早稲田大学卒。熊本高校でラグビーを始め、3年時には花園に出場した。著書に「早稲田ラグビー 進化への闘争」(講談社)。現在、ラグビーマガジンを中心にフリーランスの記者として活動している。

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