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ラグビー コラム 2023年12月25日

【ハイライト動画あり】明治大、鬼門の対抗戦対決を快勝で突破。筑波大の挑戦退け2季ぶりの4強入り決める。ラグビー全国大学選手権準々決勝レポート

ラグビーレポート by 直江 光信
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昨季は同じ関東大学対抗戦2位からの登場で早稲田大に苦杯を喫した鬼門の準々決勝。相手の筑波大はその前回大会で関西大学リーグ2位の天理大、関東大学リーグ戦1位の東海大と上位シードを連破し準決勝に進出している。中3週で迎える大会初戦ということもあって、いつも以上にナーバスになる部分はあっただろう。

そしてそんな難しい状況でも、明治大の選手たちは存分に実力を発揮してゲームを支配した。攻守に厳しく体を当ててプレッシャーをかけ続け、相手の足が止まり始めるやすかさずたたみかけて突き放す。終盤に猛追を許した20日前の早稲田大戦の課題を見事に修正する45-7の快勝で、実力者筑波大との対抗戦対決を制した。

開始直後からノックアウトステージらしい緊張感ある攻防が繰り広げられる中、最初の得点が生まれたのは前半17分だ。相手陣22メートル線付近でマイボールラインアウトのチャンスをつかんだ明治大は、左オープン展開でテンポよくフェーズを重ね、縦に切れ込んだCTB平翔太が鋭くラインブレイク。早いテンポで順目を攻めて狭いスペースをWTB海老澤琥珀が抜け出し、左中間に押さえた。

萩原周(明治大学)

26分にはハーフウェー付近のキックレシーブから海老澤が判断よく切り返して大きく前進。サポートしたSH萩原周→FL森山雄太とパスがつながってそのままインゴールを陥れる。相手のわずかな隙を逃さずスコアに結びつけ、10-0とリードを広げた。

セットプレーと蹴り合いで後手に回り、思うように攻撃機会をつかめなかった筑波大がようやく反撃に転じたのは31分過ぎだ。明治陣22メートル線上の右スクラムから左オープンに連続攻撃を仕掛け、大畑亮太増山将の東海大仰星出身の両WTBのコンビネーションで大外を突破しゴール前へ。早い球出しに走り込んだ1年生LO磯部俊太朗が迷いなく縦へ突き抜け、ゴールラインを越える。

前半残り10分を切ったところで10-7。筑波大としては、押され気味の内容を踏まえれば上々といえる展開だっただろう。しかし明治大の真価が現れるのはここからだった。

ラグビー 全国大学選手権 23/24 準々決勝

【ハイライト動画】筑波大学 vs. 明治大学

続くキックオフで勤勉にチェイスしたWTB海老澤が相手キックをチャージし、相手陣ゴール前でマイボールラインアウトを獲得。1本目はスティールされたものの、次のチャンスで狙い通りにFWが防御を突破し、HO 松下潤一郎がポスト下に価値あるトライを挙げる。これで17-7までリードを広げて、最初の40分を折り返した。

後半。次のスコアが大きな意味を持つ状況で一進一退の緊迫した攻防が続く中、均衡を破ったのは明治大だった。62分、スクラムでのペナルティ獲得から相手陣レッドゾーンへ攻め込むと、ラインアウトを起点に左へラックを刻み、防御の死角から切れ込んだCTB平があざやかにポスト下へ駆け抜ける。

さらに67分、9フェーズにわたる連続攻撃を仕留め切ってCTB秋濱悠太がフィニッシュ。その3分後にはキックオフレシーブから約80メートルをノーホイッスルで切り返し、ラックサイドを突いたSH萩原が左中間に飛び込む。研ぎ澄まされた集中力でわずか9分間で3トライ3ゴールを追加し、一気に38-7と筑波大を突き放した。

 

これで安全圏に入った明治大は、以後メンバーを入れ替えながら余裕を持ってゲームをコントロールし、時計を進めていく。終了間際には筑波大ボールのスクラムを力強く押し込み、ファンブルしたボールに反応した途中出場のFL利川桐生がチーム7本目のトライをマーク。最終スコアを45-7まで伸ばして、フルタイムを迎えた。

12月3日の早稲田大戦では疲労が蓄積してくる後半20分以降に相手の猛反撃を許した明治大だったが、この日はその勝負どころの時間帯でペースを上げて点差を拡大し、最後までつけ入る隙を見せなかった。何より際立ったのは規律面の意識の高さだ。ペナルティの数は前後半合わせてわずか「3」。自陣へ攻め込まれてもまるで動じず、苦しい局面を堂々としのぎきったところに、チームとして一段上のレベルに成長したことを感じさせた。

これで2大会ぶりのベスト4進出となり、1月2日の準決勝では関西王者の京都産業大と対戦することが決まった。いずれも強力なセットピースと優れたディフェンス力を誇るチームで、強靭なフィジカリティにも定評があるだけに、接点の攻防は熱を帯びるだろう。60回の節目にふさわしい好ゲームになる予感はある。

文:直江 光信

直江 光信

スポーツライター。1975年熊本市生まれ。熊本高校→早稲田大学卒。熊本高校でラグビーを始め、3年時には花園に出場した。著書に「早稲田ラグビー 進化への闘争」(講談社)。現在、ラグビーマガジンを中心にフリーランスの記者として活動している。

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