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齋藤直人・リーチ マイケル・ 具智元
3シーズン目のジャパンラグビー リーグワンは、12月9日(土)に開幕。世界各国からスーパースターがやってくる。期待感が高まるが、ラグビーワールドカップ(RWC)2023に参加した日本代表選手も各チームの中心だ。ひとつのチームで世界の頂点を目指したメンバーが、別のチームで戦うわけで、そのバトルにも胸が躍る。本コラムでは注目の日本代表選手についてご紹介していきたい。今回は前編として、ディビジョン1・カンファレンスAのチームから。
連覇を狙うクボタスピアーズ船橋・東京ベイには、FLピーター・ラブスカフニ(身長189cm、体重106kg、34歳、19キャップ)がいる。昨季のリーグワン終盤は怪我のために欠場したが、RWCには復帰し、イングランド戦に先発。両チーム最多の19タックルを記録して存在感をアピール。その後の2試合でもリーチ マイケル、姫野和樹と最強のFW第三列を形成した。パワフルな選手が多いスピアーズFWの中でその献身的な働きは欠かせない。愛称「ラピース」。敬虔なクリスチャンで、旧約聖書の詩篇23篇がモットー。
齋藤直人
昨季4位の東京サントリーサンゴリアスには、RWC2023メンバーが7名いる。なかでもSH齋藤直人(身長165cm、体重76kg、26歳、19キャップ)は世界の大舞台での経験値を高め、さらなる成長が期待される。RWCではサンゴリアスの先輩でもある流大の負傷もあって、サモア戦で急きょ先発。28-22の勝利に貢献した。決勝トーナメント進出をかけたアルゼンチン戦では、抜け出したWTBシオサイア・フィフィタ(トヨタヴェルブリッツ)をサポートしてトライ。攻撃的なサンゴリアスのスタイルの中でさらに輝いてほしい。
FB/WTB松島幸太朗(身長177cm、体重87kg、30歳、55キャップ)は、RWCの全4試合に出場し、イングランド戦で両チームトップのキャリーメートル(ボールを持って進んだ距離)84mを記録したほか、何度もタックラーをかわして前進し計284m。世界レベルのランナーであることを証明した。CTB中村亮土(身長182cm、体重94kg、32歳、39キャップ)も全4試合に出場し、チリ戦でトライをあげ、ディフェンス面でもチームのピンチを未然に防いだ。アタック面では2019年RWCのようなスキルを発揮できなかっただけにリーグワンに期するものがあるだろう。
FL下川甲嗣は大会前に急きょメンバー入りもチリ戦で先発し、リザーブでイングランド戦、サモア戦と3試合に出場。貴重な経験を積んだ、その成長曲線が加速しそうだ。PR垣永真之介、HO堀越康介は試合出場こそできなかったが、いつでも出場できる準備をし、世界の舞台を肌で感じた。精神的にもサンゴリアスを引っ張っていくだろう。
リーチ マイケル
東芝ブレイブルーパス東京には、日本代表の顔ともいえるリーチ マイケル(身長189cm、体重113kg、35歳、84キャップ)がいる。4大会目のRWCにもかかわらず、全試合に出場し、RWCだけで17キャップを記録。各試合でボールキャリーにタックルにと献身的に働いた。4年後のRWCオーストラリア大会出場にも意欲を示しており、リーグワンでさらにアピールして次期ヘッドコーチの下でも代表入りを狙う。ブレイブルーパスの中で今季も安定したパフォーマンスを見せるはずだ。
LOワーナー・ディアンズ(身長201cm、体重117kg、21歳、11キャップ)は、今回のRWCでは怪我明けだったこともあって大活躍とはいかなかったが、今後の日本代表、ブレイブルーパスの大黒柱になる選手だ。WTBジョネ・ナイカブラ(身長177cm、体重95kg、29歳、8キャップ)は日本代表のトライゲッターとして期待され、チリ戦とアルゼンチン戦で2トライをあげた。リーグワンでもその爆発的なスピードでブレイブルーパスの得点源となるだろう。
具 智元
昨季9位に甘んじたコベルコ神戸スティーラーズはRWC2023メンバーに4名を送り出した。スクラム第一列で重要な3番を背負い続けたのが具智元(身長183cm、体重117kg、29歳、29キャップ)だ。選手からも、ファンからも「グーくん」と呼ばれる愛されキャラだが、スクラムを組む姿勢は力強い美しい。プール最強スクラムのイングランド戦でも、8人の押しを結集して圧力をかけた。昨季のスティーラーズでは怪我で活躍できない時期が長かったが、今季は巻き返しの軸になりたい。
スティーラーズではFW第三列だが、日本代表ではLOでもプレーしたサウマキアマナキも期待の選手。SO李承信はサモア戦の1試合のみリザーブでわずかな出場時間しかなく、悔しいRWC初出場になった。リーグワンで再び存在感をアピールしたい。FB山中亮平はいったんRWCメンバーから外れたが、前向きなコメントでファンに清々しい風を送った。セミシ・マシレワ(花園近鉄ライナーズ)の怪我で緊急招集され、1試合に出場。そのロングキック、強気なアタックは健在でスティーラーズの守護神として活躍するはずだ。
これらの日本代表選手たちのプレーを楽しみ、4年後のオーストラリア大会には誰が選ばれるのか想像しながら観戦すれば、リーグワンの楽しさも倍増するだろう。次回はカンファレンスBの日本代表選手たちをご紹介したい。
村上 晃一
ラグビージャーナリスト。京都府立鴨沂高校→大阪体育大学。現役時代のポジションは、CTB/FB。86年度、西日本学生代表として東西対抗に出場。87年4月ベースボール・マガジン社入社、ラグビーマガジン編集部に勤務。90年6月より97年2月まで同誌編集長。出版局を経て98年6月退社し、フリーランスの編集者、記者として活動。
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