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ラグビー コラム 2023年11月6日

【ハイライト動画あり】本来の姿を取り戻した筑波大が、11トライを挙げる猛攻で成蹊大に快勝。関東大学対抗戦マッチレポート

ラグビーレポート by 直江 光信
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白丸智乃祐(筑波大学)

成蹊大も最後まで膝を折ることなく懸命に戦い続けた。それでも最終スコアは73-7と大きく開いた。トライラッシュの要因となったのは、ラインアウト制圧とターンオーバーからの鋭いカウンター攻撃。筑波大が強みを生かした試合運びで狙い通りに得点を重ね、成蹊大から快勝を収めた。

勤勉で意欲的な相手を上回る運動量と反応速度で先に仕掛け続け、生み出したスペースへすばやくボールを運んで仕留め切る。この日の筑波大は、そんな意志を体現する立ち上がりの猛攻でゲームの流れを作った。

まずは開始3分、中盤ラインアウトを起点に右順目にフェーズを重ね、相手防御のわずかな隙間をFB増山将が切り裂いて先制。11分にはゴール前ラインアウトでスローが後方へ抜けたところをLO白丸智乃祐が反応よくキャッチし、右中間に押さえる。

増山将(筑波大学)

その後、ひたむきに食らいつく成蹊大のディフェンスがかみ合い始め、しばしスコアは膠着したが、筑波大は相手投入のラインアウトにたびたび圧力をかけて陣地の取り合いで優位に立ち、ふたたび流れを引き寄せる。30分、ペナルティ奪取からSH白栄拓也が速攻を仕掛け、サポートしたWTB黒澤稔生が右中間に駆け抜けると、35分にはターンオーバーから一気に逆サイドのスペースへ振ってFB増山が自身2本目のトライを奪取。40分にも相手ミスボールを切り返してCTB飯岡建人が約70メートルを走り切り、33-0と点差を広げてハーフタイムを迎えた。

後半も先に得点を挙げたのは筑波大。45分にキャプテンのNO8谷山隼大が左中間に飛び込んだシーンは成蹊大の粘り強いカバー防御でノックオンとなったが、直後のゴールラインドロップアウトから左右に振って相手を揺さぶり、SO楢本幹志朗の突破をサポートしたCTB濱島海がインゴールを陥れる。

この日もっともスタンドが沸いたのは直後の50分だ。成蹊大が自陣で相手ボールを奪うと、判断よく逆サイドへ振って大外のスペースをCTB高島大聖キャプテンが突破。リターンパスを受けたWTB松田彩が走り切り、待望のトライをマークする。

ラグビー 関東大学リーグ戦2023

【ハイライト動画】成蹊大学 vs. 筑波大学

しかし筑波大は動じることなくすぐに反撃し、丁寧にアタックを継続して54分にCTB飯岡がトライ。成蹊大の追い上げムードをすかさず断ち切ると、62分には自陣深い位置からの長い連続攻撃を仕上げて、途中出場のSH高橋佑太朗が右コーナーにフィニッシュする。

以降もラインアウト、スクラムの優勢を軸に筑波大がペースを維持し、67分と71分にSO楢本、77分にはラインアウトから20メートル以上モールを押し切ってHO門脇遼介がトライを追加。得点を73まで伸ばして、ノーサイドを迎えた。

谷山隼大(筑波大学)

0-73のショッキングな大敗を喫した10月15日の帝京大戦から2週後のゲームで、本来の姿を見せた筑波大。攻守に獅子奮迅の活躍を見せたNO8谷山は、プレーヤーオブザマッチに選出されたFL横溝昂大ショーンのラインアウトでの貢献に感謝しつつ、「ハードワークするというところにもう一度立ち返って、全員で最後までハードワークできた」と、この試合に向けチームで取り組んできたことの成果を口にした。複数の主軸がケガで離脱する苦しい状況ながら、早稲田大(70-7成蹊大)を上回るスコアで勝利できたことは、失いかけた自信を取り戻すきっかけになるはずだ。

この秋2つ目の白星で勝ち点は10となり、4位慶應義塾大との差は「4」に縮まった。残る2試合は現在7位の青山学院大戦(11月19日14時キックオフ)と、同6位の立教大戦(12月2日14時キックオフ)。いずれも今季力をつけているチームだけに簡単なゲームにはならないだろうが、ここをきっちり勝ち切れば、その先の大学選手権に向けはずみがつく。タフな終盤戦を乗り越えつつコンディションを整え、いかにピークの状態へと仕上げていけるかが、今後の重要なテーマになりそうだ。

成蹊大は身上のディフェンスで多くの見せ場を作ったが、攻撃に転じる局面でことごとくマイボールラインアウトを失い、終始自陣で守る展開を強いられたことが完敗の要因となった。もっとも低く食い込むタックルで粘り強く対抗し、何度もトライ寸前で相手のエラーを勝ち取ったことは、シーズンを通して積み上げてきたものの成果といえる。残り2戦(11月19日/対立教大、12月2日/対青山学院大)、ここで得た手応えをどう生かすかに注目したい。

文:直江 光信

直江 光信

スポーツライター。1975年熊本市生まれ。熊本高校→早稲田大学卒。熊本高校でラグビーを始め、3年時には花園に出場した。著書に「早稲田ラグビー 進化への闘争」(講談社)。現在、ラグビーマガジンを中心にフリーランスの記者として活動している。

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