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ラグビー コラム 2023年10月27日

優勝と選手権出場へ生き残りをかけた重要な一戦。関東大学リーグ戦第5節、流通経済大×東洋大戦展望

ラグビーレポート by 直江 光信
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流通経済大学 vs. 東洋大学

関東大学リーグ戦の今季の大学選手権出場枠は「3」。各校4試合ずつを終えた現時点でのポイントテーブルを見ると、東海大流通経済大が4連勝で1位と2位を占める中、3位には東洋大が3勝1敗の勝ち点16で続いている。

ただしその1敗は、同4位の大東文化大に喫したもの。残り3試合は大東文化大が下位チームとの対戦になる一方、東洋大は東海大、流通経済大、日本大と上位勢が相手だ。2年連続の選手権出場に向け、現状の勝ち点差「7」(東洋大=16、大東大=9)は決してセーフティーリードとはいい切れない。つまり東洋大にとっては今後すべての戦いが、背水の陣で臨む決戦となる。

2014年度以来のリーグ制覇を目指す流通経済大としても、負けられない状況は同様だ。現在の東海大との勝ち点差は「2」(東海大=20、流通経済大=18)で、ひとつ黒星を喫すればその背中は大きく遠ざかる。全勝を維持し、射程圏にとらえたまま最終節の直接対決(11月26日14時キックオフ@秩父宮)に逆転優勝の望みをつなぎたいところだろう。

そんな両者が激突する10月29日の第5節(14時キックオフ@セナリオハウスフィールド三郷)は、どちらにとっても絶対に落とせない重要な一戦だ。昨季のリーグ戦は後半39分のトライとゴールで流通経済大が31-29の逆転勝利。今年の春季大会も流経大が制したものの29-21と紙一重の勝負を繰り広げており、力は間違いなく接近している。今回もフルタイムの瞬間までもつれる熱戦になることが予想される。

ここまでのスコアを振り返っても、両校の力関係が拮抗していることはうかがえる。4試合の相手はともに立正大法政大、大東文化大、拓殖大で、平均得点は流通経済大が48.0点で42.5点の東洋大を上回っているものの、平均失点は流通経済大の27.5点に対し東洋大が21.8点といい数字を残している。1試合あたりの得失点差は20.5点対20.7点でほぼ同じ。まさに互角といっていいデータだ。

対照的なのは試合展開で、流通経済大が4試合すべてリードしてハーフタイムを迎えているのに対し、東洋大は対大東文化大、対法政大の2戦を前半ビハインドで折り返している。前後半の得点の比較でも、流通経済大は3試合で前半のスコアが多く1試合はイーブンの一方、東洋大は4試合とも後半の得点のほうが多い。先行押し切り型の流通経済大と後半に強い東洋大、どちらが得意の展開に持ち込むかというのが、ひとつの焦点になるだろう。

 

発表された両校の先発メンバーを見ていこう。流通経済大は左PRに玉永仁一郎が復帰し、HO作田駿介、PR吉村一将とお馴染みのFW第一列を形成。神田康生、シンクル蓮のLO陣に、FL篠澤輝、キャプテンのFL原田季弥、NO8ティシレリ・ロケティのバックローも前節法政大戦と同じ顔ぶれだ。

BKもSH武井陽昌、SO佐々木開のHB団から11番當眞寮、12番杉崎晴人、13番アンドリュー・ヘイウォードまでは前節同様の並び。唯一14番が濱谷海斗から決定力抜群のアポロサ・デレナラギに替わった。FBは今節も中村楓馬が務める。

 

対する東洋大の前節大東文化大戦からの先発変更はNO8坂田陸ひとりだけ。FWタイトファイブは1番笠巻晴太、2番小泉柊人、3番石川槙人のフロントローに、LO森山海宇オスティンと211cmのLOジュアン・ウーストハイゼンが名を連ねた。両FLはキャプテンのタニエラ・ヴェアと大内貫太郎のペアだ。

BKは1週前とまったく同じ布陣で、SH清水良太郎、SO天羽進亮のHB団がゲームメイクを司る。両CTBはルーキーの浅尾至音と南アフリカ出身のモリース・マークスのコンビ。バックスリーは左WTBに杉本海斗、右WTBにボンド洋平、FBは石本拓巳と決定力ある快足ランナーが並ぶ。

9月9日の開幕から7週目を数え、関東大学リーグ戦は今週末を含めて残り3節の終盤戦に入った。ここまでの戦いぶりからは6連覇のかかる東海大が一歩先を進んでいる印象だが、直接対決を残している流通経済大、東洋大にも逆転のチャンスはある。特に東洋大は昨季、2部からの昇格初戦となった開幕節で東海大を27-24で破るアップセットを演じており、いいイメージでチャレンジできるはずだ。

ワールドカップに沸いた9月、10月だったが、国内の大学シーンはこれからがクライマックス。成長力みなぎる若者たちの緊張感に満ちた戦いにも注目したい。

文:直江 光信

直江 光信

スポーツライター。1975年熊本市生まれ。熊本高校→早稲田大学卒。熊本高校でラグビーを始め、3年時には花園に出場した。著書に「早稲田ラグビー 進化への闘争」(講談社)。現在、ラグビーマガジンを中心にフリーランスの記者として活動している。

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