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好ゲームが続いたプールCを締めくくりは、変幻自在のアタックで観客を魅了するチーム同士の対決となった。10月8日(日本時間9日午前4時)、トゥールーズのスタジアム・ド・トゥールーズで対戦するのは、フィジーと「ミニ・フィジー」と称されるポルトガルだ。フィジーは2勝1敗(勝ち点10)で現在3位だが、2位のオーストラリアが勝ち点11で全試合を終了している。フィジーはオーストラリアに勝っているため、勝ち点1以上を上げれば2位に浮上し、決勝トーナメントに進出する。
4トライをあげるか、負けても7点差以内であればボーナス点を獲得できるため、フィジーにとってハードルは高くない。ただし、ポルトガルは侮れないチームだ。元フランス代表WTBパトリス・ラジスケヘッドコーチの指導で、個人技を駆使しながら変幻自在の攻撃を仕掛けてくる。フィジーが甘い気持ちで試合に入れば痛い目にあうだろう。
フィジーのメンバーは、引き分けたジョージア戦からFWで2名、BKで4名の変更となった。身長196cm、体重120kgのLOテモ・マヤナヴァヌアはラグビーワールドカップ(RWC)初先発。6番のFLメリ・デレナランギはRWC初出場。BKではSOにヴィリモニ・ボティツを起用。ボティツは7人制フィジー代表でも活躍。フランスのトップ14カストル・オランピックに所属する。FBシレリ・マンガラは今大会初先発。このほか、SHはシミオネ・クルヴォリからフランク・ロマニ、WTBはセミ・ランドランドラに代わってフランスのラシン92所属のヴィナヤ・ハンボシが入る。フレッシュなメンバーとなった。
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対するポルトガルは、オーストラリア戦から先発で5名の変更だ。キャプテンを務めていたCTBトマーズ・アプレトンはリザーブに下がり、本来のキャプテンであるジョゼ・リーマがCTBに入ってキャプテンを務める。オーストラリア戦でリザーブだったPRフランシスコ・フェルナンデス、NO8ハファエル・シモンイスが先発し、LOスティーヴィ・セルケイラはジョージアとの引き分け試合以来ジョゼ・マデイラとLOコンビを組む。FBマヌエル・カルドーソ・ピントは今大会初先発だ。
両チームは2005年、2013年にポルトガルのリスボンで対戦し、いずれもフィジーが勝っている。最新の世界ランキングはフィジーが8位、ポルトガルが16位。フィジーはポルトガルが14-34で敗れたオーストラリアにも勝っており、実績でみるとポルトガルにとって厳しい戦いだが、2度目のRWCで初勝利をあげたいという意欲は強く、最後まで全力で戦い続けるだろう。ポルトガルのWTBハファエリ・ストルチは、ディフェンス突破20回を記録し、今大会20回以上を記録する3選手の一人。そのステップワーク、スピードはフィジーのディフェンダーにも脅威だ。
フィジーでこれまでフル出場しているのは、キャプテンのCTBワイセア・ナヤザレヴと、今回はリザーブに入ったテティ・テラの2人だけ。FLレヴァニ・ボティア(34歳)は、2013年のポルトガル戦から残る唯一のメンバーであり、今大会も安定感あるプレーを披露している。観客を魅了するアタック合戦は見逃せない。
村上 晃一
ラグビージャーナリスト。京都府立鴨沂高校→大阪体育大学。現役時代のポジションは、CTB/FB。86年度、西日本学生代表として東西対抗に出場。87年4月ベースボール・マガジン社入社、ラグビーマガジン編集部に勤務。90年6月より97年2月まで同誌編集長。出版局を経て98年6月退社し、フリーランスの編集者、記者として活動。
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