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スコットランドvs.トンガ
9月8日に開幕したラグビーワールドカップ2023も2週間が過ぎた。9月24日(日)は、プールBのスコットランド代表(世界ランキング5位)とトンガ代表(同15位)の対戦が行われる。ともに予選プール2戦目の試合だ。
プールBは前回大会優勝の南アフリカ代表(同2位)、世界ランキング1位のアイルランド代表も属している、いわゆる「死の組」である。2019年大会でベスト8入りを逃したスコットランド代表は、初戦でその南アフリカ代表にトライを挙げられず3-18で敗れた。
スコットランドのスタメン
グレガー・タウンゼントHC(ヘッドコーチ)は、その試合からFW(フォワード)、BK(バックス)それぞれ2名ずつを変更。PR(プロップ)ピエール・スクーマンがリザーブに下がり、ロリー・サザーランドが先発し、ザンダー・フェーガーソン、HO(フッカー)ジョージ・ターナーの3人で第1列を構成する。
LO(ロック)はベテランのリッチー・グレイと、グラント・ギルクリストに代わってスコット・カミングスがコンビを組む。バックローは、FL(フランカー)にキャプテンのジェイミー・リッチー、ロリー・ダージ、NO8(ナンバーエイト)ジャック・デンプシーが引き続き先発する。
BKは、SH(スクラムハーフ)ベン・ホワイト、SO(スタンドオフ)フィン・ラッセルのハーフ団は変わらない。CTB(センター)は、12番に元ヤマハ発動機のシオネ・トゥイプロトゥ、13番にクリス・ハリスが先発し、ヒュー・ジョーンズが控えに回った。
WTB(ウィング)は11番にフィジカルに長けたドゥハン・バンダーマーバ、14番はカイル・ステインが先発に上がり、ダーシー・グレアムがベンチに下がった。FB(フルバック)はブレア・キングホーンが引き続き務める。リザーブは他に、HOユアン・アシュマン、PRのWP・ネル、LOサム・スキナー、NO8マット・フェーガーソン、SHジョージ・ホーンが控える。
スコットランド代表のタウンゼントHCは「我々にとって本当に重要な試合だとわかっているので、勝つためにできる限り強力なチームを編成した。最後の20分が重要になるので、ダーシー・グラハム、ヒュー・ジョーンズ、ジョージ・ホーンといった選手たちがベンチから出ることで、何か違うものを与えてくれるだろう」とメンバー構成の意図を説明した。
相手に元オールブラックスや、ワラビーズのメンバーがいることに関して指揮官は「彼らは個々のクオリティーだけでなく、トップレベルのテストマッチやワールドカップの経験も持ちこんでおり、それがチーム全体に浸透している」。
「アイルランド代表戦では、彼らにもチャンスがあったかもしれない。チャールズ・ピアタウや、マラカイ・フェキトアのような選手がフィールドにいれば、どんな状況からでもトライを奪える」と最大限の警戒をした。
キャプテンのFLリッチーも「トンガには非常に優秀な選手が揃っている。非常にフィジカルなチームであり、ワールドカップに臨むにあたって、長い時間を一緒に過ごすことで、お互いのプレーに慣れ、システムを構築する時間ができた。危険な選手が何人かいる」。
「スコットランドから大勢観戦に来ると聞いているので、とても楽しみだ。準備はできている。久しぶりの試合だけど、みんなリフレッシュしているし、プレーするのが楽しみでたまらない」と意気込んでいる。
対するトンガ代表は、初戦はアイルランド代表と対戦し16-59と大差で敗れている。なんとしても勝利してベスト8進出に可能性を残したいトウタイ・ケフHCはFW、BKともに初戦と同じ先発メンバーを揃えてきた。
トンガのスタメン
FWはPRジッグフリード・フィシオイ、ゲームキャプテンのPRベン・タメイフナ、HOパウラ・ヌガウアモがフロントローを務める。LOにはレバ・フィフィタとサム・ロウシのコンビ。バックローはFLにタンギノア・ハライフォヌア、シオネハビリ・タリトゥイの2人、NO8にアイルランド代表戦でトライをあげた、元オールブラックスのバエア・フィフィタが引き続き入った。
BKには、元ニュージーランド代表で日野レッドドルフィンズに所属するSHオーガスティン・プルが、ウィリアム・ハビリとハーフ団を組む。CTBはピタ・アーキと元オールブラックスのマラカイ・フェキトアの2人。WTBにはアフシパ・タウモエベアウとソロモネ・カタ。FBはワールドカップ終了後に静岡ブルーレヴズでプレーすることが決まっている、元オールブラックスのサレシ・ピウタウが務める。
リザーブは2人を入れ替えた。オーストラリア代表38キャップを持つLOアダム・コールマンがベンチからトンガ代表の初キャップを伺う。SOはオトゥマカ・マウシアのケガにより追加招集されたパトリック・ペレグリーニがメンバー入りした。他にはHOサミュエラ・モリ、PRタウ・コロアマタンギ、ソセフォ・アピコトア、FLセミシ・パエア、日本の朝日大学出身のNO8シオネ・ヴァイラヌ、SHソナタネ・タクルアが引き続き控えている。
トンガ代表のケフHCは、初戦と同じメンバーで臨むことについて「我々のベストプレーヤーだし、先週のパフォーマンスを見れば、恐らく我々のベストバージョンではなかったと思う。彼らはもう一度チャンスを与えるに値する。勝つために必死だ。先週は自分たちらしくなかったから、それを修正したい。3連勝したいが、あまり先のことは考えられない。パフォーマンスだけに集中している。今週はいい準備ができた」と語気を強めた。
ゲームキャプテンのPRタメイフナは、「(スコットランド代表SH)フィン・ラッセルとはラシンで一緒にプレーした。彼のトリックやダミーなどは知っている。今週末を楽しみにしている。先週の反省を生かし、自分たちのベストを尽くすことに集中している」と話した。
やはり、シックス・ネーションズでもまれているスコットランド代表がアタック、ディフェンス、セットプレーなど総合力の高さで優位に立つはずだ。ただ、トンガ代表も武器であるフィジカルで試合のペースを握りたいところ。
過去の対戦成績はスコットランド代表が4勝1敗とリードしている。ともにプール2戦目となる両チームだが、今大会初白星を挙げて、その後の2試合に勢いを付けるのはどちらのチームか。
スコットランド代表とトンガ代表の試合は9月24日(日)深夜0:45(現地時間17:45)、ニースのスタッド・ドゥ・ニースでキックオフされる。
文:斉藤健仁仁
斉藤 健仁
スポーツライター。1975年生まれ、千葉県柏市育ち。ラグビーと欧州サッカーを中心に取材・執筆。エディー・ジャパン全試合を現地で取材!ラグビー専門WEBマガジン「Rugby Japan 365」「高校生スポーツ」の記者も務める。学生時代に水泳、サッカー、テニス、ラグビー、スカッシュを経験。「エディー・ジョーンズ 4年間の軌跡」(ベースボール・マガジン社)、「ラグビー日本代表1301日間の回顧録」(カンゼン)など著書多数。≫Twitterアカウント
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