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ラグビー コラム 2023年9月22日

混戦プールCの注目対決 ポルトガル、初勝利なるか、ヨーロッパの好敵手ジョージアに挑む

村上晃一ラグビーコラム by 村上 晃一
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混戦が予想されていたプールCでは、現在、ウェールズが2勝をあげてトップに立ち、これを、1勝1敗のフィジーオーストラリアが追う展開だ。黒星スタートとなったジョージアポルトガルは、9月23日(土)、トゥールズで対戦する。両者は長らくヨーロッパの好敵手として戦ってきた。今年のラグビーヨーロッパチャンピオンシップ決勝(3月19日)でも対戦し、38-11でジョージアが勝っている。この試合を含め直近の18試合でジョージアはポルトガルには負けていない。ただし、2022年2月6日の25-25を含む3試合の引き分けがあり、力の差は大きくない。

現在の世界ランキングはジョージアが13位、ポルトガルが16位。今大会のジョージアは初戦(9月10日)でオーストラリアと対戦し、15-35で敗れたが、ボールをよく動かし、フランスのポーに所属するNO8ベカ・ゴルガゼが再三ディフェンスを突破。同じくフランスのビアリッツでプレーするFLトルニケ・ジャラゴニアが17回のタックルを100%決めるなど健闘していた。

さらに印象的なパフォーマンスを見せたのはポルトガルだ。9月17日、ウェールズと対戦すると、粘り強いディフェンスとテンポの速いボール回しで健闘し、勝利の可能性を感じさせる僅差勝負を繰り広げた。ラインアウトのサインプレーでトライをあげたFLニコラス・マルチンズは、タックルも18回と両チームトップの数字を残した。攻撃面で目立ったのはFBヌーノ・ソウザ・ゲージス。身長177cm、体重80kgと大きな選手ではないが、巧みなステップでディフェンスを翻弄し、ボールを持って前進した距離でチーム内最高の106メートルを記録した。今回の試合でもジョージアのディフェンダーの脅威となるだろう。

 

試合間隔に差があり、ポルトガルは中5日での試合だが、メンバーはFWとBKともに2名の変更のみ。注目は既述のマルチンズ、ゲージス。キャプテンのCTBトマーズ・アプレトンは2014年に代表デビューと経験豊富で突破力がある。プレースタイルは、元フランス代表WTBのパトリス・ラジスケヘッドコーチが率いるだけに、変幻自在にボールを動かす見て面白いラグビーだ。1戦目で対戦したウェールズのウォーレン・ガットランドヘッドコーチが「ミニ・フィジー」と称するほど、個々の選手がステップワークを駆使してタックルをかわそうとする。

 

対するジョージアは、中12日という間隔での試合になり逆に調整が難しかったかもしれない。メンバーは1戦目からFW、BKともに4人を変更する。ハーフ団を1戦目の先発とリザーブで入れ替えたのは興味深い。先発するのはSHゲラ・アプラシゼ、SOテド・アブジャンダゼの2人。ゲラはモンペリエ、テドはモントーバンと2人ともフランスのクラブに所属する。トライゲッターはWTBアカキ・タブツゼ。今季のテストマッチ9試合にすべて先発し、10トライをあげている。また、CTBギオルギ・クヴェセラゼがこの試合で50キャップを獲得。身長203cmのLOノダール・チェイシヴィリはリザーブだが出場すれば50キャップとなる。

スクラム自慢のジョージアがプレッシャーをかけ、ポルトガルの攻撃力を封じ込めるのか、それともポルトガルがスクラムでも健闘し、2007年以来、2度目のラグビーワールドカップで出場で悲願の初勝利をあげるのか。楽しみな試合は日本時間で9月23日午後9時にキックオフされる。

文:村上 晃一
村上晃一

村上 晃一

ラグビージャーナリスト。京都府立鴨沂高校→大阪体育大学。現役時代のポジションは、CTB/FB。86年度、西日本学生代表として東西対抗に出場。87年4月ベースボール・マガジン社入社、ラグビーマガジン編集部に勤務。90年6月より97年2月まで同誌編集長。出版局を経て98年6月退社し、フリーランスの編集者、記者として活動。

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