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日本代表 vs. トンガ代表
ラグビーワールドカップ(RWC)フランス大会開幕まで日本代表に残された実戦の機会は3試合。リポビタンDチャレンジカップ2023「パシフィックネーションズシリーズ」の第2戦は、7月29日(土)、東大阪市花園ラグビー場にて開催される。第1戦でサモアに惜敗した日本代表としてはなんとしても白星が欲しいところだが、トンガにはサモア以上に優れた個人技を持つ選手が多い。
ラグビーワールドカップ2023 特集ページ
トンガ代表スターティングメンバー
元ニュージーランド代表CTBマラカイ・フェキトア、元オーストラリア代表FBイズラエル・フォラウというビッグネームは出場しないが、ニュージーランド代表経験者ではFLヴァエア・フィフィタ、FBサレシ(チャールズ)・ピウタウが先発。リザーブにCTBジョージ・モアラが入った。元オーストラリア代表のロペティ・ティマニもNO8で先発する。このほか、フランスのクラブなどで活躍する選手が多く、強力なメンバーだ。
日本代表 スターティングメンバー
日本代表は、7月27日、トンガ戦のメンバーを発表した。FW第一列は、PR稲垣啓太、HO坂手淳史、PRヴァル アサエリ愛の埼玉ワイルドナイツの3人。ヴァルは怪我からの復帰で先発スタート。サモア戦先発の具智元がリザーブに入る。FW第二列は、オールブラックス・フィフティーン戦から4試合連続の先発となるLOアマト・ファカタヴァ、この夏初先発のLOヘル ウヴェ。ここまで好パフォーマンスのLOジェームス・ムーアはリザーブへ。FW第三列は前節レッドカードを受けたリーチ マイケルは出場停止のため、姫野和樹がリーチに代わってNO8に入る。怪我から復帰のFLベン・ガンターが7番、FLジャック・コーネルセンは先週に続き6番に入った。
フル回転で活躍するファカタヴァについて、ジェイミー・ジョセフヘッドコーチは、「ボールキャリー、ワークレート、キックチェイスなどよく動いている。試合に出続けているが、疲れを見せていない」と話した。LOではムーアも良い働きをしており、インパクトプレーヤーであるヘル ウヴェと合わせて層が厚くなっている。リザーブにNO8テビタ・タタフが怪我から戻ったのも日本代表にとって朗報だ。身長195cm、体重120kgのガンターの復帰もトンガのように体重が重く、ハードなコンタクトプレーを得意とするチームに対抗するためには心強い。日本代表は、この7月もっともパワフルなFWでトンガに挑む。
BKはSH齋藤直人、SO李承信のHB団が先発し、松田力也は前節に続いてリザーブからのスタートだ。李が3試合連続で先発することについて、ジョセフHCは「パフォーマンスは上がっており、引き続き試合経験を積んで上げてほしい」と話し、RWCに向かって李をさらに成長させたいという思いがあるようだ。松田は次のフィジー戦、イタリア戦で先発のチャンスが出てくるだろう。BKでの注目は、ここまでオールブラックス・フィフティーン戦、サモア戦での交代出場で輝いたCTB長田智希が先発することだ。力強いボールキャリー、ディフェンダーをずらしてトライをアシストするなど代表デビューとは思えないプレーを披露してきたが、それが認められての先発起用だ。「ここまでミッドフィールドの選手のパフォーマンスには満足してないが、長田は先発するにふさわしいプレーをしている」(ジョセフHC)。その期待に応えて世界トップレベルのBKと戦ってもらいたい。
アウトサイドBKは、決定力あるCTBディラン・ライリー、WTBセミシ・マシレワ、ジョネ・ナイカブラが並び、ロングキッカーのFB山中亮平が最後尾に入る。7月8日のオールブラックス・フィフティーンとの第1戦から、スピーディーな連続攻撃からトライがとれていない。湿度の高さもあってハンドリングエラーが多発しているが、パスの回数を減らすなど工夫を凝らしてマシレワ、ナイカブラのスピードを生かしたい。
サモア戦では序盤にスクラムで圧力を受けたが、トンガも身長184cm、体重145kgのPRベン・タメイフナほか重量感あるFWだ。8人の結束したスクラムで重さに対抗し、大型FWを背後へのキックを使って走らせ、テンポアップした攻撃で疲れさせることができれば勝機はある。期待のLOワーナー・ディアンズ、WTBシオサイア・フィフィタは怪我の為にコンディションが上がらず今回も欠場するが、この2人がいなくとも、他の選手でカバーできていると、ジョセフHCは前向きにとらえている。新しい選手が入り、さまざまなコンビネーションを試しながらの戦いではあるが、そろそろ日本代表の勝利が見たい。
村上 晃一
ラグビージャーナリスト。京都府立鴨沂高校→大阪体育大学。現役時代のポジションは、CTB/FB。86年度、西日本学生代表として東西対抗に出場。87年4月ベースボール・マガジン社入社、ラグビーマガジン編集部に勤務。90年6月より97年2月まで同誌編集長。出版局を経て98年6月退社し、フリーランスの編集者、記者として活動。
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