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【RWC2023出場国紹介:ニュージーランド】はじめて挑戦者になるオールブラックス、ダミアン・マッケンジーがキーマンか
ラグビーW杯2023出場国紹介 by 村上 晃一
ラグビーワールドカップ(RWC)で3度(1987、2011、2015)の優勝は南アフリカと並ぶ最多記録。すべての国に勝ち越す唯一のチームであり、「世界最強」の名をほしいままにしてきた。2003年から始まった世界ランキングシステムでは、2018年まで80%以上の期間、世界1位に君臨している。2019年のRWC準決勝ではエディー・ジョーンズ率いるイングランドに敗れ、その後も勝率を落としているが、2023年7月10日現在のランキングはRWC優勝候補のアイルランド、フランスに次いで3位。つまり、最強の挑戦者がフランスのRWCには存在するということだ。
ラグビーワールドカップ2023 特集ページ
ニュージーランドのラグビーは1870年代に始まったとされている。1892年に同国ラグビー協会が設立され、1903年、オーストラリアとの間で初の国代表戦(テストマッチ)が行われた。1905年には英国遠征し、32戦して31勝1敗。この遠征でオールブラックスと呼ばれるようになった。19年ぶり2度目の英国遠征は1924年で、オールブラックスは32戦全勝。このチームは今も「無敵艦隊(ジ・インヴィンシブルズ)」と語り継がれている。その後も世界のラグビーをリードしたオールブラックスは、1987年の第1回RWCでも優勝。のちに日本代表ヘッドコーチとなる怪物WTBジョン・カーワン(190cm、90kg)の90m独走トライは、新時代の幕開けを告げるにふさわしいスーパープレーだった。
体格の大きな白人と先住民族マオリ、そして、トンガ、サモア、フィジーといった南太平洋の国々から運動能力の高いアスリートが融合し、スピーディーに走り回るオールブラックスのスタイルは世界中にファンが多い。また、試合前の儀式であるマオリ伝統の「ハカ」(カマテ、カパオパンゴの2種がある)は日本でもおなじみで人気がある。世界中、どこで試合をしてもオールブラクスの試合は満員となるのが普通だ。
現在、チームを率いるのは、イアン・フォスターヘッドコーチ(58歳)。2011年からオールブラックスのアシスタントコーチを務め、2019年、スティーブ・ハンセンの後を受けてヘッドコーチに就任した。RWC後からはスーパーラグビーの常勝軍団クルセイダーズを率いてきたスコット・ロバートソンの就任が決まっており、RWC2023が最後の指揮になる。キャプテンはタックル、ジャッカルで相手の攻撃を寸断するオープンサイドFLサム・ケイン(31歳)が務める。7月8日に開幕したザ・ラグビーチャンピオンシップの初戦では、アルゼンチンをアウェイで圧倒し、41-12で好スタートを切った。
ダミアン・マッケンジー
2019年のRWCは怪我で出場できなかったダミアン・マッケンジー(28歳)がSOに入り、抜群のパスさばきを見せたSHアーロン・スミス(34歳)、キレ味あるステップワークを披露したCTBリーコ・イオアネ(26歳)、FBボーデン・バレット(32歳)らと攻撃をリードした。マッケンジーの卓越したスキルとスピードはオールブラックスのアタックを多彩にする。今大会のキーマンになりそうだ。
FWには、LOスコット・バレット(29歳)、ブロディー・レタリック(32歳)、FLジュリアン・サヴェア(29歳)ら経験豊富な選手が揃っており、円熟期を迎えた選手が多い。加えて、2021年の世界最優秀新人賞を受賞し、抜群の決定力を誇るWTBウィル・ジョーダン(25歳)もいる。これらの才能が力を出し切れば4度目の優勝も不可能ではない。来季のリーグワンには、アーロン・スミス、ボーデン・バレットがトヨタヴェルブリッツ、レタリックとサヴェアがコベルコ神戸スティーラーズなど、オールブラックスの主力選手が多数リーグワンでプレーすることになっている。もし、オールブラックスが優勝したら、来季のリーグワンはさらに盛り上がるだろう。
RWCフランス大会でのオールブラックスは、開幕戦でホスト国のフランスと対戦する。フランスとオールブラックスと言えば、1987年、2011年の決勝戦、2015年の準々決勝ではオールブラックスが勝ったが、1999年の準決勝、2007年の準々決勝ではフランスが勝っている。この2007年の悔しさがあったからこそ、2011年、2015年の優勝があったといっても過言ではない。果たして今回はどんな試合になるのか。どこからでもトライが取れれる決定力を持つ者同士、スリリングな戦いになるのは間違いない。挑戦者のオールブラックスがどんな戦いを見せてくれるか、フランス大会の楽しみの一つである。
村上 晃一
ラグビージャーナリスト。京都府立鴨沂高校→大阪体育大学。現役時代のポジションは、CTB/FB。86年度、西日本学生代表として東西対抗に出場。87年4月ベースボール・マガジン社入社、ラグビーマガジン編集部に勤務。90年6月より97年2月まで同誌編集長。出版局を経て98年6月退社し、フリーランスの編集者、記者として活動。
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