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JAPAN XV vs. All Blacks XV スターティングメンバー
ラグビー日本代表は、9月8日に開幕するラグビーワールドカップ(RWC)フランス大会に向けて強化の最終段階を迎えている。本大会までに予定されているのは6試合。7月8日(土)、最初に行われるのが「リポビタンDチャレンジカップ2023」JAPAN XV(ジャパン・フィフティーン)対ALL BLACKS XV(オールブラックス・フィフティーン)だ。この試合のみ、日本代表ではなくジャパン・フィフティーンとして戦い、若い選手にチャンスを与える。
All Blacks XV スターティングメンバー
7月6日、両チームのメンバーが発表された。ABフィフティーンは、ニュージーランド代表キャップ17を持つSHブラッド・ウェバー、スーパーラグビー(SR)のハイランダーズでキャプテンを務めるFLビリー・ハーモンが共同キャプテンとしてチームを引っ張る。今季のSRパシフィックで優勝したクルセイダーズから、LOクイントン・ストレンジ、NO8クリスチャン・リオ=ウィリー、CTBジャック・グッドヒューが先発。元セブンズ・ニュージーランド代表で東京オリンピックにも出場したWTBエテネ・ナナイ=セトゥロらSRのトップクラスの選手が揃う。
ラグビーワールドカップ2023 特集ページ
ヘッドコーチのレオン・マクドナルドは「日本は強くなっている。我々との2試合に向かって、懸命に準備しているのも知っている」と警戒する。ABフィフティーンの選手たちは、RWCフランス大会に出場するニュージーランド代表メンバー入りをあきらめていない。ここでアピールすれば大舞台に立つ可能性はある。組織力と言うよりも、各選手が凄まじい気迫でジャパン・フィフティーンにプレッシャーをかけてくるだろう。浦安合宿で磨いたタックルスキルを発揮し、フィジカルバトルを制したい。
JAPAN XV スターティングメンバー
そのジャパン・フィフティーンは、23名中ノンキャップが5名という若いメンバーになった。リザーブ(控え)にはリーグワン新人賞の長田智希も含まれている。この件について報道陣に問われたジェイミー・ジョセフヘッドコーチはこう答えた。「彼はリーグワンで一貫したプレーを見せてくれました。ここからさらにステップアップできるかどうかを見ていきたい。彼だけではなく、LOアマト・ファカタヴァ、FL福井翔太、WTBジョネ・ナイカブラ、PRシオネ・ハラシリがこれまでとは違うプレッシャーの中でプレーできるかどうかを見ていきたいと思います」。
ファカタヴァの力強いボールキャリー、福井のジャッカル、ナイカブラの爆発的スピード、ハラシリのド迫力の突進、そして、長田の堅実なプレーがABフィフティーンに通じるのか。楽しみは尽きない。共同キャプテンは、先発FLリーチ マイケル、リザーブのSH流大。リーチが交代したあとも、流がリーダーとなりチームを落ち着かせる狙いがある。2019年のRWCメンバーで久しぶりの代表復帰となるLOジェームズ・ムーアがどんなプレーを見せるかは注目ポイントのひとつ。松島幸太朗はFBで起用され、「いろいろなコンビネーションを見てみたい」(ジョセフHC)と、ナイカブラ、セミシ・マシレワというスピードランナー3名でバックスリーを形成する。ABフィフティーンにとって脅威になるだろう。
試合を操るハーフ団は、SH齋藤直人、SO松田力也と、SHブラッド・ウェバー、ニュージーランド代表キャップ3のSOスティーヴン・ペロフェタの対決だ。ペロフェタはニュージーランド代表FBとして、昨秋の日本代表戦にも出場している。スペースを見つけて攻略するのはどちらか。その駆引きも興味深い。セットプレー、キック戦略、タックルスキル、チェックすべき項目は多いが、ジョセフHCは「大事なのはメンタリティー」と話す。チームの仕上げ段階ではなく、上手くいかないことも多くなりそうだが、ニュージーランドのトップ選手に臆することなく、最後まで戦い続ける姿勢が大事だということだろう。その後の5試合がどうしても見たくなるような戦いを期待したい。
村上 晃一
ラグビージャーナリスト。京都府立鴨沂高校→大阪体育大学。現役時代のポジションは、CTB/FB。86年度、西日本学生代表として東西対抗に出場。87年4月ベースボール・マガジン社入社、ラグビーマガジン編集部に勤務。90年6月より97年2月まで同誌編集長。出版局を経て98年6月退社し、フリーランスの編集者、記者として活動。
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