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ラグビー コラム 2023年4月21日

11位か最下位か、入替戦に影響する注目の一戦。グリーンロケッツ東葛か、クエイド・クーパー復帰の花園近鉄ライナーズか

村上晃一ラグビーコラム by 村上 晃一
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花園近鉄ライナーズ vs. グリーンロケッツ東葛

リーグワンのディビジョン1(D1)はレギュラーシーズンの最終節を迎える。ディビジョン2(D2)との入替戦にまわる10位以下の3チームは確定したが、11位のNECグリーンロケッツ東葛(GR東葛)と、12位の花園近鉄ライナーズ(花園L)は順位が入れ替わる可能性がある。両者の勝ち点差は4で、GR東葛が勝てば文句なしで11位確定。花園Lが3トライ以上差をつけるボーナス点を獲って勝ち、GR東葛にボーナス点を与えなければ逆転。花園Lがボーナス点のない勝利で、GR東葛にボーナス点(7点差以内の負け)を与えなければ、勝ち点が並ぶ。この場合は、勝利数、チーム間の試合での勝ち点差の順で決めるので、花園Lが勝ることになる。

D2の最終順位は確定していないが、12位はD2の1位と戦わなければならず、ここは回避したいところだ。GR東葛と花園Lの対戦は、GR東葛が3連勝中だが、直近6試合はいずれも9点差以内での決着で、実力は拮抗している。また、花園Lは前節コベルコ神戸スティーラーズに逆転勝利し、D1の開幕からの連敗を14でストップさせた。GR東葛はD1では6連敗中。勢いの差はあるが、果たしてどんな結末が待っているのだろう。

花園近鉄ライナーズ スターティングメンバー

花園Lにとって朗報は、ファンが待ち望んだクエイド・クーパーが復帰することだ。昨年8月、オーストラリア代表の試合で負傷以降、リハビリを続けていたが、ようやく今季初登場となる。花園LをD1に昇格させる原動力となったSHウィル・ゲニアとのオーストラリア代表HB団がどんなゲームメイクを見せるのか注目だ。クーパーを含めて、花園Lは前節から先発15名で5名の変更がある。

FW第1列は、田中健太、樫本敦、三竹康太で変わらず。第2列は村田毅がリザーブに回って、LOベン・トゥーリスが先発。FL(6番)は、横井隼に代わって菅原貴人が2試合ぶりの復帰。SOはクーパーが入ったことで、前節決勝ゴールを決めたジャクソン・ガーデンバショップがリザーブへ。前節CTB(13番)で何度もディフェンスを切り裂いたシオサイア・フィフィタはWTB(11番)に回り、13番には岡村晃司が2試合ぶりの先発だ。そして、14番にはヴィンセント・セフォに代わって林隆広が今季初登場となる。

グリーンロケッツ東葛スターティングメンバー

対するGR東葛も先発で5名の変更がある。HOは前節先発だったアッシュ・ディクソンがリザーブに下がり、新井望友が先発。LO(5番)ルーク・ポーターに代わっては、FWの大黒柱のジェイク・ボールが2試合ぶりに復帰。FL(7番)はアセリ・マシヴォウから亀井亮依へ。SHは藤井達哉からニック・フィップス。SHはフィップスとゲニアのオーストラリア代表SH対決となった。SOも前田土芽から金井大雪。金井は10節以来の先発で、HB団の交代がどんな影響を及ぼすのか。

GR東葛のキャプテンを務めるレメキ ロマノ ラヴァは安定したパフォーマンスを続けているが、今季ディフェンス突破数は、D1最多の79回。オフロードパスの成功数はD1全体2位(28回)だ。レメキの突破力は花園Lにとって脅威だ。対する花園Lもサナイラ・ワクァ、シオサイア・フィフィタら突破役の選手が復調し、攻撃に厚みが出てきた。お互いに負けられない戦いは、激しいアタック合戦になりそうだ。

文:村上 晃一
村上晃一

村上 晃一

ラグビージャーナリスト。京都府立鴨沂高校→大阪体育大学。現役時代のポジションは、CTB/FB。86年度、西日本学生代表として東西対抗に出場。87年4月ベースボール・マガジン社入社、ラグビーマガジン編集部に勤務。90年6月より97年2月まで同誌編集長。出版局を経て98年6月退社し、フリーランスの編集者、記者として活動。

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