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ラグビー コラム 2023年3月31日

あのレジェンド、あの名コーチの現役時代が楽しい。1991年第2回大会の日本代表初勝利は必見

村上晃一ラグビーコラム by 村上 晃一
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第10回目となるラグビーワールドカップ(RWC)フランス大会の開幕まで、あと5カ月あまり。J SPORTSでは、過去のRWCの名勝負を100試合厳選し、4月1日~6月にかけて一挙に放送する。それぞれの試合内容は各時代の最高峰のもので、今のラグビーと比較しながら見ることができるし、伝説の名選手や、のちの名コーチの若き日の姿も楽しめる。歴史を知ったうえで、最新のRWCを観戦すれば、より深い感動があるはずだ。

RWCは1987年、ニュージーランドとオーストラリアの共同開催で始まった。期間は5月22日~6月20日の約1カ月。第1回目は当時強かった16チームが招待されている。この大会からは2試合をピックアップ。決勝戦と3位決定戦だ。3位決定戦は準決勝でフランス代表との死闘を繰り広げたオーストラリア代表と天才SOジョナサン・デービスを軸にしたウェールズ代表。試合は思わぬ展開に。

1987年ニュージーランド大会 決勝 ニュージーランド vs. フランス

決勝戦はニュージーランド代表オールブラックスと、フランス代表がぶつかった。今年のRWCの開幕カードだ。オールブラックスのWTBはのちに日本代表ヘッドコーチとなるジョン・カーワン。身長190cmは当時としては超大型で足も速く「怪物ウイング」と称された。HOショーン・フィッツパトリック、FLマイケル・ジョーンズ、SOグラント・フォックスなど名前をあげるとキリがないレジェンドたち。フランス代表も111キャップのCTBフィリップ・セラ、攻撃型FBの代表格セルジュ・ブランコなど語り継がれる名選手が揃う。

1991年イングランド大会 グループリーグ ジンバブエ vs. 日本

1991年の第2回大会は、地域予選が導入された初の大会だ。まだラグビーのプロが認められておらず、アマチュア時代で世界大会とはいえ牧歌的な雰囲気。6試合がピックアップされているが、見逃せないのが日本代表の一次リーグ2試合。周到な準備と、的確な選手選考で日本代表のレベルを上げた宿沢広朗監督、カリスマ的リーダーだった平尾誠二キャプテンが引っ張る。

この大会の日本代表は、スピーディーな攻撃で本場の観客を魅了した。SH堀越正巳の素早いボールさばき、俊足WTB吉田義人のキレ味あるステップ、スワーブは早送りで見ているように感じる。平尾誠二、朽木英次のCTBコンビ、林敏之、大八木淳史のLOコンビなど名選手のプレーも楽しめる。なにより、RWC初勝利となるジンバブエ代表戦は必見。強豪アイルランド代表戦は日本代表の質の高いトライを見ることができる。

ベスト8による決勝トーナメントからは3試合をピックアップ。準々決勝のアイルランド代表とオーストラリア代表は、オーストラリア優位の下馬評を覆すようにアイルランド代表が大健闘。地元の英雄のトライに興奮した観客がフィールドに駆け込むなど、スタジアムは興奮のるつぼと化す。RWC史上屈指の名勝負だ。

1991年イングランド大会 準決勝 スコットランド vs. イングランド

準決勝のスコットランド代表対イングランド代表は、現地で取材をした筆者がこの大会でもっとも印象に残った激闘だった。パワフルなイングラン代表を押し下げるため、チャレンジャーのスコットランド代表がハイパントを多用し、名FBギャビン・ヘイスティングスがPGを決めて僅差勝負に持ち込む。会場はスコットランドラグビーの聖地マレーフィールド。イングランド代表をブーイングで迎えた観客の凄まじい声援が選手を後押しする。

1991年イングランド大会 決勝 イングランド vs. オーストラリア

決勝戦は、準決勝でオールブラックスを破ったオーストラリア代表ワラビーズ。イングランドは準決勝までの手堅い戦法を批判されたこともあってか、ボールをパスで大きく動かして攻める。これを鉄壁の防御で止め続けるワラビーズには、トリッキーなステップで観客を楽しませたWTBデヴィッド・キャンピージがいる。2mの長身で空中戦を制し、プレースキッカーまでこなすコンプリートフットボーラー、LOジョン・イールズの勇姿は見逃せない。CTBティム・ホランは、清水建設江東ブルーシャークスの愛称の名付け親。FLウィリー・オハフェンガウェはのちに日本のクボタスピアーズ入りすることになる。ラグビーワールドカップ100選、どの試合も見てみる価値ありだ。

文:村上 晃一
村上晃一

村上 晃一

ラグビージャーナリスト。京都府立鴨沂高校→大阪体育大学。現役時代のポジションは、CTB/FB。86年度、西日本学生代表として東西対抗に出場。87年4月ベースボール・マガジン社入社、ラグビーマガジン編集部に勤務。90年6月より97年2月まで同誌編集長。出版局を経て98年6月退社し、フリーランスの編集者、記者として活動。

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