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優勝候補の東福岡、昨年はコロナで不戦敗の準優勝
3月25日(土)から31日(木)にかけて、今年も埼玉・熊谷ラグビー場を中心に行われる第24回全国高校選抜ラグビー大会。各都道府県で新人戦が行われ、ブロック大会を経て出場を決めた30校、さらに東西の実行委員会推薦枠2校の計32校が出場する。
ブロック予選を勝ち抜いた30校の内訳は北海道2校、東北3校、北信越2校、関東6校、東海2校、近畿5校、中国1校、四国1校、九州6校、開催県(埼玉)1校、昨年度優勝ブロック1校となった。昨年度の優勝は報徳学園のため近畿から6校出場する。
25日(土)に1回戦、26日(日)に2回戦が行われてベスト8が決定する。8校の抽選の末、28日(火)の準々決勝の対戦カードが決まり、29日(水)に準決勝、31日(金)に決勝が行われ、春の王者が決まる。なお、25日の1回戦で敗退したチーム同士は26日にコンソレーションで対戦する。
今大会は昨年度準優勝で花園王者でもある九州A1位の東福岡(福岡)、近畿大会王者の大阪桐蔭(大阪)、そして昨年度ベスト4で、今年の関東大会を制した桐蔭学園(神奈川)の3校が優勝候補として予想されている。
まず、最多となる6度の優勝を誇る東福岡は優勝した花園では、ほぼ高校3年生中心で戦ったが、今年の2年生にはPR(プロップ)沢田海盛、PR茨木海斗、HO(フッカー)田中京也、LO(ロック)倉掛太雅、FL(フランカー)坪根章晃、SH(スクラムハーフ)利守晴、CTB(センター)内田陽太朗と、6人のU17日本代表トレーニングメンバーを揃えており、九州大会Aパート長崎南山(長崎)に50-5で圧倒した。
伝統的にボールを展開するラグビーは健在。昨年の選抜大会はコロナ禍の影響で不戦敗となり準優勝に終わっただけに、今季は決勝で3ぶり7回目の優勝を目指す。なお、東福岡は25日の1回戦は、地元の川越東(埼玉)の挑戦を受ける。
大阪桐蔭も優勝候補の一角
2校目は伝統的にフィジカルラグビーが持ち味の大阪桐蔭だ。昨年度の花園は準々決勝で京都成章(京都)に負けてベスト8だったが、下級生の多くが出場しており、近畿大会決勝では常翔学園を36-8で下して優勝した。
花園でも躍動したPR野村俊介、NO8(ナンバーエイト)上野凌大、FB(フルバック)南野武将(いずれも2年)、SO(スタンドオフ)上田倭楓、CTB名取凛之輔(ともに1年)らが中心となろう。2013年大会以来、2度目の王者を目指す。なお大阪桐蔭は1回戦から関東大会ベスト4の流通経済大柏(千葉)と激突する。
関東大会5連覇の桐蔭学園
3校目は2017年度から3連覇を達成した桐蔭学園だ。昨年の花園こそ神奈川予選決勝で負けて出場できなかったが、12月から始動した新チームは神奈川県の新人戦はもちろんのこと、関東大会決勝でも國學院栃木(栃木)に47-0で勝利し5連覇を達成した。
キャプテンNO8城央祐ら、FW(フォワード)陣が前に出る力が強く、BK(バックス)もSO萩井耀司、CTB白井瑛人(いずれも2年)らがおり、力のあるチームだ。昨年度の選抜はベスト4に終わったが、今年は4度目の頂点をうかがう。なお、桐蔭学園は1回戦から関西の強豪・京都成章と対戦する。
昨年ベスト4の佐賀工業
九州大会Bパートで優勝した昨年のベスト4の佐賀工業(佐賀)はLO古賀大輝、SO服部亮太、CTB大和哲将、FB井上達木(いずれも2年)と昨年から活躍している選手が多く、優勝候補の一角を占める。佐賀工業1回戦で黒沢尻工(岩手)のチャレンジを受ける。
近畿大会準優勝の常翔学園(大阪)には、PR/NO8佐藤蓮、SO為房幸之介、FB神田丈英(いずれも2年)らがおり、1回戦は函館ラ・サール(北海道)と対戦する。また、東海王者の中部大春日丘(愛知)は東海大福岡(福岡)と対戦する。
近畿大会ベスト4の関大北陽
他にも1回戦から注目カードが多く、中国王者の尾道(広島)は、関東大会準優勝で主将のSH小倉光希矢(2年)が引っ張る國學院栃木(栃木)と対戦。昨年度優勝の報徳学園(兵庫)は北信越王者・日本航空石川(石川)。自力で初出場を果たした近畿大会ベスト4の関大北陽は、関東大会3位の國學院久我山、長崎北陽台(長崎)は茗渓学園(茨城)とそれぞれ対戦する。
初出場の高川学園
今大会、実行委員推薦枠(西)で唯一の初出場を果たしたのが高川学園(山口)だ。1回戦で伝統校の秋田工業(秋田)の胸を借り、選抜大会での山口県勢初勝利を目指す。
恐らく今季もベスト8に入ったチームは、花園に出場すればシード校となるはずだ。4年ぶりに全日程で有観客となった今大会、九州大会、近畿大会、関東大会の王者3校を中心に展開されるはずだ。冬の花園に向けて春の王者に輝くチームはどこになるか、楽しみでならない。
名古屋高校、4大会ぶり3度目の出場
◆第24回全国高等学校選抜ラグビーフットボール大会
3月25日(土)1回戦組み合わせ
【熊谷スポーツ文化公園 Bグラウンド】
09:30 佐賀工業(佐賀)vs.黒沢尻工業(岩手)
10:45 名古屋(愛知)vs.東海大相模(神奈川)
12:00 中部大春日丘(愛知)vs.東海大福岡(福岡)
13:15 関大北陽(大阪)vs.國學院久我山(東京)
14:30 常翔学園(大阪)vs.函館ラ・サール(北海道)
15:45 長崎南山(長崎)vs.東京(東京)
【熊谷スポーツ文化公園 Cグラウンド】
09:30 大阪桐蔭(大阪)vs.流経大柏(千葉)
10:45 松山聖陵(愛媛)vs.秋田中央(秋田)
12:00 東福岡(福岡)vs.川越東(埼玉)
13:15 高川学園(山口)vs.秋田工業(秋田)
14:30 尾道(広島)vs.國學院栃木(栃木)
【熊谷スポーツ文化公園 西第1多目的広場】
09:30 関西学院(兵庫)vs.札幌山の手(北海道)
10:45 報徳学園(兵庫)vs.日本航空石川(石川)
12:00 長崎北陽台(長崎)vs.茗溪学園(茨城)
13:15 桐蔭学園(神奈川)vs.京都成章(京都)
14:30 大分東明(大分)vs.開志国際(新潟)
◆第24回全国高校選抜ラグビー大会出場校32校
【北海道:2校】
札幌山の手(北海道/18大会連続18回目)
函館ラ・サール(北海道/2大会ぶり5回目)
【東北:3校】
秋田工業(秋田/7大会連続14回目)
秋田中央(秋田/4大会ぶり7回目)
黒沢尻工(岩手/4大会ぶり5回目)
【関東:6校】
桐蔭学園(神奈川/20大会連続21回目)
國學院大學栃木(栃木/4大会連続9回目)
國學院久我山(東京/2大会連続14回目)
流通経済大学付属柏(千葉/6大会連続16回目)
茗溪学園(茨城/3大会連続14回目)
東海大学付属相模(神奈川/5大会ぶり4回目)
【北信越:2校】
日本航空石川(石川/7大会連続10回目)
開志国際(新潟/2大会ぶり2回目)
【東海:2校】
中部大学春日丘(愛知/6大会連続13回目)
名古屋(愛知/4大会ぶり3回目)
【近畿:6校】
大阪桐蔭(大阪/2大会ぶり9回目)
常翔学園(大阪/2大会ぶり13回目)
報徳学園(兵庫/2大会連続6回目)
関大北陽(大阪/5大会ぶり2回目)
京都成章(京都/4大会連続11回目)
関西学院(兵庫/4大会ぶり3回目)
【中国:1校】
尾道(広島/2大会連続14回目)
【四国:1校】
松山聖陵(愛媛/3大会連続4回目)
【九州:6校】
東福岡(福岡/16大会連続19回目)
佐賀工業(佐賀/10大会連続17回目)
長崎南山(長崎/6大会ぶり6回目)
東海大学福岡(福岡/8大会ぶり2回目)
長崎北陽台(長崎/5大会連続9回目)
大分東明(大分/4大会連続4回目)
【開催県1校】
川越東(埼玉/2大会連続3回目)
【実行委員会推薦枠】(東西1校ずつ)
東京(東京/5大会ぶり3回目)
高川学園(山口/初出場)
※第12回(東日本大震災の影響により中止)、第21回(新型コロナウイルス感染症の影響により中止)は出場回数・連続出場回数のカウント対象としていない
文/写真:斉藤健仁
斉藤 健仁
スポーツライター。1975年生まれ、千葉県柏市育ち。ラグビーと欧州サッカーを中心に取材・執筆。エディー・ジャパン全試合を現地で取材!ラグビー専門WEBマガジン「Rugby Japan 365」「高校生スポーツ」の記者も務める。学生時代に水泳、サッカー、テニス、ラグビー、スカッシュを経験。「エディー・ジョーンズ 4年間の軌跡」(ベースボール・マガジン社)、「ラグビー日本代表1301日間の回顧録」(カンゼン)など著書多数。≫Twitterアカウント
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