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ラグビー コラム 2023年2月27日

【ハイライト動画あり】グリーンロケッツ東葛、ラストプレーの勝ち越しトライで8試合ぶりの歓喜。ジャパンラグビー リーグワン ディビジョン1第9節レビュー

ラグビーレポート by 直江 光信
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レメキロマノラヴァ(グリーンロケッツ東葛)

絶対に勝たなければならない一戦。両チームのそんな思いが、プレーの随所から伝わってくるゲームだった。勝負を決めるトライが生まれたのは、26-26の同点で迎えた後半も大詰めの79分。NECグリーンロケッツ東葛三菱重工相模原ダイナボアーズとの息詰まる熱闘を制し、待望の今季2勝目を手にした。

序盤の20分はダイナボアーズのペースで進んだ。開始3分、相手の反則に乗じて敵陣ゴール前へ攻め込むと、モールからのBK展開でSOジェームス・シルコックがきれいに抜け出しインゴール中央へ。みずからコンバージョンも決め、7-0と先制する。

その後も風下のダイナボアーズがディフェンスで複数のターンオーバーを勝ち取るなど主導権を握ったが、要所で細かいエラーが重なり、追加点を挙げるには至らない。すると徐々にグリーンロケッツがアタックでいい形を作る場面が増え始める。

クリスチャンラウイ(グリーンロケッツ東葛)

そして24分、相手陣22メートル線内でマイボールスクラムの好機をつかむと、左展開でフラットにパスを受けたCTBクリスチャン・ラウイがタックラーを弾いてラインブレイク。そのまま約20メートルを駆け抜け、ポスト横に押さえる。SO金井大雪のゴール成功で、ゲームを振り出しに戻した。

金井大雪(グリーンロケッツ東葛)

試合はここから一進一退の展開となる。28分、ダイナボアーズが9フェーズにわたる連続攻撃を仕上げてSOシルコックがこの日2本目のトライをマークすれば、グリーンロケッツもその5分後にラインアウト起点のアタックでたたみかけ、ギャップに切れ込んだSO金井がフィニッシュ。35分過ぎのダイナボアーズのチャンスはグリーンロケッツが渾身のタックルでしのぎ切り、14-14のイーブンで前半の40分を終えた。

サイドが入れ替わった後半は、風下に回ったグリーンロケッツが先にスコアを刻む。立ち上がりから敵陣でプレーを進めると、48分にターンオーバーのターンオーバーでゴールラインに肉薄。最後は左大外のオーバーラップをSO金井のロングパスで仕留め、WTB尾又寛汰が左中間に飛び込む。

ジャパンラグビー リーグワン2022-23 ディビジョン1

【第9節ハイライト】三菱重工相模原ダイナボアーズ vs. グリーンロケッツ東葛

宮里侑樹(三菱重工相模原ダイナボアーズ)

しかしダイナボアーズもすぐに反撃。56分、ゴール前の右ラインアウトで一気にモールをドライブして追いつくと、62分にも同じ位置からラインアウトモールを押し込みHO宮里侑樹がなだれ込む。これで26-21と、ふたたびダイナボアーズが一歩前に出た。

しかし試合はまだ決まらなかった。互いに疲労が蓄積し体力が限界に近づく中、グリーンロケッツは72分に敵陣22メートル線内でペナルティを獲得すると、PGではなくタッチに蹴り出してラインアウトを選択。力強いモールプッシュで前進し、インゴールを陥れる。スコアは26-26とまたも同点に。

そして最後は勝利への意志で上回ったグリーンロケッツが、力を出し尽くして決定機をたぐり寄せた。78分に始まった中盤ラインアウトから辛抱強くフェーズを重ねて相手防御を揺さぶると、FBレメキロマノラヴァがディフェンスライン裏のスペースへ絶妙のゴロパントを転がす。チェイスしたWTB尾又が弾むボールをあざやかに胸に収め、左コーナーへダイブ。その直後、80分を知らせるホーンが鳴り響いた。

試合後のフィールド上には、涙を浮かべるグリーンロケッツの選手の姿もあった。開幕節の花園近鉄ライナーズ戦以降、7連敗という長いトンネルをようやく抜けて手にした大きな白星。苦しい日々を過ごしてきたぶん、その喜びは格別だっただろう。

シーズン2勝目となる8試合ぶりの勝利で勝ち点4を積み上げ、総勝ち点は9に伸びた。依然として順位は11位と入替戦圏内のままだが、前節のトヨタヴェルブリッツ戦でも70分過ぎまでリードするなどいいパフォーマンスを見せており、チーム状態が上向きであることは間違いない。この1勝を機にムードを好転させ、下位脱出に向け残り7試合でひとつでも多くの白星を重ねていきたいところだ。

一方のダイナボアーズは4連敗となり、7点差の敗戦によるボーナスポイント1を獲得したものの、順位を上げることはできなかった。4試合で3勝を挙げ旋風を巻き起こした序盤戦から一転、中盤戦に入り苦しい戦いが続いているが、これこそが16節にわたって強度の高いゲームが続くディビジョン1の厳しさということだろう。長いシーズンでは調子のいい時もあれば、悪い時もある。自分たちの強みを生かすスタイルを磨き上げ、再浮上に転じることを期待したい。

文:直江 光信

直江 光信

スポーツライター。1975年熊本市生まれ。熊本高校→早稲田大学卒。熊本高校でラグビーを始め、3年時には花園に出場した。著書に「早稲田ラグビー 進化への闘争」(講談社)。現在、ラグビーマガジンを中心にフリーランスの記者として活動している。

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