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ラグビー コラム 2023年2月24日

対照的な足取りの2チームが浮上をかけて挑む重要な一戦。相模原ダイナボアーズ×グリーンロケッツ東葛、ジャパンラグビー リーグワン ディビジョン1第9節プレビュー

ラグビーレポート by 直江 光信
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三菱重工相模原ダイナボアーズ vs. グリーンロケッツ東葛

ジャパンラグビー リーグワンのディビジョン1は、今週末より全16節のリーグ戦の後半戦を迎える。週が進むにつれて上昇する気温とともに順位争いもヒートアップし、ファンにとってはいよいよここからが観戦のベストシーズンという状況だ。そうした中、2月26日の秩父宮ラグビー場では、三菱重工相模原ダイナボアーズNECグリーンロケッツ東葛の一戦が行われる(12時キックオフ)。

それぞれのここまでの足取りは対照的だ。

今節ホストのダイナボアーズは、ディビジョン2からの昇格1年目にして開幕連勝スタートを切るなど印象的な躍進を遂げ、序盤戦の台風の目となった。ブラックラムズ東京トヨタヴェルブリッツ東芝ブレイブルーパス東京から挙げた3勝に静岡ブルーレヴズとのドローも加え、第8節終了時点の順位は3勝1分4敗の勝ち点15で7位。ここ3試合は勝利から遠ざかっているものの、内容的には上位勢を相手に前半はすべて拮抗した戦いを演じており、チームとしていい状態を維持していることをうかがわせる。

一方のグリーンロケッツは12月18日の開幕節で昨季ディビジョン2優勝の花園近鉄ライナーズに36-34で競り勝ち、2020年のトップリーグから3季にわたり続いていた連敗をようやく止めた。しかし第2節以降は白星を手にできておらず、現在は1勝7敗の勝ち点5で11位に沈んでいる。3試合ぶりとなる得点と勝ち点(7点差以内の敗戦によるボーナスポイント)を挙げた前節のヴェルブリッツ戦(18-21)を、浮上のきっかけにしたいところだろう。

両チームの比較でもっとも差があるのは得点力だ。8試合の総計を見ると、181点(1試合平均22.6点)のダイナボアーズに対し、グリーンロケッツは125点(同15.6点)。失点は279(1試合平均34.9点)と290(36.3点)で大きな違いがないだけに、点を取る力の差が、そのまま勝敗および勝ち点の差になっているといえる。

スタッツ比較

また得点の内訳にも特徴的な部分があり、トライ数がダイナボアーズ20本とグリーンロケッツ19本でほぼ同数の一方、PKはダイナボアーズが17本でグリーンロケッツの1本を大きく上回っている。この点は、ここまで全体4位タイの12PGを決めているSOジェームス・シルコックの存在に加え、反則数(ダイナボアーズ=96/全体5位、グリーンロケッツ=116/全体11位)の差が要因といえるだろう。堅守をベースにショットでコツコツとスコアを積み上げるスタイルのダイナボアーズに対し、グリーンロケッツがいかに反則をせずプレーを進められるかが、このゲームの重要なポイントになりそうだ。

三菱重工相模原ダイナボアーズ スターティングメンバー

キックオフ48時間前に発表されたメンバーを見ていくと、ダイナボアーズは前節のクボタスピアーズ船橋・東京ベイ戦からスターター6人を入れ替えた。両LOは献身的なディフェンスが光るリンディ真ダニエルと203センチのウォルト・スティーンカンプのペアとなり、7番に猛タックラーの坂本侑翼、8番には攻守の大黒柱であるジャクソン・ヘモポが復帰。BKは前節FBのシルコックが本職のSOに戻り、奈良望が12番から11番、アライアサ空ローランドが13番からFBへシフト、CTBはヘンリーブラッキンとカーティス・ロナという並びになった。序盤の好調時に好パフォーマンスを見せたメンバーがそろい、ここに照準を合わせてきたという印象だ。

グリーンロケッツ東葛スターティングメンバー

対するグリーンロケッツの前節からのスタメン変更は、HO佐藤耀とLOルーク・ポーターの2人だけ。BKは7人全員が引き続いての先発で、前週のヴェルブリッツ戦のいい流れを持続したいという思いが浮かび上がるメンバー構成となった。またリザーブメンバーにHOアッシュ・ディクソンと万能BKトム・マーシャルが戻り、登録23人全体で見ると戦力が一段厚みを増した印象を受ける。どのタイミングで誰を入れ替えるのか、ベンチワークもこの試合を左右する大事な要素となりそうだ。

なお両者はトップリーグ時代に2度対戦しており、結果は1勝1敗。ダイナボアーズが初めてトップリーグに昇格した2007-2008シーズンは57-34でグリーンロケッツが勝利を収めたが、12季ぶりのトップリーグ復帰を果たした2020シーズンはダイナボアーズが21-14で競り勝ち、トップリーグでのクラブ初勝利をつかんでいる。同じ緑をシンボルカラーとするチーム同士の3年ぶりの激突は、果たしてどんな結末となるのか。どちらが笑うにせよ、熱戦必至だ。

文:直江 光信

直江 光信

スポーツライター。1975年熊本市生まれ。熊本高校→早稲田大学卒。熊本高校でラグビーを始め、3年時には花園に出場した。著書に「早稲田ラグビー 進化への闘争」(講談社)。現在、ラグビーマガジンを中心にフリーランスの記者として活動している。

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