槍と猪の一騎打ち。「えどりく」不敗神話は？ 無敗のスピアーズに雑草軍団ダイナボアーズが挑む

クボタスピアーズ船橋・東京ベイ vs. 三菱重工相模原ダイナボアーズ

ジャパンラグビー リーグワン2022-2023のディビジョン1は、一週の休みを挟んで、2月18日、19日から再開。第8節の6試合が行われる。ここまで6勝1分けで2位につけるクボタスピアーズ船橋・東京ベイ（S東京ベイ）は、12連勝中のホームグラウンド「えどりく」（江戸川陸上競技場）で、7位の三菱重工相模原ダイナボアーズ（相模原DB）を迎え撃つ。

S東京ベイは、第7節でトヨタヴェルブリッツ（トヨタV）を44－34で破ったが、大量リードを奪いながら、後半なかばに一時7点差に迫られるなど苦しんだ。フラン・ルディケ ヘッドコーチは、「前半は（試合を）コントロールしていて、プレッシャーを掛けて点数に変えていました」と称えたうえで、「後半は自滅。自陣に釘付けになりました」と反則で苦境に陥ったことを反省した。

相模原DBは、第7節でコベルコ神戸スティーラーズ（神戸S）に30－49で敗れた。しかし、グレン・ディレーニー ヘッドコーチは前向きだった。「ビッグチームと対戦するときには学びがあります。点差を縮めたあと、次に何をするのか。大事なところでは集中し、自分たちのスキルを実行するところを学べたのはすごく良かったと思います」。2週間の時間で互いに修正をほどこした点がどう試合に生きるのか注目である。

両者の対戦成績だが、統計数値でみると、S東京ベイは、相模原DBとのリーグ戦通算6試合で全勝し、各試合で20得点以上記録している。また、今季のS東京ベイがボールキャリーからゲインラインを超えた割合は、ディビジョン1では神戸S（65％）に次いで2位（57%）。一方、相模原DBの同数値は、同リーグで2番目に低い（50％）。攻撃力についてはS東京ベイが圧倒している。

クボタスピアーズ船橋・東京ベイスターティングメンバー

キックオフ48時間前に発表された試合登録メンバーでは、S東京ベイが第7節から先発15人で5名の変更。3番のPRはオペティ・ヘルがリザーブに回り、北川賢吾が先発。LOでデーヴィッド・ブルブリンクが復帰し、NO8ファウルア・マキシ、SH谷口和洋が先発復帰。CTB（13番）には前節は後半26分から出場したハラトア・ヴァイレアが入る。リザーブ席は、オペティ・ヘル、ヘル・ウヴェ、トゥパ フィナウといったパワフルな選手が並び、後半のインパクトプレーヤーとして活躍が期待される。

三菱重工相模原ダイナボアーズ スターティングメンバー

対する相模原DBは、前節の神戸S戦から大幅にメンバーを変えた。FW第一列の細田隼都、宮里佑樹、石井智亮は変わらず。前節リザーブだった中川真生哉、エピネリ・ウルイヴァイティが両LOで先発、6番サム・チョンキットが復帰し、NO8ディラン・ネルは今季初登場となる。オーストラリア代表59キャップのマット・トゥームアが満を持してSOとして今季初先発。ここまでSOを務めてきたジェームス・シルコックはFBに回る。FBだったアライアサ空ローランドはCTB（13番）、奈良望がヘンリー ブラッキンに代わって12番のCTBへ。国際舞台の経験豊富なトゥームアがどんなゲームコントロールを見せるのか楽しみだ。

17日午後、S東京ベイのWTB根塚洸雅、木田晴斗がオンライン会見に応じた。ともに、一週の休みでリフレッシュできたと話し、「ここから6連戦なので、個人もチームもいい波に乗りたいです」（木田）、「ここ数試合、なかなか良い勝ち方ができていないので、スピアーズの基本に立ち返って、FWの強さ、BKの展開で良い形で勝てたらと思います」（根塚）。トライゲッターであるこの2人にいかに良いボールを供給できるか。相模原DBの粘り強いディフェンスをどう崩していくのか興味深い。