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戦力面では、新たに獲得した203センチ、121キロの南アフリカ出身のLOウォルト・スティーンカンプと、193センチ、102キロでオーストラリア代表3キャップを誇るCTBカーティス・ロナの存在が大きい。これまでチームに足りなかった「サイズとパワーで相手を圧倒できる柱」がFWとBKに加わったことで、セットピースが安定するとともに、膠着状況を打開できるようになった。
ブラックラムズ戦でプレーヤーオブザマッチを獲得したSO/CTBヘンリーブラッキンや、ヴェルブリッツ戦で好キックを連発したSOジェームス・シルコックも優れたパフォーマンスを発揮しており、コベルコ神戸スティーラーズに移籍したマイケル・リトルの穴を感じさせない。世界有数のプレーメイカーであるオーストラリア代表59キャップのSO/CTBマット・トゥームアも控えているだけに、ここからさらにチーム力を伸ばす余地も十分ある。
16節にわたるD1の戦いは長い。本当の厳しさを実感するのはここからだろう。それでも最高峰のステージで戦っていける手応えは確かにつかめた。この2つの勝利は、ダイナボアーズが次のレベルへと進むための貴重な財産になるはずだ。
「我々は入替戦でD1のチームに2度勝利し、D1で戦う権利をつかみとったチームです。ただそこに存在するだけでなく、プレーを通じてリーグにプラスをもたらすチームであると示す必要があります。自分たちはここにいるべきだということを、証明したい」(ディレーニーHC)
次節に対峙するのはディフェンディングチャンピオンのワイルドナイツ(1月7日12時キックオフ@熊谷)。チームの真価を証明する上でこれ以上ない相手だ。むろん昨季実質無敗の王者は甘くないだろう。それでも何かを期待したくなる魅力が、今のダイナボアーズにはある。
直江 光信
スポーツライター。1975年熊本市生まれ。熊本高校→早稲田大学卒。熊本高校でラグビーを始め、3年時には花園に出場した。著書に「早稲田ラグビー 進化への闘争」(講談社)。現在、ラグビーマガジンを中心にフリーランスの記者として活動している。
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