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ラグビー コラム 2022年12月27日

12月28日(水)大会2日目、石見智翠館と初出場の立命館慶祥が対戦、茗溪学園vs.光泉カトリック、松山聖陵vs.秋田工業の好カード。全国高校ラグビー大会1回戦のみどころ

ラグビーレポート by 斉藤 健仁
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初陣を迎える立命館慶祥 写真提供:立命館慶祥高校

12月27日(火)から大阪・東大阪市花園ラグビー場で、102回目となる「花園」こと、全国高校ラグビー大会が始まる。2日目となる28日(水)は1回戦の11試合は行われる。

第1グラウンドでは、午前10:00から第1試合が行われ、石見智翠館(島根)と立命館慶祥(南北海道)が対戦する。32大会連続出場で、すっかり花園の常連校となった中国大会王者の石見智翠館。今季はシード校には選ばれなかったが、高校日本代表候補のWTB(ウイング)/FB(フルバック)鹿島優陽(2年)らがおり、FW(フォワード)とBK(バックス)の総合力の高いチームで上位に進出したい。

札幌山の手を破り、うれしい初出場となった立命館慶祥は、ディフェンスでしっかり相手を止めて、主将のSO(スタンドオフ)久保田慧、高校日本代表候補のCTB(センター)三浦遼太郎らBK陣が少ないチャンスで取り切って挑みたい。

第2試合は午前11:25からキックオフされ、熊本工業(熊本)と昌平(埼玉)が対戦する。3大会ぶり29回目の熊本工業は、共同主将のHO(フッカー)石橋世之和(3年)らFWが武器で、伝統的のモールが強いチームだ。

3大会連続出場となった昌平は、アタックでは身長181cmのCTB井崎克(3年)を中心とした堅守速攻のチームだ。守備を軸にカウンターでトライを狙っていきたい。

年越しを狙う仙台育英

午後0:50からは第3試合の仙台育英(宮城)と東海大静岡翔洋(静岡)がキックオフされる。27回連続29回目の仙台育英は、副将のSH(スクラムハーフ)今聡(3年)を中心に、CTBカプセン・テイオ(2年)、もう1人の副将でFBの坂本琥珀(3年)ら展開力に強みを持ち、16強をうかがう。

ライバルの静岡聖光学院を破って、2大会ぶり12回目の出場を決めた東海大静岡翔洋は、ヤマハ発動機でもプレーした津高宏行監督が指揮をとり、選手もヤマハラグビースクール出身者も多い。キャプテンのNO8(ナンバーエイト)名取稜太郎、185cmのLO(ロック)丸山怜真(いずれも3年)を中心に、今季は力強いモールを武器に相手に対抗したい。

全国高校ラグビー22/23

【動画】花園ナビ ~全国高校ラグビー22/23大会ガイド~

午後2:15からは第4試合、岡谷工業(長野)vs.開志国際(新潟)の北信越同士の試合がキックオフされる。北信越大会準優勝の開志国際は、新潟工業を破って3大会連続3回目の出場となった。共同主将の1人、PR(プロップ)フープススティーブン武蔵(3年)、NO8フィナウ・イサイア・ブライアン・ビリ(2年)を中心とした強いFWと、U17日本代表のFB星遥大(2年)らのスピードを活かした決定力で勝負したい。

2大会ぶり32回目の出場となった岡谷工業は展開ラグビーをモットーとしている。元神戸製鋼の勝野大監督が采配を奮い、CTBラコマイソソ イマニエル主将を軸にボールを保持し展開力で勝ちたい

青森山田の中心選手サイア

第2グラウンドでは午前10:00に青森山田(青森)と明和県央(群馬)の第1試合がキックオフされる。東北大会準決勝で、名門・秋田工業に善戦した青森山田は、4大会連続4回目の出場となり、年々強くなってきている。LOコロ・ソナタネ、FBフィリモネ・サイア(ともに3年)の2人のトンガ人留学生と、副将のCTB神真広(3年)を中心とした展開ラグビーを武器に、今季は正月越えを目指す。

桐生第一破って、2大会ぶり9回目の出場となった明和県央も展開ラグビーが強みのチームだ。1年生SO丸山貞を筆頭に若いBKで勢いに乗りたい。

第2試合は午前11:25にキックオフされ、城東(徳島)と倉敷(岡山)が激突する。つるぎ高を下して、6大会連続出場となった四国大会準優勝の城東は、主将のCTB浅尾至音(3年)を中心に、全員で一体となってボールを展開し、今季はラインアウトモールを鍛えてきた。

高校ラグビーの名将・梅本勝監督が指揮を執る倉敷は、昨季の嬉しい初出場に続き、今季も花園の切符を手にした。FL(フランカー)土屋舞央主将(3年)を中心にディフェンス、モール鍛えており、初勝利を目指す。

午後0:50からは第3試合の加治木工業(鹿児島)と若狭東(福井)の一戦が行われる。鹿児島工業を下して、44大会ぶり4回目となった加治木工業は、鹿児島大会で見せたディフェンス力と、キャプテンのSO飯野啓心(3年)を中心としたBKで白星をつかみたい。

7大会連続となった若狭東は、FWの平均体重が80kg以下とサイズはないが、LO赤崎彪雅、CTB谷口広成(いずれも3年)の2人の共同主将を軸に、全員で走りスピードと展開力で勝負する

第3グラウンドでは、午前10:00から第1試合が行われ、1回戦屈指の好カード、茗溪学園(茨城)と光泉カトリック(滋賀)が行われる。ボールの展開力で伝統ある茗溪学園は、SH(スクラムハーフ)廣瀬研太朗(3年)中心としたランと、主将のNO8松永樹門(3年)を筆頭としたFWで勝ち切りたい。

就任16年目となった薬師寺利弥監督の下、4大会連続出場の光泉カトリック。高校日本代表候補のCTB西村長(3年)を軸に、スピーディな展開ラグビーで相手を圧倒できるか。

午前11:25にキックオフされる第2試合は、山形南(山形)と黒沢尻北(岩手)の東北勢同士の対戦となった。山形中央を破って、5大会ぶり3回目の出場となった山形南は、突破力のあるLO木村望叶(3年)、CTB矢作健登(2年)、スピードのあるランナーのFB小関一輝主将(3年)を中心に、ディフェンスから勝機を伺う。

3大会連続8回目の黒沢尻北は、東北のチームらしく、高校日本代表候補のLO細川聖(3年)ら、例年になく大型選手が揃った。FW中心で相手を崩したい

目黒学院のLO中村

第3試合は午後0:50にキックオフされ、目黒学院(東京第2)と勿来工業(福島)が対戦する。3大会連続20回目出場の目黒学院は、今季はディフェンスに注力してきた。また、攻撃は副将のLO中村つぐ希、LOシオネ・テネフフ(いずれも2年)、NO8イライシア・サーフ(3年)ら平均体重95kgのFWを軸にアタックで攻めたい。

25大会ぶり6回目の出場となった勿来工は、ディフェンスで身体を張って、主将のSO鈴木悠斗(3年)中心に得点のチャンスをうかがいたい。

午後2:15にキックオフされる第4試合は、昨季も1回戦で戦った松山聖陵(愛媛)と秋田工業(秋田)の実力者同士が激突する好カードとなった。花園最多の70回目の出場となった東北王者・秋田工業は、主将のSO鈴木颯太(3年)のキックで敵陣に入り、強いFWのモールでトライに迫る。決定力のあるWTB菅生聖弥、FB黒澤航希(3年)らも決定力に長ける。

着実に力をつけている松山聖陵

渡辺悠太監督(35歳)が率いる四国チャンピオンの松山聖陵は、年々強さを増している。今季はセットプレーにも磨きをかけてきた。高校日本代表候補のHO井上魁(3年)、副将のLO村中亮太(2年)ら平均体重98kgのFWを軸に戦い、SO中村仁主将らBKで点を取りたい。昨季は19-12で松山聖陵が制し、春の選抜大会でも敗者戦で戦って松山聖陵が31-19で勝利した。今季の花園はどちらに軍配が上がるか。

【大会2日目 1回戦:12月28日(水)】

◆第1グラウンド
・午前10:00 石見智翠館(島根) vs. 立命館慶祥(南北海道)
・午前11:25 熊本工業(熊本) vs. 昌平(埼玉)
・午後00:50 仙台育英(宮城) vs. 東海大静岡翔洋(静岡)
・午後02:15 岡谷工業(長野) vs. 開志国際(新潟)

◆第2グラウンド
・午前10:00 青森山田(青森) vs. 明和県央(群馬)
・午前11:25 城東(徳島) vs. 倉敷(岡山)
・午後00:50 加治木工業(鹿児島) vs. 若狭東(福井)

◆第3グラウンド
・午前10:00 茗溪学園(茨城) vs. 光泉カトリック(滋賀)
・午前11:25 山形南(山形) vs. 黒沢尻北(岩手)
・午後00:50 目黒学院(東京第2) vs. 勿来工(福島)
・午後02:15 松山聖陵(愛媛) vs. 秋田工業(秋田)

文/写真:斉藤健仁

斉藤健仁

斉藤 健仁

スポーツライター。1975年生まれ、千葉県柏市育ち。ラグビーと欧州サッカーを中心に取材・執筆。エディー・ジャパン全試合を現地で取材!ラグビー専門WEBマガジン「Rugby Japan 365」「高校生スポーツ」の記者も務める。学生時代に水泳、サッカー、テニス、ラグビー、スカッシュを経験。「エディー・ジョーンズ 4年間の軌跡」(ベースボール・マガジン社)、「ラグビー日本代表1301日間の回顧録」(カンゼン)など著書多数。≫Twitterアカウント

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