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ラグビー コラム 2022年12月9日

大学選手権屈指の好カード 天理大と筑波大が花園で激突

村上晃一ラグビーコラム by 村上 晃一
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大学ラグビーの日本一争いが本格化する。12月4日で主要リーグの全日程が終了し、出場チームが確定した。連覇を目指す帝京大学が優勝候補筆頭だが、参加チームの実力は拮抗しており、何が起きても不思議のないトーナメントだ。12月11日(日)は8チームによる3回戦4試合が行われる。関東大学対抗戦1位帝京大、2位明大、関東大学リーグ戦1部1位東海大、関西大学Aリーグ1位京産大の4チームは準々決勝からの登場で、その挑戦権を獲得する戦いだ。

東大阪市花園ラグビー場の第2試合では、関西大学Aリーグ2位天理大と、関東大学対抗戦A5位の筑波大が対戦する。2020年度に学生日本一に輝いた天理大だが、昨年は関西リーグで京産大の後塵を拝して2位。今年は開幕から5連勝したものの、昨年のトップ4対決では、近大に10-0で辛勝したものの、京産大に22-29で敗れ、最終戦では同大にまさかの大敗を喫した(19-47)。

天理大の照井悠一郎キャプテン(4年)が「試合を通してアタックでもセットプレーでもプレッシャーを掛けて行く予定だったが、逆にプレッシャーを掛けられてしまいモールディフェンスでも対応が出来ず多くトライを取れてしまった」と語った通りの完敗だった。シーズン終盤に調子を落とし、ディフェンスに接近したところで勝負する天理大らしい攻撃も見られない。ここから一週間でどこまで修正できるのか気になるところ。

昨季は選手権に出場できなかった筑波大は、序盤の上位対決で4連敗したが、その内容は悪くない。明大(22-33)、早大(17-23)、慶大(12-16)と帝京大戦以外は接戦を繰り広げている。しかも、その後は上り調子。対抗戦の最終節では、日体大を79-5で下している。コンタクト局面での当たりの強さは対抗戦の上位陣に引けを取らず、突破力もある。天理大と好勝負できる力は十分だ。

12月9日(金)に発表されたメンバーを見ると、天理大は関西リーグ最終戦(対同大)から先発で6名の変更がある。両PR宮田悠暉(3年)、松野楓舞(2年)、U19日本代表候補のLO大西一平(1年)、パワフルなWTBアントニオ・トゥイアキ(4年)、BKリーダーのCTB佐藤歓(4年)、本来はSOのFB筒口允之(2年)が名を連ねた。起用に応えて悪い流れを変えることができるのか注目である。

谷山隼大(筑波大学)

筑波大は先発で3名の変更。突破力あるNO8谷山隼大(3年)、俊足のトライゲッターWTB大畑亮太(2年)が先発復帰し、SHは松井翔(3年)から白栄拓也(3年)に代わる。PR木原優作キャプテン(4年)を軸にセットプレーで天理大に圧力をかけ、U19日本代表候補のSO楢本幹志朗(1年)の卓越した判断、正確なスキルでディフェンスを崩したい。フラットなパスに次々に走り込んでくる天理大の勢いを止めることができれば勝機はあるだろう。立ち上がりから激しいコンタクトをともなう攻防になりそうだ。

文:村上 晃一
村上晃一

村上 晃一

ラグビージャーナリスト。京都府立鴨沂高校→大阪体育大学。現役時代のポジションは、CTB/FB。86年度、西日本学生代表として東西対抗に出場。87年4月ベースボール・マガジン社入社、ラグビーマガジン編集部に勤務。90年6月より97年2月まで同誌編集長。出版局を経て98年6月退社し、フリーランスの編集者、記者として活動。

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