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ラグビー コラム 2022年11月21日

【ハイライト動画あり】近畿大、同志社大から大きな勝点『5』を獲得。関西大学ラグビーAリーグ第6節レビュー

ラグビーレポート by 直江 光信
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植田和磨(近畿大学)

第5節終了時点で3位の関西学院大が前日の関西大戦に敗れ、自力での大学選手権の出場(上位3校)の可能性が復活した4位同志社大と5位近畿大の激突。張り詰めた緊張感がフィールドに漂う中でキックオフを迎えた一戦は、予想外の一方的なスコアでの決着となった。

序盤、先に敵陣へ攻め込んだのは同志社大だった。しかしセットプレーの乱れや鋭く間合いを詰める相手ディフェンスの圧力にミスが重なり、好機をスコアに結びつけられないシーンが続く。対照的に近畿大は接点で激しくヒットすることで徐々に勢いに乗り、流れを引き寄せていった。

最初のスコアが生まれたのは前半14分。中央のスクラムから近畿大がテンポよく攻撃を継続し、切り札のWTB植田和磨が右タッチライン際をブレイク。鮮やかなフットワークと加速でわずかなスペースを駆け抜け、右コーナーに飛び込む。

近畿大はその後も自陣ゴール前での複数のピンチを懸命のカバーディフェンスでしのぎきると、28分に同志社大の防御裏へのキックに反応したFB阿曽有馬がこぼれ球を拾って独走。最後はサポートしたWTB植田にボールが渡り、この日2本目のトライをマークする。同志社大にすればチャンスを作りながら仕留めきれず、切り返しから一発で奪われただけに、ダメージの大きい失点だった。

前半終了間際にも近畿大はCTB藤岡竜也のビッグタックルからSH田原慶人が球に絡んで敵陣でペナルティを獲得。SO半田裕己が左中間約25メートルのPGを通し、3点を追加する。拮抗した内容とは裏腹に、15-0と大きく先行して前半の40分を終えた。

次にどちらが得点を挙げるかによって試合展開が大きく変わるという状況で迎えた後半。60分過ぎまではお互いの気迫と意地がぶつかり合う攻防で膠着状態が続いたが、待望のスコアを刻んだのは、またしても近畿大だった。

植田和磨(近畿大学)

63分、中盤のマイボールスクラムを押し込んでアドバンテージを得ると、左オープンへ展開してBKが大きくゲイン。右への折り返しのアタックでWTB植田が大外を抜き去り、右中間に飛び込む。これぞフィニッシャーというべきスピードスターの3本目のトライで、得点差は20まで広がった。

ラグビー 関西大学リーグ2022

【ハイライト動画】同志社大学 vs. 近畿大学

これで気持ちに余裕ができた近畿大は、続く67分にもスクラムからのオープン展開でBKがチャンスを作る。ラインブレイクしたFB阿曽がキックを転がし、相手が処理にもたつくところでチェイスしたCTB藤岡がこぼれ球をキック。そのままみずからインゴールで押さえ、勝負を決定づけるトライをマークする。

74分にはゴール前のラインアウトからイレギュラーなタイミングでボールが回ってきたところで、CTB 森元翔紀が巧みにタメを作り防御の隙間へ浮かすようにパス。走り込んだCTB藤岡がディフェンスラインを切り裂き、ポスト下へ滑り込む。最終的には34-0までスコアを拡大し、会心のゲームを締めくくった。

試合を通して際立っていたのは、近畿大の頑健な接点と攻守ともゲインラインの先で仕掛ける意識の高さだ。FL中村健志主将が「同志社大は多彩なアタックを持っているチーム。それを出させないよう前に出て体を当てることを徹底した」と明かしたように、出足鋭いディフェンスでプレッシャーをかけ、フェーズが重なるに連れて攻めている同志社大が後退するシーンもしばしば。逆に攻撃では森元、藤岡の両CTBを軸にゲインラインへ果敢にアタックするパス回しで、チームを前へと押し進めた。

ボーナスポイント付きの勝利を手にした近畿大は3勝3敗の勝点15となり、3位に浮上。自力での大学選手権出場の可能性を維持したまま、12月3日の最終節に臨むこととなった。相手は現在全勝で首位を走る京都産業大(@花園第1、14時キックオフ)。厳しい戦いになるのは間違いないが、モチベーション的には最高の状態で臨めるはず。悲願の日本一に向けひた走るトップランナーに対し、どんなチャレンジを見せるか楽しみだ。

一方の同志社大は勝点を積み上げられず、2勝4敗の勝点11で5位に後退。7位摂南大が勝点を8に伸ばしたことで、天理大との最終節(12月3日11時45分キックオフ@花園第1)に敗れると、他の結果次第で入替戦に回る可能性も出てきた。ただしそこでボーナスポイント付きの勝利を手にできれば、わずかな確率ではあるが選手権出場の望みがつながる。リーグ最終戦で底力を見せてくれることを期待したい。

文:直江 光信

直江 光信

スポーツライター。1975年熊本市生まれ。熊本高校→早稲田大学卒。熊本高校でラグビーを始め、3年時には花園に出場した。著書に「早稲田ラグビー 進化への闘争」(講談社)。現在、ラグビーマガジンを中心にフリーランスの記者として活動している。

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