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ラグビー コラム 2022年11月18日

関西大学Aリーグ全勝対決 京産大、連覇に王手か、天理大が阻むか

村上晃一ラグビーコラム by 村上 晃一
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11月20日(日)、たけびしスタジアム京都(西京極)では、関西大学Aリーグの全勝対勝が行われる。連覇を狙う京産大は昨季の全国大学選手権準決勝で帝京大を追い詰め、全国的にも注目のチームとなった。今季もここまで破竹の5連勝だ。対する天理大学は昨年、京産大にリーグ6連覇を阻まれたが、選手層を厚くしながら着実に力をつけてきた。同じく5連勝、勝ち点24で並走し、大一番を迎える。

アサエリ・ラウシ(京都産業大学)

両者は関西の春季大会決勝戦でも対戦し、31-31の引き分け優勝となった。ただし、Aリーグが開幕してからの得点力を見ると京産大が一歩先を行っている。FL福西隼杜キャプテン(4年)、LOアサエリ・ラウシ(4年)、CTB家村健太(4年)ら昨年からの主力に加えて、目黒学院高校から加入したWTBシオネ・ポルテレが爆発的な突破力でBKラインの軸になり、5試合で総得点が323。1試合平均で約65点をあげている。

パトリック・ヴァカタ(天理大学)

天理大学は5試合で185点、1試合平均は37点。ラインアウトの軸になるLOナイバルワガ セタ(4年)、パワフルなNO8パトリック・ヴァカタ(2年)、SH北條拓郎(3年)、SO福本優斗(3年)ら昨年のレギュラーメンバーが中心になって大きな戦力ダウンはないが、得点力という意味ではやや見劣りする。しかし、ディフェンスは粘り強く、前節の近大戦では苦しみながら相手を無得点に抑えて、10-0で競り勝った。試合後、小松節夫監督は「アタックはよくなかったですけど、ディフェンスで簡単に取られずに粘ったあたりが良かったです」と話した。そして、次の京産大戦に向けてはこう語った。「一言でいえば(京産大は)強いと思いますし、FW、BKのバランスもとれている。日本一を狙えるレベルだと思います。うちはチャレンジャーとしてのぞみます」

京産大も第5節の同志社大戦では苦しんだ。ディフェンスラインに接近して勝負する同大の攻撃に4トライを奪われ、後半31分には24-26と逆転されてしまう。最後はラインアウトからモールを押し、交代出場のNO8ヴェア・タモエフォラウ(3年)がトライして、辛くも勝利した。廣瀬佳司監督は「一時は負けを覚悟した」という。それでもアグレッシブに攻めて勝ち切った福西隼杜キャプテンは次のようにコメントした。「同大のディフェンスの圧力を受けてしまって、ゴール前でトライを獲りきることができませんでした。でも、競った試合で勝ち切れたことはチームとして大きいと思います。これを糧にして2週間後の天理大戦にのぞみたいと思います」。

5連勝同士の戦いだが、互いに前節は苦戦してこの試合を迎える。勤勉に動き続ける選手が多い一方で、パワフルな留学生選手も擁する両チームの戦いは今回も僅差勝負になりそうだ。京産大の廣瀬監督は「セットプレーでプレッシャーをかけていきたい。セットプレーでボールがとれないとなかなか京産のリズムになれません。もう一度見直したい」と話している。互いに大学選手権を見据えているが、まずは現時点で上回るのはどちらなのか。関西大学リーグのレベルを確認する意味でも見逃せない一戦だ。

文:村上 晃一
村上晃一

村上 晃一

ラグビージャーナリスト。京都府立鴨沂高校→大阪体育大学。現役時代のポジションは、CTB/FB。86年度、西日本学生代表として東西対抗に出場。87年4月ベースボール・マガジン社入社、ラグビーマガジン編集部に勤務。90年6月より97年2月まで同誌編集長。出版局を経て98年6月退社し、フリーランスの編集者、記者として活動。

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