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山中亮平選手が影響を受けた恩師2人とポジション変更について語る【J SPORTS×大畑&大西のラグビーチャンネルコラボ】
ラグビーレポート by J SPORTS 編集部
大畑大介:ラグビー界の視聴率No.1男・山中亮平選手に来ていただきました。山中といえば、神戸製鋼と東海大仰星高校の後輩ということもありますので、その辺りのこともお話しできればと思います。
◆土井先生に「日本代表にしてやる」と言われて東海大仰星を選んだ
いろいろなところで、いろいろな人の影響を受けていると思うんですが、まず我々の恩師・土井崇司先生。すごく影響を受けたと思うんですが、どうでしたか?
山中:土井先生で良かったというのがあります。僕のことをすごく理解してくれて、自由にやらせてくれましたね。僕の性格をわかってたみたいで、あまりラグビーのことで怒られた記憶はないですね。
大畑:当時、引退したぐらいの時に僕が取材に行ったよね?
山中:はい
大畑:山中の年が本当に錚々たるメンバーで、みんな鼻息の荒い同級生で、ツカツカツカと僕のところに来て「僕たち2年生で、来年は100%優勝しますんで、絶対に取材に来てください」と。「あー、この年の子たち能力高いんだな」とは思った。山中は高校2年生の時、リザーブだったよね?
山中:リザーブでした
大畑:ちょっとその時は「ん?」という気持ちはなかった?
山中:ありました。試合でベンチで座っているときに、「こうした方がええのになー」「俺やったら、こうすんのになー」とか、土井先生に聞こえるようにわざと言って、アピールしてました。土井先生は聞いていたみたいですが、それでも高校2年の時はレギュラーになれなかったですね。
大畑:自分の中でなれなかった理由とかある?
山中:まだ、上級生から信頼がなかったと思いますし、プレーも浮き沈みもすごく激しかった。仰星のラグビーをするには、先輩の方が良かったと感じましたね。
大畑:取材行った時、土井先生と色々話をして、「2年生の山中、見といてくれ。あいつすごい能力持ってるから」と。だから「使いたいけど、まだ我慢させなあかん。このまま自由にさせたら、伸びた鼻がどんどん伸びていきよるから、絶対ここで抑えなあかん。でも、絶対に必要な時間帯で、チームを勝たせなきゃいけない時は山中を使うから」ということを言ってた。後半ある時間帯、しんどい時間帯に山中が出てくるっていうのが、仰星のスタイルだった。そういう意味ではチーム全体で、ベンチ全体で戦っていくのを先んじてやっていた感じがするね。
山中:高校2年生の時は感じました。後半の途中に出て、そこで勢いをつかせるというか、そういうことはしてました。1年生の時はメンバーに入れなかったし、2年生の時はずっとリザーブだったので、うまく段階を踏んでいったので、それは僕にとって良かったと思います。
大畑:そもそも、なんで仰星を選んだの?
山中:そこまで本気でラグビーを続けようと思っていなかったんですが、土井先生が中学校に来てくれて、「日本代表にしてやる」と言ってくれたので、「じゃあ、信じてみよう」と決めました。
【J SPORTS×大畑&大西のラグビーチャンネル】後編
【動画】視聴率NO.1男「山中亮平選手」が初登場!
◆試合に出られないときに支えてくれた神戸製鋼時代の恩人・平尾誠二
大畑:それから神戸製鋼に入って、いろいろな人の影響受けたと思うけど、僕らの共通の人間でいうと、平尾誠二さんはすごく大きな影響があったと思うけど?
山中:平尾さんは練習をよく見に来てたんですけど、練習終わった後に呼ばれて、アドバイスをくれるんです。「こうした方が良いんじゃないか」というよりは「こういう時はこういうプレイはどうや?」という風に聞いてくれるんです。僕も「それはそうやと思います」とか、会話のキャッチボールというか、いい方向に導いてくれるというか、そういう感覚はありました。
大畑:振り返りたくないかもしれないけど、入社してすぐの頃、ちょっとアクシデントでプレーができなくなる時期あったけど、その時も平尾さんにはいろいろと?
山中:その時が一番そうですね。平尾さんのおかげで結構耐えられた部分もありました。すごく気にかけてくれて、時間ある時はご飯に誘っていただいたりとかも何回もありました。「調子はどうだ?」とか「我慢して、ここは諦めずに頑張っていこう」とか、ポジティブなことばっかり、声をかけてくれたので、力にもなりましたし、落ちている時でも、頑張ろうという風にまた上がっていける、そんな感じはありました。
大畑:それからプレーできるようになって、徐々にパフォーマンスが出せるようになって、2015年のワールドカップが見えてきたとこで、また代表から外れたりとか。しんどい時に平尾さんに声かけてもらって、腐らずに頑張れたというところがありますか。
山中:ラグビーができなかった時期があったので、どういう状況でも呼ばれたら絶対行きますし、日本代表から落ちても、諦めずにまたチャレンジしたいという気持ちもありました。そういうのは、その経験があったからこそだと思いますし、そう感じます。
◆FBへのポジション変更と日本代表への定着
大畑:2019年のワールドカップが近くなって、選手として円熟味が増して、パフォーマンスも安定してきた。バランスもうまく整ったという風に見えたけど、自分ではどうでした?
山中:ポジションが変わったのもありましたし、自分の役割を集中してできたというのもありました。今までは、僕が10番・12番をやってる時はゲームコントロールをしたり、いろいろ考えることがたくさんあったんですが、FB(フルバック)になって、ダン・カーターや、アンドリュー・エリス、アシュリー・クーパーがいたおかげで、任せるところを任せれたし、自分の役割だけにフォーカスできたのはすごく良かったところです。
大畑:15番になって、すごく安定した。10番とか12番とか、前のポジションをやったことによって、チーム自体をオーガナイズする力がついたと思うだけど、その辺りは良い影響、良い経験ができたと感じる?
山中:10番ではスペースを探すことが多いので、15番に入ってもボールを持った時の動き、カウンターアタックやどこにスペースあるかなど、そういうところは活かされてると思います。
大畑:15番にポジション変更と言われた時はスムーズに受け入れられた?
山中:「しょうがない」とは思いました。10番をやっていたんですけど、ダン・カーターが来たし。でも、ダン・カーターが来たから10番は無理という気持ちはなかったです。全然勝負する気持ちでいたんですけど、コーチ陣から15番でいってくれと言われたので、そこはしっかりと受け入れました。
大畑:2019年のワールドカップで駆け上がって、15番をしっかりと自分の形にした。今度は2023年に向けてで言うと、自分にフォーカスしたところから、もっとチームにフォーカスしてという風に役割も変わってきたと思うけど、その辺り、日本代表での役割はだいぶ変わったと思いますか。
山中:まず、自分の役割を遂行するというのはありますが、歳も結構上の方で、若い選手や最近代表になった選手もたくさんいるので、そういうところは気を遣いながら、うまくコミュニケーション取ったり、日本代表に馴染めるように、というのも自分の役割になってくると思います。
大畑:今、若い選手をチームに馴染ませる役割も、自分の役割の1つだというのがあったんですけど、こちらのコラムでは『ラグビー日本代表チームビルディング』を山中選手に語ってもらっています。
<プロフィール>
◆山中亮平:1988年6月22日生まれの34歳。東海大暁星高3年生時に全国高校大会優勝を果たす。早稲田大学在学中は副賞を務め日本代表にも選出される。コベルコ神戸スティーラーズに所属。日本代表キャップ24。
◆大畑大介:1975年11月11日生まれの46歳。東海大学付属仰星高校、京都産業大学から、神戸製鋼、モンフェラン(フランス)に所属。日本代表キャップ58、通算69トライ、345得点を記録。日本人として2人目のワールドラグビー殿堂入り。
◆大西将太郎:1978年11月18日生まれの43歳。啓光学園高校、同志社大学から、ワールド、ヤマハ発動機、近鉄、豊田自動織機に所属。日本代表キャップ33。2007年ワールドカップのカナダ戦、終了直前に同点のコンバージョンキックを決め、日本のワールドカップ連敗記録を13で止めた。
文:J SPORTS編集部
J SPORTS 編集部
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