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ラグビー コラム 2022年9月16日

復権期す天理大と上位進出を狙う関西大、好スタートを切るのはどちらか。ラグビー関西大学Aリーグ開幕節プレビュー

ラグビーレポート by 直江 光信
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関西大学 vs. 天理大学

ひと足先にスタートした関東大学対抗戦、関東大学リーグ戦に続き、今週から関西大学リーグが開幕する。2020年度の大学選手権で天理大が初優勝を果たし、昨季は京都産業大が準決勝で帝京大を追い詰めるなど、近年は関西勢の充実ぶりが顕著だ。今季はルーキーにも楽しみな逸材が多いだけに、例年に増して全国的に注目されるリーグとなるだろう。

そうした中、前年度1位の京都産業大とともに優勝争いの中心と目されているのが、2年前の大学王者、天理大だ。昨冬の大学選手権の先発15人中9人が残った今季は、春シーズンを練習試合も含めて負けなしで過ごした(春季トーナメント決勝は京都産業大と31-31の引き分け)。夏合宿も帝京大(7-55)、東海大(19-41)には敗れたものの、明治大とは12-12と互角の勝負を展開。短期間での連戦だったことを考えれば十分に手応えを感じる内容で、全国トップクラスの強豪とこの時期に実戦経験を重ねられたことは、チームにとって大きな意味があるだろう。

その天理大と開幕節で対戦するのは、昨季関西Aリーグ6位の関西大だ(9月18日14時45分キックオフ@花園第2グラウンド)。春季トーナメントは摂南大(29-38)、関西学大(22-38)に敗れ8位に終わったが、内容はいずれも拮抗しており、セットプレーからのアタックには大きな可能性を感じさせた。夏合宿では専修大(31-38)、立正大(19-31)、青山学院大(26-22)、立教大(24-28)、日本体育大(38-21)と、関東勢と意欲的にトレーニングマッチを実施。ゲーム感覚を磨いた成果が公式戦でどのように表れるかが注目される。

両校の激突で一番のポイントとなりそうなのは、天理大のスピーディーなアタックに対し、関西大が注力してきたディフェンスでどこまで対抗できるかという点だ。フィジカリティで上回る天理大が早いテンポでたたみかける形になれば、流れを断ち切るのは難しくなる。関西大としては鋭い出足で相手の勢いがつく前に体を当て、ゲインラインを割らせず倒し切ることを徹底したい。

天理大は看板のセットプレーで優位に立ち、攻守ともコンタクト局面でプレッシャーをかけて主導権を握りにくるだろう。2年前の優勝時のような飛び抜けたタレントこそいないものの、どのポジションにも泥臭く体を張れるハードワーカーがそろっている点は、今季のチームの強みだ。新たにレギュラーに定着したメンバーが多いだけに、シーズン初戦をいい内容で勝ち切って波に乗れるかという点も、重要なテーマとなる。

試合2日前に発表された登録メンバーを見ると、天理大のFW第1列はPR宮田悠暉、HO谷口永遠、PR松野楓舞の3人。LOはナイバルワガ・セタと渡邉完徒のペアで、バックローはFL鄭兆毅、FL関口大輔、NO8パトリック・ヴァカタという並びになった。バックファイブに高さのある布陣で、ラインアウトをはじめとする空中戦で強みを発揮しそうだ。

HBはSH北條拓郎とSO福本優斗の3年生コンビ。ゲームキャプテンを務める堀田恒司が、上野颯汰とCTB陣を形成する。両WTBはナイバルワガトマシとマナセ・ハビリという持ち味の異なるフィニッシャー2人。最後尾のFBには1年生の上ノ坊駿介が入った。

対する関西大は、PR宮内慶大、HO垣本大斗、PR細矢一颯のフロントロー3人がスクラムで重責を担う。LO陣は3年生の中薗拓海と、189cm、113kgのサイズを誇る期待のルーキー、中村豪。バックローは西山光太郎、岩崎友哉の両FLに、NO8池原自恩キャプテンという構成だ。

ゲームコントローラーを務めるHB団は、SH溝渕元気とSO池澤佑尽の2人。米虫悠輔、山本紫温のCTB陣が中盤で前に出て、決定力のある沢口飛翔、垣本大誠の両WTBをいい形で走らせたい。FBはこちらも1年生、昨冬の花園で活躍した遠藤亮真が務める。

天理大は昨季開幕戦で近畿大に7-23と苦杯を喫し、結果として最後まで流れに乗り切れないままシーズンを終えた。初戦の大切さを嫌というほど味わっただけに、今回は強い意気込みでオープニングマッチに臨んでくるだろう。一方の関西大はAリーグに復帰した2020年度こそ不戦勝1のみの7位に終わったものの、昨季は2勝を挙げて確かな手応えをつかんだ。さらなるステップアップを遂げる上で、このゲームは絶好のチャレンジの機会となる。

文:直江 光信

直江 光信

スポーツライター。1975年熊本市生まれ。熊本高校→早稲田大学卒。熊本高校でラグビーを始め、3年時には花園に出場した。著書に「早稲田ラグビー 進化への闘争」(講談社)。現在、ラグビーマガジンを中心にフリーランスの記者として活動している。

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