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ラグビー コラム 2022年8月19日

サクラフィフティーン、「静岡ショック」の再現なるか 女子アイルランド代表とテストマッチ第1戦

村上晃一ラグビーコラム by 村上 晃一
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日本 vs. アイルランド

10月~11月にかけてニュージーランドで開催される女子ラグビーワールドカップ(RWC)に出場する女子日本代表(サクラフィフティーン)は、強化の最終段階に入っている。8月20日は静岡エコパスタジアムで女子アイルランド代表と対戦。エコパスタジアムといえば、2019年のRWC日本大会で男子日代表が、優勝候補のアイルランド代表を倒し、「静岡ショック」と世界を驚かせた場所だ。女子アイルランド代表は、RWCニュージーランド大会の出場こそ逃したものの、世界ランキングは7位で現在13位のサクラフィフティーンは過去5戦して5敗。勝てば、5月の女子オーストラリア代表戦に続いて、世界を驚かせる勝利になる。

女子アイルランド代表スターティングメンバー

女子アイルランド代表の来日メンバーは若い選手も多く、来季のシックスネーションズ(欧州6カ国対抗)、2025年のRWCに向かって強化を進めている。18日に発表されたメンバーを見ると、32歳のNO8ハンナ・オコナー、31歳のSHエルサ・ヒューズがいる一方で、18歳のSOダナ・オブライエン、19歳のCTBイーファ・ダルトンら初キャップの選手が4名、先発15人の中に名を連ねている。

キャプテンのLOニコラ・フライデーは27歳。2016年に代表デビューし、今年のシックスネーションズでキャプテンを務めた。走力あるLOだ。女子アイルランド代表FW8人の平均身長は171cm、平均体重は82kg。対するサクラフィフティーンは、166cm、77kg。体格面の不利をまとまりのあるスクラム、テンポのいいラインアウトで補いたい。

女子日本代表スターティングメンバー

サクラフィフティーンのメンバーは、7月30日の女子南アフリカ代表戦から23名中9名の変更。女子南アフリカ代表との2試合もメンバーは大きく変えながらの戦いだったが、ここでも大きく変更した。ただし、女子南アフリカ代表との第1戦で攻守に大活躍だった松田凛日が13番で先発。5月のオーストラリア遠征で活躍したFL細川恭子、2017年のRWCで大会ベストフィフティーンに選ばれたSH津久井萌が先発するなど期待感が高まるメンバー編成だ。

FW第1列はキャプテンの南早紀、力強いスクラムが魅力の左高裕佳の両PRに、女子南アフリカ代表戦でスピードある走りを披露したHO永田虹歩、その試合でゲームキャプテンを務めたLO玉井希絵、「ジャッカルクイーン」FL鈴木実沙紀ら2列、3列にも体を張る選手が並ぶ。女子南アフリカ代表との第1戦でSOを務めた今釘小町がWTBで先発。万能タイプの選手だが、WTBの位置からでもキックが使えるのは攻撃の幅を広げる。CTB松田の突破力も生かしたいところだ。

女子南アフリカ代表、女子アイルランド代表とのテストマッチシリーズが実現すると決まったとき、レスリー・マッケンジー女子日本代表ヘッドコーチは、日本の地でテストマッチができることの価値を語った上で、「初めてラグビーを観戦される方も、昔からラグビーを愛する方も、すべての形のラグビーファンを歓迎します。ぜひ、会場にお越しください」とコメントした。女子の15人制ラグビーを国内で見る機会は少なく、RWCへの関心を高めるためにも、またとない機会になる。

女子アイルランド代表とサクラフィフティーンは近年、接戦を繰り広げている。2017年8月13日は、14-24(第8回女子RWC)、2021年11月20日は、12-15(ヨーロッパ遠征)だ。今度こそ、このスコアをひっくり返したい。

文:村上 晃一

村上晃一

村上 晃一

ラグビージャーナリスト。京都府立鴨沂高校→大阪体育大学。現役時代のポジションは、CTB/FB。86年度、西日本学生代表として東西対抗に出場。87年4月ベースボール・マガジン社入社、ラグビーマガジン編集部に勤務。90年6月より97年2月まで同誌編集長。出版局を経て98年6月退社し、フリーランスの編集者、記者として活動。

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