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15人制ラグビーの女子日本代表(サクラフィフティーン)は、7月30日(土)、埼玉県の熊谷ラグビー場で、南アフリカ代表との2戦目に臨む。7月24日の第1戦は、15-6で先勝。南アフリカ代表のパワフルな攻撃を粘り強く止め続けた。世界ランキングは、サクラフィフティーンが12位、南アフリカ代表が13位だが、サイズ、パワーでは南アフリカが勝っており、サクラフィフティーンは攻守にスピーディーに動き回り、効率よく戦うことで勝機を見出すスタイルだ。互いに視線の先には10月のラグビーワールドカップがある。2戦目は互いの修正能力も問われる。楽しみは尽きない。
日本代表 スターティングメンバー
7月28日、両チームの登録メンバーが発表された。サクラフィフティーンは、第1戦から先発15名で8名と大幅に変更した。ルイース・ダルグリーシュアシスタントコーチはこの選考について、次のように語った。「現在の合宿には多くの選手が参加しており、南アフリカ戦ではさまざまなコンビネーションを試す狙いがあります。今週のメンバー変更に関しては、トレーニング中や、第1戦でベンチから出てきてモーメンタム(勢い)を作ってくれた選手が入っていますし、チャレンジしてほしい選手もいます。また、コンディションを考慮して休ませる選手もおり、さまざまな観点でこのメンバーを選びました」。
その言葉通り、先週は交代出場でチームの勢いを引き出した、PRラベマイまこと、左高祐佳、LO川村雅未、CTB山本実が先発する。山本は昨年からイングランドのウースターウォリアーズでプレー。世界最強のイングランドのラグビースタイルを学んだ。本来はSOだが、今回はインサイドCTBでSO大塚朱紗とともにゲームをコントロールする。大塚は5月にオーストラリア代表から歴史的勝利をあげたとき、プレーヤー・オブ・ザ・マッチにも輝いた。キック、パス、ランと総合力の高い大塚、山本のコンビで南アフリカ代表のディフェンスを崩したい。
ラベマイが先発することでキャプテンの南早紀はリザーブに回り、先発LO玉井希絵がゲームキャプテンを務める。先週、最後尾で再三ピンチを救うタックルを決めたFB松田凛日、初キャップで奮闘したWTB磯貝美加紗は「他のコンビネーションも見たい」(ダルグリーシュAC)ということもあって欠場。代わってFBは庵奥里愛、WTBは先週11番だった名倉ひなのが14番に回り、11番には2017年のラグビーワールドカップに出場した黒木里帆が入る。先週2トライをあげた齊藤聖奈、長田いろはのFLコンビは変わらず。NO8はフィジー出身のマテイトンガ・ボギドゥラウマイナダヴェが先発する。ラグビーは2010年にフィジーから来日以降に始めたが、1年で代表入り。サイズの小さな選手が多いサクラフィフティーンのなかでは、パワーで前に出ることができる貴重な戦力だ。
南アフリカ代表 スターティングメンバー
対する南アフリカ代表は第1戦から先発15名中5名の変更。スクラム最前列の左PRには176cm、115kgのアシタンディレ・ントヤントが入る。スクラムだけではなく、ボールキャリアーとしても脅威になりそうだ。SHは20キャップと経験豊富なティラ・キンズィが先発して攻撃に要となる。第1戦で再三パワフルな突進を見せたCTBアピウェ・ングウェブは引き続き先発。要注意の選手だ。
ルイース・ダルグリーシュアシスタントコーチは第2戦のフォーカスポイントをこう説明した。「第1戦で南アフリカ代表はフィジカルにコンタクトしてくるチームだということが改めて分かりました。それによって我々はコンタクト局面や、ボールの質に影響を受けました。第2戦はこの部分にフォーカスし、コントロールしていきたいと思います」。第1戦でミスが多くなったのは南アフリカ代表のフィジカルに圧力を受けたことも影響したということだろう。大塚、山本のキックも織り交ぜながら相手の圧力をかわし、テンポよく攻め、ミスなくインゴールまでボールを運べるか。サクラフィフティーンのスピーディーなスタイルからの胸のすくトライを期待したい。
文:村上 晃一
村上 晃一
ラグビージャーナリスト。京都府立鴨沂高校→大阪体育大学。現役時代のポジションは、CTB/FB。86年度、西日本学生代表として東西対抗に出場。87年4月ベースボール・マガジン社入社、ラグビーマガジン編集部に勤務。90年6月より97年2月まで同誌編集長。出版局を経て98年6月退社し、フリーランスの編集者、記者として活動。
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