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ラグビー コラム 2022年6月9日

感謝と恩返しのチャリティーマッチ。 トンガ・サムライフィフティーンに挑む もっとも日本代表に近い選手たち

村上晃一ラグビーコラム by 村上 晃一
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BKは豪華だ。日本代表13キャップのSH茂野海人(トヨタヴェルブリッツ)、68キャップのSO田村優(横浜イーグルス)がHB団を務める。キャプテンも務める田村は若手の教育係でNDSに参加しているようにも見えるが、そうではないらしい。本人は、トンガ・サムライとの試合、ウルグアイ代表との第1戦に好パフォーマンスをして日本代表に返り咲こうとしている。「2週間はこのチームにフルコミットして、僕の持っているものを全部出し切ろうと思っています。久しぶりにフレッシュな気持ちでラグビーできている。それが嬉しいです」。CTBは立川理道(スピアーズ船橋・東京ベイ)、ラファエレ ティモシー(神戸スティーラーズ)という経験豊富な選手に加え、WTBはリーグワン初代新人賞を受賞した根塚洸雅(スピアーズ船橋・東京ベイ)、埼玉ワイルドナイツのトライゲッター竹山晃暉、そして、FBは東京サンゴリアス尾崎晟也というフレッシュなバックスリーが並ぶ。

FWはNDSのバイスキャプテンを務めるHO堀越康介(東京サンゴリアス)、日本代表18キャップのLOヴィンピー・ファンデルヴァルト(レッドハリケーンズ大阪)ら経験ある選手もいるが、8人中5人がノンキャップ。東京サンゴリアスのLO辻雄康、ブレイブルーパス東京のFLシオネ・ラベマイなど今後日本代表での活躍が期待される選手が多い。ファンデルヴァルト選手から「日本代表で長くプレーできる選手」と高い評価を得た辻は「代表になれるように一歩ずつ積み重ねてきました。先発に選んでいただいて嬉しいし、チャンスだと感じております」と丁寧な言葉に強い思いを込めた。

フィジカル自慢のトンガの選手たちに対して、日本代表に最も近い選手たちがどんなプレーを見せるのか。田村、立川、ラファエレの高いスキルのパス交換は楽しみだし、スクラム、ラインアウトを安定させてトライを重ねるところも見てみたい。一方でトンガの選手たちの個々の強さ、ハードタックルなど派手なプレーで観客を沸かせてほしいという思いもある。いまや日本の多くのチームにトンガ出身の選手がおり、日本とトンガの繋がりは深まるばかりだ。観客の皆さんもきっと両チームを応援するだろう。「感謝」、「恩返し」という言葉が似あう試合だが、日本代表を狙う選手にとってはセレクションの意味合いもある。温かいけど激しい戦いになるはずだ。リーグワンや、テストマッチとは一味違ったラグビーを多くの人に楽しんでもらいたい。

文:村上 晃一

村上晃一

村上 晃一

ラグビージャーナリスト。京都府立鴨沂高校→大阪体育大学。現役時代のポジションは、CTB/FB。86年度、西日本学生代表として東西対抗に出場。87年4月ベースボール・マガジン社入社、ラグビーマガジン編集部に勤務。90年6月より97年2月まで同誌編集長。出版局を経て98年6月退社し、フリーランスの編集者、記者として活動。

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