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ラグビー コラム 2022年6月6日

【ハイライト動画あり】大学王者・帝京大、課題修正し 早大から8トライ奪う快勝

村上晃一ラグビーコラム by 村上 晃一
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帝京大学 vs. 東海大学

関東大学春季交流大会Aグループ注目の一戦は、昨季の大学王者・帝京大が修正力の高さを見せつける結果になった。6月5日、早大上井草グラウンドでの試合は有観客での開催。午後1時、早大CTB吉村紘(4年)のキックオフで始まった。先制したのは早大だった。前半5分、帝京大ゴール前5mの左ラインアウトからモールを組む。これは止められたが、すぐに右オープンに展開して、SH宮尾昌典(2年)からインサイドCTB吉村にパスが渡ると、SO守屋大誠(2年)が吉村の外側に回り込んでパスを受け、そのままインゴールに走り込んだ。吉村のゴールも決まって、早大が7点先取する。

直後のキックオフからは帝京大の連続攻撃が始まった。前週の明大戦ではハンドリングエラーなどで攻撃を継続できないことも多かったが、その点は修正されていた。素早いテンポでフェイズを重ね、最後はCTB二村莞司(4年)がゴール右中間にトライした。SO高本幹也(4年)のゴールも決まって7-7。同点となった後の早大のキックオフを確保した帝京大は、WTBツイナカウヴァドラ・ミティエリ(4年)が右タッチライン際をパワフルに駆け上がる。ド迫力のランで次々にタックルをかわして前に出ると、大きく左オープンに展開してWTB高本とむ(3年)もゲイン。FW陣の縦突進もからめながら、最後は再びミティエリがボールを持って、3人のタックルをかわして右中間にトライをあげた。まさに縦横無尽。ミスなくボールをつないだ逆転トライだった。

パワーとスピードを兼ね備えたランナーが複層的なフォーメーションから走り込んでくる帝京大のアタックに対して、早大は接点で食い込まれ、ミスタックルを連発してしまう。帝京大は、LO山川一瑳(4年)、FL青木恵斗(2年)、奥井章仁(3年)らが次々にボールを持って早大ディフェンスに圧力をかけた。前半18分、ラインアウトからモールを押し込み、HO福井翔(4年)がトライ。21分には早大のパスをインターセプトした二村がそのままトライして、24-7とする。

関東大学ラグビー春季大会2022

【ハイライト】早稲田大学 vs. 帝京大学

早大がトライを返したのは、前半23分だった。帝京大のキックをキャッチしてのカウンターアタックからWTB槇瑛人(4年)が右タッチライン際を前進。最後は、左サイドでCTB野中健吾(1年)、HO佐藤健次(2年)、WTB西浦剛臣(2年)とパスが渡ってトライ。24-12と差を詰めた。その後も点の取り合いとなったが、後半、帝京大のHO江良颯(3年)が出場すると、帝京大のセットプレーの優位性がさらに高まる。江良はまるで埼玉ワイルドナイツの堀江翔太のようだった。後半7分、ラインアウトのモールから江良がトライして、スコアは36-19。セットプレー、モールでは帝京大が優位に立ち、早大は相手キックをとってのキックリターンなど、アンストラクチャーからの攻撃に活路を見出だした。

後半12分、両チームの1年生で唯一先発していた早大CTB野中が魅せる。自陣22ラインからの吉村のハイパントをFB小泉怜史(4年)がキャッチしたところから始まった攻撃だった。まずは右オープンで佐藤がゲインし、左に展開すると野中がタックルをかわしながらノールックで内返しのパス。交代出場のPR川サキ(山に竒)太雅(3年)がこのパスを、SH宮尾につないでトライが生まれた。スコアは、38-26。野中はつなぎ役に徹していたが、無理をせずにパスをしてサポート。ブレイクダウンでも仕事をして高いスキルを披露した。

最終スコアは、52-26。明大戦ではモールもまともに組めず、スクラム、ラインアウトも不安定だった帝京大だが、すべての課題を修正し、学生王者の貫禄を見せつけた。完敗の早大は、相良昌彦キャプテンが「力の差があると感じた」と話す通り、多くの局面で圧力を受けた。ここから冬に向けて両チームがどのようにチームを作り上げていくのか。関東大学対抗戦、大学選手権での対決が楽しみだ。同日行われた東海大の明大の試合は、43-24で東海大が勝利。これでAグループ上位陣の順位は、1位東海大(勝ち点18)、2位帝京大(15)、3位明大(13)、4位早大(6)となった。春の優勝をかけた東海大対帝京大の一戦は、6月19日に行われる。

文:村上 晃一

村上晃一

村上 晃一

ラグビージャーナリスト。京都府立鴨沂高校→大阪体育大学。現役時代のポジションは、CTB/FB。86年度、西日本学生代表として東西対抗に出場。87年4月ベースボール・マガジン社入社、ラグビーマガジン編集部に勤務。90年6月より97年2月まで同誌編集長。出版局を経て98年6月退社し、フリーランスの編集者、記者として活動。

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