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ラグビー コラム 2022年4月1日

東京サンゴリアスを猛追する埼玉ワイルドナイツ。 白熱する4位争い。ディビジョン1はここからが面白い。

村上晃一ラグビーコラム by 村上 晃一
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ダミアン・マッケンジー(東京サンゴリアス)

ジャパンラグビー リーグワン2022のディビジョン1は、3月27日の第11節で一区切りついた。カンファレンス内の総当たり戦の一巡目、違うカンファレンスとの交流戦が一通り終了したからだ。4月9日、10日に行われる第12節からはカンファレンス内の二巡目が始まる。順位争いはここからが本番。優勝を争うプレーオフに勝ち残る4チーム入りの戦い、ディビジョン2との入替戦を回避する争いも見逃せない。

11節を終えて首位に立つのは東京サンゴリアス(東京SG)だ。10勝1敗の勝ち点46。第1節(1月8日)でブレイブルーパス東京(BL東京)を60-46で下すと、第2節でトヨタヴェルブリッツを50-8で下し、攻撃力の高さを見せつけた。FW陣は、206cmのLOハリー・ホッキングスが空中戦で強さを発揮し、小林航、辻雄康の日本人LOも仕事量の多さで活躍。新加入のFBダミアン・マッケンジーは世界屈指のランニングスキルと正確なプレースキックで観客を沸かせている。日本代表CTB中村亮土が円熟したプレーでチームを引っ張り、第7節で埼玉ワイルドナイツ(埼玉WK)に17-34で敗れたものの、58トライ、66のクリーンブレイク(ディフェンスをクリーンに破った回数)はリーグトップ。今後も優勝争いの軸になる。

2位のクボタスピアーズ船橋・東京ベイ(S東京ベイ)は、9勝2敗の勝ち点44。国立競技場での開幕戦(1月7日)は相手の埼玉WKにコロナ陽性者が出たため不戦勝。その後、主力に負傷者が多く出るなどメンバー編成が苦しくなり、第3節では神戸スティーラーズ(神戸S)に22-27で敗れた。しかし、身長205cm、体重120kgのLOルアン・ボタらが戻ってくると、フィジカル面の優位性を出して勝ち星を重ねている。ファンを驚かせているのは、PRオペティ・ヘルのパワフルなプレーと、ルーキーのWTB根塚洸雅の豪快な走りだ。新しい選手の台頭もS東京ベイの魅力だ。

坂手淳史(埼玉ワイルドナイツ)

埼玉WKは、第1節、第2節とコロナ陽性者が出て不戦敗となったが、その後は破竹の9連勝で上位2チームを猛追している。選手層の厚さはリーグNO1で、80分間を通した戦い方ができる強みがある。HO坂手淳史キャプテンが先発し、後半に出てくるHO堀江翔太が勝負を決めるのも見慣れた景色になった。SO松田力也は全試合で10番を背負い、FBは野口竜司山沢拓也山沢京平と誰が出ても優れた個人技を披露。オーストラリア代表WTBマリカ・コロインベテの加入がさらに決定力を高めている。ただし、3月27日の第11節では静岡ブルーレヴズに25-26で大苦戦。前半はスクラムでも圧力を受けた。他チームが付け入るスキはあるということだ。

この3チームを追う4位争いは激しい。横浜キヤノンイーグルス(横浜E)、トヨタヴェルブリッツ(トヨタV)は勝ち点32で並び、29点でBL東京が追う。横浜Eは、第8節(交流戦)でBL東京に18-21で敗れたが、第10節(交流戦)ではトヨタVをノートライに抑えて20-9と快勝した。そのトヨタVは、第4節でBL東京に33-23で勝利しており、3チームの実力は拮抗している。

NTTグループのチーム再編で、レッドハリケーンズ大阪(RH大阪)の降格が決まっているため、入替戦がどのような方式になるのか未発表だが、プレーオフ進出が難しくなるチームは、9位以上の座を確保する戦いになる。下位のチームに負けられないのは当然として、順位の近いもの同士の戦いも負けられない。第11節で埼玉WKを追い詰めた静岡BRは現在9位。4月9日は、8位のブラックラムズ東京(BR東京)と地元のヤマハスタジアムで戦う。静岡BRのSOサム・グリーン、BR東京のSOアイザック・ルーカスはともに超攻撃的10番で、この対決は面白くなりそうだ。

同じく9日のS東京ベイ対横浜Eの試合(大阪・万博記念競技場)も熱い。横浜Eとしてはここで勝って4位以内入りに勢いをつけたいところ。ディビジョン内の総当たり二巡目は、一巡目との変化を楽しめるが、コロナで中止になったカードでは初対決もある。5月7日、熊谷ラグビー場で相対する埼玉WKとS東京ベイは、本来は1月7日のオープニングゲームで戦うはずだった。プレーオフを前に優勝を占う戦いになる。試合経験を積むことで各チームの組織プレーの成熟度も高まってくる。内容も緊迫感あるものになるはずだ。5月下旬まで、リーグワンの開幕シーズンをじっくり楽しみたい。

文:村上 晃一

村上晃一

村上 晃一

ラグビージャーナリスト。京都府立鴨沂高校→大阪体育大学。現役時代のポジションは、CTB/FB。86年度、西日本学生代表として東西対抗に出場。87年4月ベースボール・マガジン社入社、ラグビーマガジン編集部に勤務。90年6月より97年2月まで同誌編集長。出版局を経て98年6月退社し、フリーランスの編集者、記者として活動。

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