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ラグビー コラム 2022年3月4日

浮上のきっかけをつかむのは、 7位のブラックラムズ東京か、9位のグリーンロケッツ東葛か。

村上晃一ラグビーコラム by 村上 晃一
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ブラックラムズ東京 vs. グリーンロケッツ東葛

リーグワンのディビジョン1は、前節から違うカンファレンス同士が戦う交流戦に入っている。第8節は3月4日、5日で5試合が行われ、3月6日(日)は残る1試合が東京の秩父宮ラグビー場で開催される。ホストチームは、現在7位のブラックラムズ東京(BR東京)、ビジターとして乗り込むのは9位のグリーンロケッツ東葛(GR東葛)だ。ともにここまで3試合が中止になっていることもあって、安定したパフォーマンスを発揮できないでいる。

BR東京は、前節、横浜キヤノンイーグルスに12-30で敗れた。後半に追い上げたものの前半に15失点したことが響いた。FL松橋周平は、「相手が最初の20分、シンプルにフィジカルで勢いよく来ることはわかっていました。僕らもフィジカルで相手の勢いを止めなければならなかったのですが、そこに対応、バトルができませんでした」と、コメント。フィジカルバトルで後れを取り、日本代表SO田村優を軸にしたイーグルスの攻撃を止めることができなかった。GR東葛との戦いでは序盤のフィジカルバトルを制したい。

対するGR東葛は、前節、静岡ブルーレヴズに27-34で敗れている。前半はスピーディーな展開からFBトム・マーシャル、SH山田啓介らがトライしてリードしていたが、前半終了間際に逆転され、終盤は追い上げたが届かなかった。瀧澤直キャプテンは、「我慢しきれなかったということはひとつ(敗因に)ある。(相手の)ゴール前に長い時間いられたのにすぐトライにつながらなかった。我慢しきれずにボールを出してしまって、それがターンオーバーになったり、ミスになったりとかで相手にボールを渡してしまっていた」と、得点をとり急いでしまうチーム状況を語った。ただし、ロバート・テイラー ヘッドコーチが「今までの中で一番いいパフォーマンスだった」とコメントした。ここまで実際に行われた4試合では勝利がないだけに、なんとしても初白星をあげたい試合だ。

ブラックラムズ東京 スターティングメンバー

4日午後に発表された試合登録メンバーを見ると、BR東京は前節から先発で7名の変更がある。身長204cmで運動量豊富なLOマイケル・ストーバーグ、突破力あるWTBロトアヘア アマナキ大洋がリーグワン初登場。チーム力を引き上げそうだ。

グリーンロケッツ東葛スターティングメンバー

GR東葛は前節から先発で5名の変更。SH藤井達哉は今季初先発。セブンズ日本代表のFLアセリ・マシヴォウは第1節以来の出場となる。これらのメンバー変更がどうチームを活性化させるかも注目だ。

ここまで実際に戦った4試合のスタッツを見ると、多くの数字が似通っているが、ボールを持って突進するボールキャリーは、BR東京が507回で全体の6位、GR東葛は399回で11位だ。ただし、タックルを振り切るディフェンス突破回数は、GR東葛が108回で8位、BR東京は92回で10位と、BR東京が攻撃を継続しながらディフェンスを突破できなでいることが数字に表れている。スクラム、ラインアウトについては両チームとも安定感がなく、反則(ペナルティー)数は、GR東葛が60で、BR東京が47と、GR東葛が多くなっている。ここはGR東葛の課題だろう。互いに勝ち星に飢えている。立ち上がりから激しい肉弾戦が展開されそうだ。

>>チームスタッツランキング

文:村上 晃一

村上晃一

村上 晃一

ラグビージャーナリスト。京都府立鴨沂高校→大阪体育大学。現役時代のポジションは、CTB/FB。86年度、西日本学生代表として東西対抗に出場。87年4月ベースボール・マガジン社入社、ラグビーマガジン編集部に勤務。90年6月より97年2月まで同誌編集長。出版局を経て98年6月退社し、フリーランスの編集者、記者として活動。

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