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横浜キヤノンイーグルス田村優選手
リーグワン2022ディビジョン1は、カンファレンスの総当たり戦が一巡し、2月19日、20日の第6節から違うカンファレンスとの交流戦に入った。19日、静岡県磐田市のヤマハスタジアムで相対したのは、静岡ブルーレヴズと横浜キヤノンイーグルス。ホストのブルーレヴズは、ここまで1勝4敗(うち不戦敗3)の勝ち点5で10位。ビジターのイーグルスは3勝2敗(うち不戦勝1)の勝ち点14で6位。勝ち点を加えて勢いに乗りたいもの同士の戦いは、主導権が行ったり来たりする白熱の好勝負となった。
先手を取ったのはブルーレヴズだった。SH矢富勇毅、SO清原祥のテンポのいいパス回しから、FLイシ・ナイサラニ、NO8クワッガ・スミスCTBヴィリアミ・タヒトゥアらパワフルなランナーが次々に走り込み、イーグルス防御ラインのオフサイドを誘って流れをつかむ。前半5分、イーグルスのゴール前のラインアウトからモールを押し込み、身長165cmのHO平川隼也がトライ。5-0とする。
前半13分、ディフェンスラインのオフサイドを繰り返していたイーグルスは、チームとして同じ反則の繰り返しで、CTBジェシー・クリエルがシンビン(10分間の一時退場処分)となる。このPKからブルーレヴズは、FB奥村翔がPGを決めて、8-0とリードを広げる。直後のキックオフではジャンプしてキャッチしたWTB伊東力の足にイーグルスWTBヴィリアメ・タカヤワがぶつかってしまい、危険なプレーでシンビン。この時点でイーグルスは、13人になってしまう。
雨が断続的に降るコンディションでは縦横無尽にボールを動かすイーグルスのスタイルを貫くのは難しい。その上、2人少ない人数で戦うことになった。ゲームリーダーのSO田村優は「身体は他の選手に使ってもらって、僕は頭を使った」と、13人でできるプレーを絞り込んだ。ボールをキープし、狭いスペースでボールを運ぶ。前半21分には、ブルーレヴズ陣深く入ったラインアウトからモールを押し込み、最後はBKも参加してHO庭井祐輔がトライをあげる。田村のゴールも決まって、スコアは、8-7。
しかし、ブルーレヴズは、前半24分、WTBマロ・トゥイタマがサインプレーから抜け出してトライし、15-7とリード。32分には、イーグルスの攻撃をLO大戸裕矢、FL三村勇飛丸のダブルタックルで寸断し、前半終了間際にFB奥村が40m以上のPGを決めて、18-7として前半を折り返した。
ジャパンラグビー リーグワン2022 ディビジョン1
【第6節ハイライト】静岡ブルーレヴズ vs. 横浜キヤノンイーグルス
どちらに流れが傾くか分からない状況が続くなか、田村優が正確なスキルを披露する。後半10分、ハーフウェイラインから少し自陣に入った右中間のスクラムでのことだ。左オープンに攻めると思いきや、左足でブルーレヴズ陣深くに対角線上にボールを蹴り込むと、これが22mラインに入ってタッチラインを割り、試験的ルールの50:22(フィフティ・トゥエンティトゥ)となって、イーグルスボールのラインアウトとなる。ブルーレヴズのディフェンスがタッチライン際にいなかったところを見逃さなかった。ここで得たラインアウトからモールを押し込んで、FL嶋田直人がトライ。18-14に迫る。
後半25分、再び田村のキックがチャンスを呼び込む。田村がブルーレヴズゴールラインの左隅に蹴り込んだボールを、両チームの4人が追いかけ、最終的にはブルーレヴズの三村の体に当たってインゴールに入る。これがキャリバックの判定となり、ゴールライン5m手間でのイーグルスボールのスクラムとなる。ボールが先にゴールラインを超えていれば、ブルーレヴズボールのドロップアプトだった。ラインを越えないぎりぎりのところにコントロールされた精度の高いキックだった。このスクラムからLOコリー・ヒルがトライする。田村がゴールも決めて、18-21と逆転。34分には、モールによるこの日3本目のトライを庭井が決め、18-28と差を広げてノーサイドとなった。
「ボールを使って攻めるアタックができない状況の中で、庭井と田村がよくリードした。FWがタフに戦ったことは収穫」と沢木敬介監督。卓越した戦術眼と正確なキックでゲームリードした田村優は「これがラグビー。1点でも多くとれば勝ちです。自分たちが優位に立てるところでいかに戦うか。チームが成長できる試合でした」と語った。イーグルスは、4勝2敗で5位に浮上。ブルーレヴズは健闘しながらモールのディフェンスが上手くいかず、7点差以内の負けに与えられるボーナス点も獲得できなかった。
文:村上 晃一
村上 晃一
ラグビージャーナリスト。京都府立鴨沂高校→大阪体育大学。現役時代のポジションは、CTB/FB。86年度、西日本学生代表として東西対抗に出場。87年4月ベースボール・マガジン社入社、ラグビーマガジン編集部に勤務。90年6月より97年2月まで同誌編集長。出版局を経て98年6月退社し、フリーランスの編集者、記者として活動。
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