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コベルコ神戸スティーラーズ vs. クボタスピアーズ船橋・東京ベイ
トップリーグ初代王者であり、リーグワン初年度でも優勝を目指すコベルコ神戸スティーラーズがまさかの開幕2連敗。必勝を期してホームに迎えた相手は優勝候補の一角クボタスピアーズ船橋・東京ベイだ。1月22日、ノエビアスタジアム神戸は開閉式の屋根を空け、抜けるような青空の下で午後2時30分のキックオフを迎えた。
スティーラーズSOアーロン・クルーデンがボールを蹴り上げる。立ち上がりから攻守の入れ替わりの激しい息詰まる戦いとなる。先にチャンスをつかんだのは、スティーラーズだった。スクラムで相手の反則を誘ってスピアーズ陣深く入ると、前半6分、ゴールライン手前のラインアウトから波状攻撃。最後は、LO張碩煥(チャン・ソクファン)がタックルをかわしながら左手を伸ばしてトライ。クルーデンのゴールも決まって、7-0とリードした。
スピアーズも前半11分、FLトゥパ フィナウの突破でチャンスを作ると、右に左に大きくボールを動かしながら、SH谷口和洋がトライして、7-5とする。その後もスピアーズの攻勢が続いたが、スティーラーズはモールをがっちり止めるなど簡単にトライを許さない。スピアーズも、127kgのPRオペティ・ヘルが重量感あるタックルでスティーラーズCTBラファエレ ティモシーを押し戻すなど、両者一歩も引かない。
アタアタ・モエアキオラ
前半30分、スティーラーズの追加点は、WTBアタアタ・モエアキオラの好タッチキックから始まった。ハーフウェイラインから自陣に少し入ったところで相手のキックを受けたアタアタは、スピアーズ陣22mラインを狙ってボールを蹴り込んだ。ボールはバウンドしながら22mラインを越えてタッチラインの外へ。昨年8月から採用されている新ルール「50:22」(フィフティ・トゥエンティトゥ)が適用されて、スティーラーズボールでのラインアウトとなる。
ここからのサインプレーで、ラファエレが左タッチライン方向に走りながらディフェンダーを引き付け、WTB山下楽平が右に方向転換してインゴールに駆け込んだ。ワンチャンスを生かした攻撃で、14-5となる。その後、スピアーズSOバーナード・フォーリーが2PGを決め、14-11と差が詰まったが、後半6分、再び山下楽平が魅せる。フォーリーが蹴り上げたハイパントを、スピアーズWTB合谷和弘とクルーデンが競り合い、こぼれたボールをラファエレが拾って大きく前進。最後は左タッチライン際でパスを受けた山下がタックラー3人を右に左にかわしてトライをあげた。「持ち味が出せた」という言葉通り、狭いスペースで相手をきりきり舞いさせるステップワークが光った。山下はディフェンス面でもスピアーズのチャンスをつぶすジャッカルを決めるなど攻守によく働いた。
ジャパンラグビー リーグワン2022 ディビジョン1
【第3節ハイライト】コベルコ神戸スティーラーズ vs. クボタスピアーズ船橋・東京ベイ
互いにPGを決めあって22-14となった後半27分、クルーデンのキックパスが決まって、交代出場のWTB井関信介がトライし、27-14。ほぼ勝敗は決したかに見えたが、スピアーズも33分、フィナウのトライで、27-19とする。スティーラーズが勝利への執念を見せたのは直後のゴールキックに対してだった。フォーリーがキックのモーションに入ったところで、クルーデンと井関が猛然とダッシュし、クルーデンがキックチャージに成功したのだ。もし、ここで2点が加わっていれば、ワンチャンスで逆転可能な6点差となる。それを分かった上での気迫あふれるチャージだった。
終了間際、スピアーズがスティーラーズ陣深くのPKを得たが、もし、ここで6点差であればトライを狙っただろう。8点差だったことでPGを狙い、7点差以内の負けに与えられるボーナス点1を確保しようとした。もし6点差であれば、トライされて負ける可能性もあったわけだ。クルーデンのチャージには大きな意味があった。プレーヤー・オブ・ザ・マッチは、攻守に際立った活躍の山下楽平が受賞した。
「腕相撲のような試合」(スピアーズのフラン・ルディケヘッドコーチ)。試合の流れは行ったり来たりした。勝敗がどちらに転ぶか分からない緊迫感はあったが、両チーム合わせて「35」という反則数はあまりにも多い。ディフェンスラインが前に出過ぎるオフサイド、タックル後のボール出しの妨げになるノットロールアウェイ、ハイタックルなど意識すれば防げる反則も多く、規律を守ることは今後の課題だろう。
今季初勝利で勝ち点を「5」としたスティーラーズだが、次節(1月29日)は優勝候補筆頭の埼玉パナソニックワイルドナイツを神戸総合運動公園ユニバー記念競技場で迎え撃つ。真価の問われる一戦だ。一方、スピアーズの勝ち点は「10」になった。怪我などでLOルアン・ボタ、FLピーター・ラブスカフニ、CTB立川理道という主力を欠きながら接戦に持ち込めたのは前向きな材料だ。ビッグヒット連発のヘル、元気いっぱいのボールキャリーで前に出たNO8千葉雄太も光っていた。次節(1月29日)はホームの江戸川区陸上競技場でグリーンロケッツ東葛と対戦する。
文:村上 晃一
村上 晃一
ラグビージャーナリスト。京都府立鴨沂高校→大阪体育大学。現役時代のポジションは、CTB/FB。86年度、西日本学生代表として東西対抗に出場。87年4月ベースボール・マガジン社入社、ラグビーマガジン編集部に勤務。90年6月より97年2月まで同誌編集長。出版局を経て98年6月退社し、フリーランスの編集者、記者として活動。
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