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1月8日(土)に大阪・東大阪市花園ラグビー場で、いよいよ「花園」こと、第101回全国高校ラグビー大会の決勝戦が行われる。ファイナルに進んだのは6度目の優勝を狙うAシード・東海大大阪仰星(大阪)と、初優勝を目指すBシード・國學院栃木(栃木)の激突となった。
府・県の予選では無失点で勝ち上がった両校。花園決勝までの勝ち上がりを見てみたい。ともにシード校のため2回戦から出場となった。
◆國學院栃木(Bシード)
・2回戦:64-3松山聖陵(愛媛)
・3回戦:27-7流通経済大柏(千葉/Bシード)
・準々決勝:17-7長崎北陽台(長崎/Bシード)
・準決勝:21-10桐蔭学園(神奈川/Aシード)
◆東海大大阪仰星(Aシード)
・2回戦:48-0光泉カトリック(滋賀)
・3回戦:33-0報徳学園(兵庫)
・準々決勝:45-7常翔学園(大阪第1/Bシード)
・準決勝:42-22東福岡(福岡/Aシード)
全国高校ラグビー大会準決勝
【ハイライト】国学院栃木 vs. 桐蔭学園
今季の関東王者・國學院栃木の結果を見ると、やはり目立つのは粘り強い守備で、4試合の平均失トライは1。さらに3回戦以降の強豪校との対戦では、司令塔SO(スタンドオフ)伊藤龍之介、FB(フルバック)青柳潤之介(ともに2年)の攻撃的なラン、そしてゲームキャプテンを務めるCTB(センター)田中大誠(3年)の正確なプレースキックで、好機でしっかり得点を挙げて勝ち上がってきた。
國學院栃木の司令塔SO伊藤
同校を指導して34年の吉岡肇監督は「今季は私がセレクターだとしても特筆すべき選手はいないのですが、特に3年生は(準決勝で対戦した桐蔭学園の高校日本代表候補に今では)負けていないなと思える選手がいましたね」と選手の成長に目を細めていた。
息子の吉岡航太郎コーチ(同校OB、早稲田大学出身)が細かく指導しているという守備に関して、同監督は「今年のチームはディフェンスの練習に特化し、時間とエネルギーを費やしてやってきた。昨年、一昨年はタレントがいましたが、今年はいないので、チーム一丸、ディフェンシブな戦いをする、ロースコアゲームに持ち込むのが、うちのゲームスタイルです」と胸を張った。
鍛えられた國學院栃木のディフェンス
相手の東海大大阪仰星はFW(フォワード)の推進力、FW、BK(バックス)一体となった展開力もある。相手陣で戦いつつ、失トライを3トライ以内、20点くらいに失点を抑えることができれば十分に勝機が出てくるはずだ。
ゲームキャプテンCTB田中は「仰星はスキルが高いので、一歩でも引いたら勝てないと思うので、60分集中してプレーしたい。栃木県勢で初めて優勝したい」と語気を強めた。
全国高校ラグビー大会準決勝
【ハイライト】東海大大阪仰星 vs. 東福岡
一方、東海大大阪仰星もやはり、守備で勝ち上がってきたチームだ。準決勝で対戦したワイドアタックが武器の東福岡(福岡)戦こそ4トライを奪われたが、大阪府予選から準々決勝まで失ったトライは1つのみだった。
夏の7人制決勝では東海大大阪仰星が勝利
春の選抜大会で、東福岡に17-46で完敗したことから専門コーチを週1回招聘し、フィジカルアップしたことが功を奏し、夏の7人制大会はその東福岡に準決勝で19-7と勝利。決勝では國學院栃木を17-14で下して優勝し、自信を深めた。
今季、「クリティカルシンキング」をテーマに掲げている東海大大阪仰星は、当然、攻撃力も長けている。SO吉本大悟(3年)はロングキックが武器で、FWではキャプテンのNO8(ナンバーエイト)薄田周希(3年)、FL松沼寛治(2年)らは縦に強く、プレースキックが正確なCTB野中健吾、WTB(ウィング)御池蓮二(ともに3年)らもラン能力に長けている。
トップスピードで走り込んでトライを挙げる仰星FL松沼
相手のアタックを封じつつ、多彩なアタックでトライを狙っていきたい東海大大阪仰星。選手、コーチ、監督で優勝経験のある湯浅大智監督は「積み木を積み重ねるように基礎・基本、原理・原則、判断・決断・実行を丁寧にやっていきたい」と言えば、薄田主将は「東福岡さんのおかげで成長できたので感謝しかない。決勝戦も勝って絶対日本一になりたい」と意気込んだ。
國學院栃木が勝利すれば花園で通算30勝目、東海大大阪仰星が勝てば60勝目。準決勝で桐蔭学園を下した勢いのまま、國學院栃木が栃木県に初めて優勝旗「飛球の旗」を持ち帰るのか。それとも東海大大阪仰星が夏の7人制大会に続き、4年ぶり6度目の王者となるか。
101回目の高校チャンピオンを決める戦いは1月8日(土)14:05に「聖地」花園でキックオフされる。
文/写真:斉藤健仁
斉藤 健仁
スポーツライター。1975年生まれ、千葉県柏市育ち。ラグビーと欧州サッカーを中心に取材・執筆。エディー・ジャパン全試合を現地で取材!ラグビー専門WEBマガジン「Rugby Japan 365」「高校生スポーツ」の記者も務める。学生時代に水泳、サッカー、テニス、ラグビー、スカッシュを経験。「エディー・ジョーンズ 4年間の軌跡」(ベースボール・マガジン社)、「ラグビー日本代表1301日間の回顧録」(カンゼン)など著書多数。≫Twitterアカウント
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