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ラグビー コラム 2021年12月27日

【ハイライト動画あり】2度目の早明戦は明大がリベンジ スクラムの圧力で早大を追い込む

村上晃一ラグビーコラム by 村上 晃一
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明治大学 vs. 早稲田大学

全国大学選手権の準々決勝で早大明大が戦うのは史上初のことだった。これまでは準決勝、決勝で対戦し、8勝6敗で明大が勝ち越している。しかし、今年は練習試合も含めて早大が3勝。今季4度目の対決に明大の選手たちは燃えた。試合前のロッカールームから出てきたPR大賀宗志(3年)は大粒の涙。「大石さん(康太、4年)が涙を流して、ぜったいに勝とう!と言ってくれて、僕も泣いてしまいました」。

秩父宮ラグビー場には、9,471人の観衆が集った。午前11時30分、明大ボールのキックオフ。早大が蹴り返したボールに対し、明大WTB石田吉平(3年)がカウンターアタックを仕掛ける。右に左に連続攻撃を仕掛けると、最後は左タッチライン際にいたFL木戸大士郎が(1年)がタックルを弾きながら先制トライをあげる。対する早大は6分、SO伊藤大祐(2年)がPGを狙うもポストに当たって不成功。その後の攻撃でWTB小泉怜史(3年)が左コーナーに飛び込もうとしたが、ここは明大SH飯沼蓮キャプテン(4年)がタッチラインに押し出すトライセービングタックルで防いだ。

伊藤大スケ(示に右)(早稲田大学)

緊張感ある攻防が続いた20分、自陣でディフェンスしていた早大はLO桑田陽介(4年)のタックルで明大のノックオンを誘うと、そのボールを、PR小沼宏太(4年)、NO8佐藤健次(1年)、CTB長田智希キャプテン(4年)、SO伊藤とつなぎ、伊藤が左タッチライン際を快走してトライ。自らゴールも決めて、5-7と逆転する。明大CTB廣瀬雄也(2年)、早大SO伊藤がPGを決めあい、8-10となった前半37分、早大は、連続攻撃でディフェンスを崩し、PR小林賢太(4年)が左中間に飛び込み8-15とリードを広げた。

12月5日の早明戦では、7割がたボールを保持しながら得点に結びつけられなかった明大だが、この日はFWの縦突破を織り交ぜながら前進し、ディフェンスを破って何度も大幅ゲインを勝ちとった。後半10分にはPR大賀宗志(3年)がラックサイドをついてトライし、13-15と2点差に迫る。直後、SO伊藤のラインブレイクでチャンスをつかんだ早大は、サポートしたWTB小泉、SH宮尾昌典(1年)とパスをつないだが、ここで痛恨のノックオン。トライ直前のミスで得点機を逸する。

ラグビー 全国大学選手権 21/22 準々決勝

【ハイライト】明治大学 vs. 早稲田大学

逆転に成功したトライをあげた大賀宗志(明治大学)

このノックオンのスクラムから明大は圧力をかけて反則を誘い、早大陣へ。その直後にも明大はスクラムで圧力をかけ、PKからのタッチキックで早大ゴール直前でのラインアウトを得る。ここからは明大はモール、スクラムで徹底して早大を押し込み、後半30分、ついにPR大賀がトライをあげ、20-15と逆転に成功した。その後何度かチャンスを作った早大だが、焦りもあってパスがつながらず、そのままノーサイドとなった。

「ただただ悔しいです。スクラムは、お互いに自分たちの形で組みたくて、スペースを取り合ってかみあいませんでした」と早大PR小林はスクラムに時間をかけ過ぎたことを悔いた。SO伊藤は「風上の前半に、僕のPGミスを含め、得点できていたら勝てたと思う」と唇をかんだ。また、「早稲田がやってはいけないことをやってしまった」といくつかのミスを振り返った。

何度も好タックルを見せた明大の飯沼キャプテンは「きょうはトラストがテーマで、これまでやってきたこと、練習、仲間など自分たちを信じて戦った。僕たちの目標は優勝なので、そこに向かって進んでいきたい」と力強くコメント。大賀は「練習試合も含めると今年4度目の早明戦で、一度も勝てずに終わるわけにはいかなかった」と語った。反則数は、早大の11に対して、明大は4。12月5日の11から大幅に減った。規律面の改善も勝因の一つだろう。昨季の準決勝で敗れた天理大、早明戦で敗れた早大を撃破。2つの雪辱を果たした明大は3年ぶりの優勝を目指し、2022年1月2日、国立競技場で東海大と対戦する。

文:村上 晃一

村上晃一

村上 晃一

ラグビージャーナリスト。京都府立鴨沂高校→大阪体育大学。現役時代のポジションは、CTB/FB。86年度、西日本学生代表として東西対抗に出場。87年4月ベースボール・マガジン社入社、ラグビーマガジン編集部に勤務。90年6月より97年2月まで同誌編集長。出版局を経て98年6月退社し、フリーランスの編集者、記者として活動。

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