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ラグビー コラム 2021年12月24日

早明が準々決勝で再戦。正月越えを果たすのは?フィジカルバトルを制するのは早稲田大か、明治大か。

村上晃一ラグビーコラム by 村上 晃一
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明治大学 vs. 早稲田大学

日本ラグビーの年末年始を彩る全国大学ラグビー選手権は、12月26日、東京の秩父宮ラグビー場、埼玉の熊谷ラグビー場にて準々決勝が行われる。いずれ劣らぬ好カードぞろいだが、なかでも注目を集めるのが12月5日の早明定期戦の再現となる早大明大だ。

早明戦では、明大がスクラムで圧倒的優位に立ちながら、それを得点に生かせず、17-7で早大が勝利。関東大学対抗戦Aの順位は、1位帝京大、2位早大、3位明大となった。この結果、大学選手権では明大が4回戦からの出場となり、いきなり昨シーズンの大学王者・天理大と対戦することになった。激闘となったが、スクラムサイドをついてSH飯沼蓮キャプテン(4年)がトライするなど、スクラムの優位性を勝利に結びつけた明大が前王者を撃破し、待ち受ける早大と再び相まみえることになった。

明大の課題は明確だ。7割方ボールを支配しながら、やや単調になってしまった早明戦の攻撃を修正し、一人一人がアグレッシブに前に出ることでトライを積み上げたい。一方、早大は今季、レスリングトレーニングを取り入れるなどフィジカル面をレベルアップしてきた。コンタクト局面での粘り強さは、12月5日の早明戦でも証明済みだ。激しく突進してくる明大を止め続けることができるのか。フィジカルバトルは見どころのひとつだ。

スクラムは最大の焦点だ。12月5日は明大が押し込むことが多かったが、早大も安定したスクラムを組めたときもあった。まったく同じように圧力を受け続けるとは考えにくい。なんらかの対応をしてくるだろう。一方、明大は天理大戦のスクラムで勢いに乗っている。そのままこの試合でも前に出ることができるか注目だ。両チームにとって、ラインアウトも含め、セットプレーから安定したボールを供給できるのかは勝敗を分けるキーポイントになる。

12月24日に発表された両チームのメンバーを見ると、3週間前の早明戦から早大は先発メンバーに少し変更がある。攻守の要である長田智希キャプテン(4年)が先発復帰。岡ザキ(山に竒)颯馬(2年)とCTBコンビを組む。そして、早明戦で13番を背負った松下怜央(3年)が14番へ。FW第一列は、早明戦で1番を務めた小林賢太(4年)が3番へ。1番には小沼宏太(4年)が入る。今季は1番を務めてきた小林が昨年までの3番にはいることでスクラムにどんな変化があるのか。興味深い。早慶戦、早明戦という伝統の定期戦で先発し、非凡な才能を見せつけたSO伊藤大祐(2年)、1年生ながら対抗戦全試合に出場したSH宮尾昌典、NO8佐藤健次が明大のディフェンスをどう崩すか。

明大は、早明戦と変わらぬ先発15名だ。ただ、先週(4回戦)の天理大戦では軽いけがでリザーブに回ったWTB石田吉平(3年)が先発復帰する。天理大戦ではSH飯沼蓮キャプテン(4年)が自ら前に出て攻撃を引っ張り、CTB廣瀬雄也(2年)が正確なキックパスでトライを生み出すなどキーマンが質の高い仕事をした。ここに抜群のスピードを誇る石田が復帰したことで、さらに多彩な攻撃を仕掛けることができる。

早大は2年ぶり、明大は3年ぶりの王座奪還を目指す。どちらにとっても越えなければならない大一番だ。注目の一戦は、12月26日、秩父宮ラグビー場にて午前11時30分、キックオフされる。

文:村上 晃一

村上晃一

村上 晃一

ラグビージャーナリスト。京都府立鴨沂高校→大阪体育大学。現役時代のポジションは、CTB/FB。86年度、西日本学生代表として東西対抗に出場。87年4月ベースボール・マガジン社入社、ラグビーマガジン編集部に勤務。90年6月より97年2月まで同誌編集長。出版局を経て98年6月退社し、フリーランスの編集者、記者として活動。

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