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この秋初の公式戦開催に好天も重なり、11月20日の秩父宮ラグビー場には1万人近いファンが詰めかけた。そしてそんなスタンドの熱気に呼応するように、関東大学対抗戦の頂点を争う大一番は、80分間を通して熱のこもった激闘となった。
見せ場はいきなり訪れた。開始2分、ハーフウェーライン付近でこの日最初のスクラムが組まれる。1度目は崩れ、2度目は呼吸が合わず組み直し、そして3本目で投入側の帝京大学が力強く押し込む。狙い通りにペナルティを獲得して、FW陣が雄叫びをあげた。
いずれもスクラムを強みとする両校だけに、どちらがそこで優位に立てるかはこの試合最大の焦点と見られていた。その最初の攻防に組み勝ったことで、帝京大学がつかんだ手応えは大きかったはずだ。むろん1本のスクラムだけで試合が決まるわけではない。ただ、この1本で試合の流れは間違いなく決まった。
以後、帝京大学は前8人の推進力を押し出して主導権を握り、SO高本幹也が判断よくボールを散らしてチャンスを作り出していく。明治大学も鍛え上げられたチームディフェンスで辛抱強く対抗するが、相手の勢いに食い込まれ、なかなかボールを取り返せない。キックの蹴り合いで帝京大学が優勢だったこともあって、赤のジャージーが大半の時間を敵陣でのアタックに費やした。
そして前半15分、最初のトライが生まれる。ゴールラインまで10mほどの位置でのマイボールスクラムを帝京大学が一気に押し込んでアドバンテージを得ると、SO高本が左奥のスペースへキックパス。チェイスしたWTB高本とむがピタリと軌道に合わせてキャッチし、インゴールに飛び込んだ。
なおも帝京大学の攻勢は続き、たびたび明治ディフェンスを突破してゴールラインに迫る。そして28分、キックレシーブからWTB白國亮大が巧みなステップで抜け出し大きくゲインすると、フォローしたPR照内寿明が約30メートルを快走。最後はカバーに戻ってきた明治WTB石田吉平のタックルを振りほどく圧巻の走りでトライを挙げ、リードを14ー0と広げた。
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