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丸山凛太朗(東海大)
東西の大学リーグが佳境を迎えるが、関東大学リーグ戦1部も熾烈な順位争いを繰り広げている。全国大学選手権の大会概要、組み合わせが11月9日に発表になり、リーグ戦の順位によって、トーナメントのどの位置に入るのかも明確になった。関東大学リーグ戦1部の出場枠は3チーム。出場権をめぐる順位争いはし烈だ。
同リーグのチームが大学選手権決勝に進出したのは、2016年度の東海大が最後。今季はリーグ戦として5シーズンぶりの決勝進出と、悲願の王座を狙って、東海大と日大がここまで5戦全勝でリーグを引っ張っている。東海大は、9月26日の第1戦で関東学大から57-5で快勝。SO武藤ゆらぎ(2年)、CTB丸山凛太朗(4年)のダブル司令塔が攻撃をコントロールし、丸山と、FLアフ・オフィナ(2年)が2トライ、NO8ノア・トビオ(4年)、LOワイサケ・ララトゥブア(3年)らが9トライをあげた。
その後も、3トライ以上の差をつけるボーナス点を獲得しながら連勝を続け、11月7日の法政大戦では、今季最多失点も64-26で勝ち、勝ち点は満点の「25」。U20フィジー代表のララトゥブアらの留学生、キャプテンのジョーンズ リチャード剛(4年)ら力強いボールキャアーが多く、BK陣も武藤、丸山らインサイドでチームを操る選手もランニングスキルが高く、充実の戦力といえるだろう。
井上風雅(日大)
同じく満点の勝ち点「25」で並走するのが昨年リーグ3位の日大だ。9月26日の開幕戦では、中央大に50-22で勝利。強力FWがモールを軸にトライを重ね、プレイヤーオブザマッチ(POM)に選ばれたHO井上風雅(2年)は3トライをあげた。井上はその後3試合目までに13トライ。3試合連続でPOMに輝いた。個人のトライ記録でも現在14でリーグ1位を独走している。日大は強力FWだけではなく、WTB水間夢翔(3年)、ナサニエル・トゥポウ(3年)ら決定力あるBKが揃う。11月7日には、昨年2位の流経大を34-22で退けた。8チームの勝ち点と勝敗数は以下の通りだ。
▽勝点(各チーム5試合終了時点)
25点・東海大学(5勝0敗)
25点・日本大学(5勝0敗)
14点・大東文化大学(3勝2敗)
11点・法政大学(2勝3敗)
8点・流通経済大学(2勝3敗)
8点・中央大学(2勝3敗)
5点・関東学院大学(1勝4敗)
1点・専修大学(0勝5敗)
※リーグ戦の勝ち点制度=勝ち:4点、引き分け:2点、負け:0点。ボーナスポイント:勝敗に関係なく、3トライ以上の差をつけたチームに勝ち点1を追加、負けても7点差以内のチームに勝ち点1を追加。
5戦全勝同士の対戦は、11月21日、夢の島競技場で行われる。東海大が勝てば4年連続、日大が勝てば1985年以来36年ぶりのリーグ制覇が決まる。ともに圧倒的な攻撃力を持ち、アグレッシブに攻め合うだろう。両チームは3位以内を決めているが、優勝決定戦として必見の戦いだ。
残る出場枠は一つ。現在3位の大東大は、9月26日の初戦で昨年2位の流経大を29-7で破って好スタート。東海大、日大には敗れたが、法大には競り勝ち、3勝2敗で勝ち点は「14」。上位陣との対戦を終えており、専修大、中央大に連勝すれば、勝ち点が最低でも22点になるので3位が確定する。大東大が連勝できなかった場合にのみ、他チームにチャンスが巡ってくる。大東大を越えるためには、14点以上を獲得する必要があるが、7位の関東学大もボーナス点を取って連勝した場合は、15点になって上回ることができる。これは非常に難しいハードル。
4位の法大は最大21点まで獲得することができる。11月21日、東海大対日大が行われる同じグラウンドで法大は流経大と対決するが、この試合は生き残りをかけた戦いだ。流経大は開幕前のクラスターで出遅れたが、徐々に調子を上げている。爆発力はあり、最終節では流経大は東海大と対戦する。法大に勝って東海大にチャレンジしたい。法大は最終戦で日大と対戦。中央大は関東学大、大東大戦を残す。7位関東学大、8位専修大は入替戦回避を目指す。この2シーズンはコロナ禍で難しいチーム作りが続くが、その中で学生たちが納得のいく試合ができることを祈りたい。
文:村上 晃一
村上 晃一
ラグビージャーナリスト。京都府立鴨沂高校→大阪体育大学。現役時代のポジションは、CTB/FB。86年度、西日本学生代表として東西対抗に出場。87年4月ベースボール・マガジン社入社、ラグビーマガジン編集部に勤務。90年6月より97年2月まで同誌編集長。出版局を経て98年6月退社し、フリーランスの編集者、記者として活動。
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