【ハイライト動画あり】京都産業大学、近畿大学の快進撃を止めて開幕2連勝。ラグビー関西大学リーグ

後半、スコアを伸ばし近大を引き離したい京産大は風下に陣地。また、雨もぱらつくようになり、より厳しい戦いを強いられる。

後半8分、京産大FWが相手のスクラムを押し込むとボールがこぼれる。すると、そのボールを狙っていた京産大の切り込み隊長、FL（フランカー）福西隼杜（報徳・3）を先頭に次々とタックル。なんとか繋ごうとする近大のノックオンを誘い、一丸となったディフェンスで勢いに乗る。

その後、12分にもスクラムで押し込むとペナルティをゲット、完全に流れを掴んだ。そして、ここで交代選手を投入。畳み掛ける京産大だったが冷静にPG（ペナルティゴール）を選択し、ゴール正面から竹下がゴールを狙う。距離は30mとやや遠く、向かい風も吹くが、しっかりと決めて13-5とした。

22分、またもやスクラムで優位に立ち、ペナルティをゲット。ゴール向かって右からPGを狙う。前半にも同じような角度があったが、打って変わって今度は向かい風。そんな条件のなか竹下は余裕さえ感じる安定感のあるキックで、16-5と近大を突き放す。

残りの時間は近大が終始ボールを支配したが、この試合で素晴らしいディフェンスを見せてきた京産大は、何度も近大のアタックを退けた。「しんどい時間だったが15人全員が立って、しっかりディフェンスできた。自信を持って前に出ようと声をかけた」と平野叶翔（西陵・4）共同主将。

39分に1つトライを返されるが、リスタート直後にノーサイドのホイッスルが鳴った。トライはされたものの、10分以上近大のアタックに耐えた京産大に軍配が上がった。スコアは16-12、トライ数では近大に上回られたが、計4本のプレースキックを全て決めた竹下の活躍もあり、大事な一戦をものにして、開幕2連勝を勝ち取った。

元日本代表で名キッカーとして名高い廣瀬監督は「FWがプレッシャーをかけたところで3点を刻むという、期待通りのことをやってくれたと思います」とこの日の「POTM」（プレイヤー・オブ・ザ・マッチ）に輝いたFBを評価した。

4本のプレースキックをすべて成功させた竹下拓己

また、竹下は「練習後の自主練で自分の気が済むまでボールを拾ってくださって、練習に付き合ってもらい精度の向上につながった」と安定感の影には廣瀬監督がいたという。

次戦は10月24日（日）に行われる摂南大学との対戦だ。新型コロナウイルスの影響で延期になっていた第1節の試合が行われる。春のトーナメントでは、50-22 と勝利している相手だが油断は禁物だ。両者ともに夏の成果が試される試合になるだろう。1試合未消化とはいえ、関西リーグで唯一全勝の京産大。関西制覇に向けて落とせない一戦に目が離せない。

記事／写真：出口敬介（京産大アスレチック）