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ラグビー コラム 2021年10月1日

このまま沈むわけにはいかない! 巻き返し図る天理大は関西大と対戦

村上晃一ラグビーコラム by 村上 晃一
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天理大学キャプテン 佐藤康

9月18日に開幕した2021関西大学Aリーグは、大学王者の天理大近大に敗れる波乱の幕開けとなった。天理大は昨年まで同リーグを5年連続で制し、32連勝と関西では圧倒的な実力差を示してきた。「いつかは負けるので連勝が止まったこと自体は気にしていない」と小松節夫監督は話すが、後半はトライチャンスすら作れなかった完敗は気になるところ。ここからどうチームを立て直すか。関西勢として36年ぶりに大学選手権を制覇した王者としてこのまま沈むわけにはいかない。

CTB藤原悠(関西大学)

その天理大は、10月3日、関西大と対戦する。昨季7位の関西大は、今季の開幕戦では同志社大に8-75で完敗したが、激しく前に出るディフェンスで何度も同大の選手たちを押し戻した。CTB藤原悠(4年)、FB山村英毅(3年)ら突破力ある選手がラインブレイクするシーンもあり、後半にはラインアウトからのモールでトライも奪っている。龍田恭佑キャプテン(4年)は「リーグ戦は始まったばかり。目標は大学選手権出場」と前向きに語っていた。持ち味の前に出るディフェンスで、思い切りのいいチャレンジを見せるだろう。

天理大は、春からキャプテンのHO佐藤康(4年)、LO服部航大(4年)、NO8アシペリ・モアラ(4年)、山村勝悟(3年)ら大学選手権優勝メンバーに負傷者が多く、思うようにチーム力が上がっていない。天理大にとっては嫌な記憶もある。2010年から2012年まで関西を3連覇しながら、2013年は初戦で敗れ、6位に沈んだことがあるのだ。「このままずるずると行くのか?」と小松監督は選手に奮起を促している。

SH藤原健之朗(天理大学)

チームを操るHB団は1年生コンビが務める。SH藤原健之朗は日本航空石川の出身で、昨年までのSH藤原忍(クボタスピアーズ)と同じ経歴で見た目も似ているところがあり、兄弟と思われがちだが、血縁関係はない。小松監督は高校1年生から良い選手だと注目していたという。SO筒口允之は、長崎南山高校時代はキャプテンで、プレースキッカーも務めていた。天理大を志望して入学し、実力を認められてのレギュラー入りである。ともに体格的には小さいがスキルが高く、戦術眼もあり、2人の1年生がどうチームを勢いづけるか注目される。

もう一人、1年生で初戦に先発したのがLOパトリク・ヴァカタだ。日本航空石川出身で、189cm、111kgという体格ながら、近大戦で独走トライを奪うなど走力もある。モアラの調子が上がってくれば、FWにこの2人が並ぶのは相手チームの脅威になる。関大のハードタックルをはねのけ、その突破力でチームを勢いづけることができるのか。今回はモアラが怪我で欠場するが、服部と山村という昨季の経験者が先発復帰する。キャプテンの佐藤とともにFWを引っ張りたい。

小松監督に戦略の修正点など質問すると、「もっと大きく考えて、日常生活から見直し、チームの雰囲気がどう変わっていくか」と話していた。近大戦ではややおとなしく見えたチームが変わることができるのか。シーズンは始まったばかりで、ここから勝ち点(勝利:4点、4トライ以上のボーナス点:1)を積み上げていけば、関西6連覇の可能性は残されている。学生王者のリスタートに注目したい。

文:村上 晃一

村上晃一

村上 晃一

ラグビージャーナリスト。京都府立鴨沂高校→大阪体育大学。現役時代のポジションは、CTB/FB。86年度、西日本学生代表として東西対抗に出場。87年4月ベースボール・マガジン社入社、ラグビーマガジン編集部に勤務。90年6月より97年2月まで同誌編集長。出版局を経て98年6月退社し、フリーランスの編集者、記者として活動。

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